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DXの進め方を徹底解説! ステップ別にやるべきことを具体的に紹介

DXの進め方を徹底解説! ステップ別にやるべきことを具体的に紹介

業務改善で欠かせないキーワードになった「DX」。しかしDXが重要であることは理解していても、どのように進めたらよいのかわからないという方も少なくないのでは。そこで本記事では、DXの概要を理解した上で、その進め方を3つのステップに分けて解説します。DXとは? 定義と日本での現状近年、ビジネス界をにぎわせている「DX」。まずはDXの意味と、日本での現状を理解しましょう。DX(デジタルトランスフォーメーション)とはDXとはDigital Transformation(デジタルトランスフォーメーション)の略称で、デジタルを用いてビジネスや日常生活をよりよいものにしていく取り組みを指します。明確な定義はありませんが、経産省が発表している「DXレポート」では、次のように説明されています。 「新たなデジタル技術を活用して新たなビジネス・モデルを創出・柔軟に改変する」 つまり、デジタル技術を導入するだけでなく、その先にある企業の成長につなげることまでがDXといえます。 ちなみに、Digital Transformationを略すと「DT」となるのに、なぜ「DX」と略されているか気になる方も多いのではないでしょうか。英語の「Trans」は「横切って」といった意味があり「Cross(交差する)」と同義語です。「Cross」は「X」で表されることから、「Trans」を「X」に変換して「DX」としています。デジタイゼーション、デジタライゼーションとの違いDXと混同されやすい言葉に「デジタイゼーション」と「デジタライゼーション」があります。経産省は「DXレポート2」の中で、デジタイゼーションを「アナログデータをデジタル化すること」、デジタライゼーションを「個別の業務や製造のプロセスをデジタル化すること」としています。一例として、以下の取り組みが挙げられます。 デジタイゼーション 紙の名刺情報を顧客データベースに登録する 社内の回覧板や掲示板を廃止して、ビジネスチャットで情報共有をする デジタライゼーション 入力業務をRPA(ロボティック・プロセス・オートメーション=ロボットによる業務自動化)で代行する 電子契約を導入して、契約に関する一連の業務をオンラインで行う ここで注意すべきなのが、デジタイゼーション・デジタライゼーションの段階では、データ管理や業務などにデジタル技術を導入しただけにすぎないということです。全社横断的にデジタル技術を活用してビジネスモデル自体を変革してこそ、DXを実現したといえます。DXが必要となっている背景「2025年の崖」DXが必要とされている背景には「2025年の崖」があります。これは、深刻な人材不足やサポート切れが起こる2025年までに対策を怠ると、以下のような危機が訪れることを示唆しているものです。  既存の基幹系システムの複雑化、ブラックボックス化 約43万人と推測されるIT人材不足の深刻化 さまざまなアプリケーションのサポート切れ これらの問題は、日本全体で年間最大12兆円もの経済損失をもたらすといわれています。その事態を回避するためにも、日本企業は新たなデジタル技術を活用してDXを進める必要性に迫られているのです。日本におけるDXの進捗状況デジタル面で日本は大きな問題に直面していますが、実際にDXは進んでいるのでしょうか。経産省が発表している「DXレポート2.2」によると、社内のDXがどこまで進んでいるかチェックできる「DX推進指標」で成熟度レベル3以上の先行企業の割合は、2022年には全体の18%となり、2019年の4%から大きく向上しています。 その一方、企業のデジタル投資の約8割は現行ビジネスの維持・運営に投入されており、新たなビジネスへの変革には思うように予算を割けられていないのも現状です。【DXの進め方】準備段階 DXの必要性に迫られている日本。それでは、どのようにDXを進めたらよいのでしょうか。「準備段階」「実行段階」「変革段階」の3ステップに分け、DXの進め方を解説します。まずは「準備段階」についてです。DX戦略を策定するDXを進めるにあたり、方向性を定めるために戦略を策定します。まずは自社のデジタル課題や老朽システムを洗い出し、なぜ自社がDXを行うべきか明確にしましょう。自社の問題点が明確になれば「なぜDXしなければならないのか」という目的も明確になります。 また、最初から大がかりなDXに取り組むと膨大なコストや時間がかかる場合があるため、まずは部署や業務ごとに大まかなアクションプランやスケジュールを立てましょう。社内の理解を深めるDX化を実現させるためには、社員の積極的な協力や能動的な取り組みが欠かせません。社内の足並みが揃っていないとスムーズにDX化は進まないので、DXに関する社内の理解を深めましょう。 自社のDX戦略を社員に共有し、一人ひとりに当事者意識を持ってもらうことが重要です。また、DXに成功している企業の事例集などを活用して必要性を理解してもらいましょう。体制を整えるDXをスムーズに進めるには、社内の体制整備もポイントになります。DXを推進する役割として、各部署内にDX推進チームを設置したり、新たにDX推進部門を設立したりする企業が多く見られます。また、社内にCIO(最高情報責任者)やCDXO(最高DX責任者)を配置し、役割や権限を明確化することも重要です。【DXの進め方】実行段階準備が整ったら実行に移ります。ここでは実行段階の具体的な進め方を紹介します。デジタイゼーション、デジタライゼーションを進める最初から全社横断的にデジタル化に取り組んで変革をすることは難しいため、最初はデータ管理や業務プロセスなどのデジタル化から始めましょう。たとえばペーパーレス化や脱ハンコなどは、手軽に始められる取り組みのひとつです。新たなデジタル技術を徐々に社内に浸透させることで、社員もデジタルに慣れていき、DXへの意識の高まりにつながります。DX人材を確保・育成する継続してDXを推進していくためには、組織をけん引していけるDX人材の確保・育成が不可欠です。準備段階で体制の整備やCIO/CDXOの設置をしますが、実際にビジネスモデルをデジタルに変革するためには、広い知見と専門的な技術をもつ人材が求められます。新たに人材を採用するだけでなく、今いる社員を適切に教育してDX人材に育成することも検討しましょう。【DXの進め方】変革段階 DXの実行が進んだら、次は変革段階へと突入します。ビジネスが変革してこそDXが成功したといえるため、デジタイゼーションやデジタライゼーションで満足せず、この段階まで進めましょう。定期的に振り返り評価する定期的に「適切にDXが進んでいるのか」「実行する上で問題となっている点はないか」といった視点で振り返り、改善していきましょう。また、どのくらい自社のDXが進んでいるのか把握することも重要です。客観的にDXの進捗状況を把握するためには経産省が公開している「DX推進指標」を活用しましょう。定性的・定量的な指標で、自社の成熟度を判定できます。データを分析してビジネスモデルに活用する数値データで可視化できるのがデジタルの利点です。アナログデータでは把握しきれなかった部分も、数値として定量的に把握できます。たとえばテレアポ業務をアナログで行っていると、誰がどのくらい稼働しているのか、アポイント獲得率はどのくらいか、といった数値が見えにくくなります。しかしデジタル技術を導入すると、オペレーター一人ひとりの稼働状況や成果などが数値として可視化されます。 こうしたデータを分析することで、多くのビジネスのヒントが得られるでしょう。今まで気づかなかった自社のボトルネックを見つけたり、反対に自社の強みを発見したりできます。そして分析結果を活かし、自社のビジネスモデル見直しましょう。まとめDXは、日本企業の喫緊の課題といえます。ただし、闇雲にDXを進めようとすると、社内の理解を得られずにつまずいたり、デジタル技術を導入しただけで満足したりすることになりかねません。まずはDXの進め方を理解して、自社の戦略を策定することから始めましょう。

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業務改善のアイデア5選! よくある失敗と成功までのステップを解説

業務改善のアイデア5選! よくある失敗と成功までのステップを解説

企業が業務改善を行うことは、現代のビジネス環境において非常に重要です。グローバル競争の激化、ビジネスの多様化・複雑化、コストの高騰などさまざまな背景から、より効率的な業務プロセスを構築することが強く求められています。そこで今回は、企業が業務改善を行うためのアイデアを紹介します。業務改善とは?業務改善とは、ある業務やプロセスに対してより効率的で効果的な方法を見つけ、実現するための取り組みのことです。一時的なものではなく、計画(Plan)、実行(Do)、確認(Check)、改善(Action)によるPDCAサイクルを継続的に回し、見直しと改善を重ねていくことが重要です。業務改善を行わず放置するリスク日本の少子高齢化と人口減少は、今後も続いていくと考えられます。深刻化する労働力不足に日本企業が対応していくためには、少ない人数で効率的に業務を行い、生産性を高めることが重要です。「今までやってこられた」「慣れている」などの理由で、実際には不要な作業を続けているケースは少なくありません。手間や時間ばかりがかかる効率の悪い業務を放置することは、本来削減できるコストを費やし続けるだけではなく、従業員のモチベーションや定着率の低下にもつながります。 また、近年のIT技術の進化は目覚ましく、企業の規模にかかわらずITツールを導入する企業が増加しています。自動化や最適化により生じた時間や人材を重要な事業に再配置できるため、業務は効率化し、企業の成長へとつながります。一方で、改善できる部分を放置してしまうと企業の成長は鈍化し、競合他社と比較した場合の競争力も低下することになります。業務改善のアイデア5選 では、業務改善に取り組む場合、具体的にはどのような選択肢があるのでしょうか。ここではその基本となる5つのアイデアをピックアップします。業務プロセスの可視化業務プロセスの可視化は、業務改善の基盤となる重要な取り組みです。業務の全体像や業務と業務のつながり、その担当者や責任の所在を明らかにして把握・共有することで、無駄な工程やボトルネック、自動化あるいは分担可能な作業などを洗い出し、改善策を導き出すことができます。方法として、プロセスマップ、プロセスフロー図、フローチャートやガントチャートの作成などが挙げられます。優先順位の明確化可視化によって見つかる課題は1つではないでしょう。しかし手当たり次第に解決を急いでも、余計なコストがかかる、正確な効果検証ができないなどの問題が生じてしまいます。限られたリソースや時間を効率良く活用し効果を最大化するためにも、改善策に優先順位をつける必要があります。業務の重要性や影響度、改善の難易度、必要なコストや期間等をふまえ、優先順位を明確化しましょう。業務のマニュアル化業務プロセスを分解して把握し、作業手順や作業に必要な情報を明確に記載したマニュアルを作成します。これにより業務の属人化を防ぎ、作業者間での差をなくし業務を標準化することができます。また、作業者がマニュアルに沿って進めることで余分な作業や時間を削減して効率化を図れるとともに、手順や情報の漏れがなくなり品質が向上します。マニュアルは定期的に整備・更新しましょう。ITツールの導入業務改善に役立つITツールには、ワークフローシステム、プロジェクトおよびタスク管理ツール、データ分析ツール、RPA(ロボティクス・プロセス・オートメーション)、CRM(カスタマー・リレーション・マネージメント)、グループウェアなどがあります。たとえば、業務を自動化することで作業時間やエラーの削減、作業負荷の軽減などが期待できます。ITツールによるデータ分析はより効率的な業務改善を可能にし、情報共有と連携はコスト削減や業務の効率化につながります。アウトソーシングアウトソーシングとは、企業が自社の業務の一部または全部を外部の専門業者に委託することを指します。専門業者の知識や技能を活用し、業務効率化、コスト削減、業務の品質と生産性の向上などが期待できます。また、空いたリソースをより重要なコア業務に集中させ、利益の最大化を目指すことができます。委託先によってはリスクも生じるため、導入前の検討と準備の徹底が不可欠です。業務改善のよくある失敗目標設定が不明確:明確な目標を設定できなければ、達成に必要な手順や行動も不明瞭になります。 コストがかかり過ぎる:取り組む期間や予算を設定し、優先順位に沿ってリソースをコントロールしましょう。 現場の負担が増える:大量の報告や業務内容の大幅な変更・追加などは、現場の負荷が増えてしまいます。 進捗や精度、温度感がバラバラ:トップダウンで現場の実態と乖離があった場合、ムラや反発が生じる可能性があります。 ツールが合っていなかった:導入計画が不十分だった、使いにくかったなどの理由から、改善に失敗することがあります。 実施や結果を急ぐ:実施を急ぎ過ぎると情報収集が不十分で問題を特定できず、改善案や目標を正確に立てられません。また、改善に必要なスパンは業務や目的などによって異なります。業務改善を成功へ導くステップ 現状問題のある部分にこそ業務改善が必要なため、十分な準備もなく形式的に改善プロジェクトを実施しても成功しません。まずは丁寧な情報収集から問題を洗い出し、達成すべき目標を明確に設定することが重要です。業務プロセスを可視化・課題を抽出まずは業務全体を可視化し、把握します。改善の基盤となる要所ですので、現場へのヒアリングなども含め丁寧に取り組むことをおすすめします。「いつ/誰(どの部署)が/何の業務を担当しているか」を分解し、業務の流れや関係性も含めて図表に落とし込み、視覚化しましょう。そこから不要な作業や自動化・効率化の可能な業務、負荷の集中している箇所がないかなど、問題を特定します。改善対象の優先順位を決める効率良く改善施策を進めるには、改善対象に優先順位をつけることが重要です。視覚化して洗い出した問題点を「コスト」「品質」などのカテゴリー別に分類し、整理します。次に、問題点の影響度や重要性を評価したら、それぞれの改善施策にかかる予算や工数・時間から、難易度の評価も行います。影響度が高く、難易度の低い問題が最優先に取り組むべき課題となります。自社に合った施策を選ぶ一見、正しい施策でも、自社の実情と合わなければ空回りしてしまいます。たとえば、社内の一部のみで施策を決める、目先の利益にとらわれ短期で効果を見込める施策や安価なツールを選ぶ、データに基づかない主観的な判断をしてしまうことなどが挙げられます。また、ツールを導入する場合は従業員が使いこなせるか、業者のサポートがあるかなどを確認するため、試用期間を設けましょう。目標とKPI を設定するKPI(重要業績評価指標)は目標を達成するために計測するべき指標です。目標とKPIを明確に設定し、定期的に計測することにより、業務改善の進捗状況や施策の成果を具体的・定量的に把握できます。必要に応じて施策や方向性を修正できるほか、業務改善の成果を社内外に明示することも可能です。これにより改善施策の信頼性を高めるとともに、業務改善に取り組むモチベーションの向上にもつながります。 PDCAを繰り返す業務改善において効果的にPDCAサイクルを回すには、KPIを設定し定量的に施策の進捗や効果を把握することが重要です。たとえば労働時間の短縮率や作業量の増加率などを具体的に設定しましょう。実行後には測定と評価を行い、効果や達成度を把握します。問題が生じた場合は原因を分析し、改善策を検討、実行します。施策のプロセスも改良され、持続的な業務改善を促せるでしょう。明確な目標を立て、業務改善を実行しましょう業務改善は企業にとって重要な課題です。ただし改善施策が目的化しては意味がありません。業務を改善し何を実現したいかという明確な目標設定、そのための問題点の把握を丁寧に行うことが、成功への鍵となるでしょう。

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2023年注目のIT最新トレンドキーワードをチェック!

2023年注目のIT最新トレンドキーワードをチェック!

ITの最新トレンドは、テクノロジーの発展とともに変わっていきます。日進月歩の世界でトレンドの最先端を追い続け、近い未来を予測するのは大変です。そこで今回は近年のITトレンドの流れをキャッチし、2023年に注目を集めると予測した最新キーワードをピックアップします。なぜITの最新トレンドを知る必要があるのかなぜITの最新トレンドを知る必要があるのか、それは自社事業の生き残りのためです。世界のどこかで新しい技術や製品、サービスが開発される日々。それが社会や市場、業界、さらには自社の事業にどんな影響を与えるのか。正しく把握しておかなければ、新たな波に対する策が立てられません。新規ビジネス立ち上げのヒントやビジネスチャンスを掴むためだともいえます。 社運をかけたビジネスであればあるほど、市場や競合他社の動向、新しいテクノロジーについて入念にリサーチしておく必要があります。少なくともIT戦略の立案やIT活用の方向性を大きく見誤らないよう、最新トレンドをキャッチしておきましょう。2023年のIT最新トレンドキーワード予測IT最新トレンドは、テクノロジーの進化によって常に変わっていきます。昨今の動向から、2023年のIT最新トレンドキーワードを予測してみました。Web3.0 「Web3.0」とは、2020年ごろから始まっている次世代型インターネットのことです。情報やデータの集中に対する分散化という考え方がポイントで、情報の改ざんを防止する暗号化技術を用いたブロックチェーンを活用。ネットワークに接続するすべてのデバイスを使って情報やデジタル資産などを分散管理するところが特徴といえます。 Web1.0は、インターネット黎明期とも呼ばれる1990年代から2000年初頭までを指し、Web2.0は、2000年代中頃から現在まで続くインターネットの高速化やEC、SNS、配信などに代表される双方向コミュニケーションの実現を指します。 Web2.0では、プラットフォームを提供するGAFAMのような一部の大企業に個人情報が集中しています。Web3.0では、個々人が自分の情報や資産を管理することでセキュリティやプライバシーの向上を図り、一極集中からの脱却を目指そうとしています。メタバース「メタバース」とは、ネットワーク上に構築された仮想空間を意味します。メタ(Meta=高次の)とユニバース(Universe=世界)を合わせた造語です。ユーザーは、自分のアバター(分身)を作り、メタバース内で自由に行動できます。 3Dデジタル技術を用いた仮想空間でのサービスは2000年代中頃からあり、先駆けとして知られているのが「Second Life」というゲームです。メタバースそのものは最新トレンドとはいいにくいものの、複数の企業が相乗りするオープンメタバースは、集客力やコミュニティ形成、ユーザー間交流などの観点から注目されています。デジタル免疫システム「デジタル免疫システム」とは、システムやネットワークでの障害発生に備えて耐久力や回復力を高めたり、迅速に復旧させたりするための適切な対応を構築しておくことです。生物の免疫システムのように、外敵が侵入してきた際に対応する仕組みを指します。 IT最新トレンドを定期的に発表するガートナージャパン社によると、デジタル免疫システムは、可観測性や自動修復機能、AIによるテスト自動化ツール、サイト信頼性エンジニアリング、アプリのサプライチェーンセキュリティなどの技術によって実現されるとしています。ジェネレーティブAIジェネレーティブAI(生成型AI)とは機械学習の一種で、従来のようなデータ処理や分析ではなく、学習したデータから新しい情報やコンテンツを生成できる機能を持つAIのことです。テキストや画像はもちろんのこと、音声や動画にも対応するため、小説や音楽、アート作品なども生成できます。 そのほかにも、医療分野では検査画像データを学習させて異常を発見し、診断を支援するシステムや、住宅分野でそれまで担当者の個性や感覚にまかされるところが大きかった家のタイプや間取りの提案をAIが的確に導き出して顧客満足度を高めるなど、さまざまな活用が期待されています。量子コンピューター「量子コンピューター」とは、量子力学の現象を利用し、従来のコンピューター(古典コンピューター)では対応できない複雑な問題でも速く解くことができる仕組みを搭載したコンピューターです。古典コンピューターがbit(0または1)で計算するのに対し、量子コンピューターは量子ビット(0でも1でもある)で計算します。 量子ビット同士の相互作用により並列計算が可能になるため、古典コンピューターでは時間を要する計算でも時間を短縮できる点が特徴です。その一方でコンピューターの構築や計算上のエラーが発生しやすいという課題があります。実用化を目指し、企業によって研究が重ねられています。ドローン配送 年々増加する配送や宅配便による配達ニーズに対応すべく期待されているのが「ドローン配送」です。ドライバーの人材不足や交通渋滞、再配達対応など、解決が望まれる課題はたくさんあります。 ドローン配送なら、地上の渋滞に巻き込まれることなく迅速な配送が可能です。人件費や燃料代などのコストも削減できるでしょうし、24時間365日稼働できます。山間部や離島などへのタイムリーな配送だけでなく、災害時には救援物資の供給に役立つでしょう。 課題とされているのは、風雨など天候の影響を受けやすいことや建物などとの接触、故障時の対応、配送重量が比較的限られていることなどです。GX(グリーントランスフォーメーション)「GX(グリーントランスフォーメーション)」とは、石油などの化石燃料ではなく太陽光や風力、水力などのクリーンな再生可能エネルギーを利用することで、温室効果ガスの削減とともに経済発展を実現させる活動を意味します。 国内の温室効果ガス削減のためには、製品の製造過程などで排出されるCO2の削減を代替手段によって実現していかなければなりません。サービス業であっても、電力の節減やゴミの削減、ペーパーレス化、社用車のEV化など、取り組めることは数多くあります。 企業の社会的責任やSDGsといった社会的気運の高まりに加えて、日本政府が2050年までにカーボンニュートラル(温室効果ガスの排出量をゼロとすること)を目指すと宣言していることからも、今後ますます注目されるでしょう。IT最新トレンドをキャッチして、自社のビジネスに活かそうIT最新トレンドに注目する意味は、自社ビジネスの生き残りにあるとお伝えしました。近年ではテクノロジーの進化スピードが速く、いつ社会を変革するような製品やサービスが登場しても不思議ではありません。できる限りアンテナを張り、最新情報に触れるよう心がけましょう。

ITトレンド
ナレッジベースとは? 活用メリットと促進する機能を紹介

ナレッジベースとは? 活用メリットと促進する機能を紹介

社員がもっているナレッジを社内全体で管理・共有する仕組みとして「ナレッジベース」が注目されています。本記事では、ナレッジベースの必要性や活用メリットを解説し、ナレッジベースの構築に活用できる機能を紹介します。ナレッジベースとはナレッジベースとは、社内のナレッジを1か所に集約したデータベースのことです。ナレッジ(Knowledge)とは英語で「知識」や「情報」を意味し、ビジネスでは「価値のある知識や情報」といった意味合いで使われる言葉です。たとえば以下のような知識・情報などが該当します。 特定分野や業務に関する専門的な知識 業務プロセス 成功事例 お客様に関する情報 こうしたナレッジをひとまとめにして整理し、検索しやすい形にしたものがナレッジベースです。ナレッジベースがあると、優秀な社員の業務プロセスや、ベテラン社員の営業トークなどのナレッジを社内全体で共有できます。周りのナレッジを自分の業務に活用できるようになるため、社内全体のスキルを底上げして生産性の向上につなげられます。ナレッジベースの必要性かつてナレッジは各社員の頭の中に存在しており、テキストやデータなどでは可視化されていませんでした。そのため、先輩社員やベテラン社員などのナレッジを習得したい場合は「見て盗む」というイメージがありました。 しかし、IT技術が進歩した現代では、ナレッジをマニュアルや図解に変換したり、一元管理して検索したりできるツールが登場し、社内に蓄積したナレッジを共有できる環境が整っています。 その一方で、終身雇用制度が当たり前ではなくなった今ではビジネスパーソンの価値観が変化し、キャリアアップやキャリアチェンジのために積極的に転職をする人が少なくありません。社員が転職すると、その社員が保有していたナレッジも社内から消失してしまいます。 また、働き方改革によって時短勤務やテレワークなどを活用する社員も増えているなかで、あまり顔を合わせる機会のない社員とはなかなか情報共有ができず、社内での情報格差が引き起こされます。ナレッジをうまく伝えられないと、社員によって成果に差が生じかねません。こうした背景からも、社内のナレッジを集約し、誰でも参照できるようにする仕組みとして、ナレッジベースの必要性が高まっているのです。ナレッジベースを構築するメリット ナレッジベースを構築することで、企業には以下のメリットが期待できます。ナレッジマネジメントに役立つ企業の成長を加速させるために「ナレッジマネジメント」が注目されています。ナレッジマネジメントとは、ナレッジを社内で共有するだけではなく、ナレッジを活用して生産性を高めたり新規事業を立ち上げたりして、企業の成長へとつなげていく手法です。 ナレッジマネジメントを実行するためには、社内で一元管理されたナレッジを活用できなくてはなりません。その方法としてナレッジベースが大いに役立ちます。属人化したナレッジを企業の財産にできるもともとナレッジは個々の社員が持ち合わせているものなので、その社員が退職するとナレッジも消失してしまいます。その社員が実務経験を通じて得た専門知識や業務のコツなどが丸ごとなくなってしまうため、企業にとっては大きな痛手となるでしょう。 また、ナレッジは実務経験や学習などを通じて得るものなので、一人ひとり異なります。豊富なナレッジを持っている社員もいれば、あまり習得できていない社員もいるため、成果にも差が生じるでしょう。 しかし、ナレッジベースに社内のナレッジを集約できていれば、ナレッジが属人化せずに企業全体に浸透できます。退職によってナレッジが消失することもなく、各社員でナレッジ量の差も生じません。ナレッジベースがあれば、永続的に企業の無形財産としてナレッジを活用し続けられるのです。多様な働き方に対応できる現代は、時短勤務やテレワーク、フレックス制や副業など、働き方が多様化しています。社員は自分に合わせた働き方ができるというメリットがある一方で、直接顔を合わせることが少ないため情報共有の機会が減っていることが問題視されています。 従来は直接話したり、ほかの社員の仕事ぶりを見たりして、ナレッジを共有できていました。しかしオフィスに集まる機会が減った今、ナレッジ共有の方法を見直す必要があるのでしょう。 そこでナレッジベースを活用することで、いつでも・誰でも、必要な情報にアクセスして自分で不明点を解決したりコツを学んだりできます。個々の成長を促進して人材育成にもつながるでしょう。人手不足でも生産性を高められる少子高齢化の影響で、慢性的な人手不足に悩まされている企業も少なくありません。人手不足だと、必然的に一人ひとりの担当業務が増えます。また、新入社員が入社しても、充分な教育時間の確保が難しくなるでしょう。 しかし、ナレッジベースにさまざまな業務のポイントや専門知識が蓄積されていれば、社員はナレッジベースを活用して新しい業務を覚えることができます。新入社員もナレッジベースから得た情報を実践に活かせるため、教育時間をかけられなくても、独り立ちを促す効果も期待できます。顧客対応品質が向上するナレッジベースに「こういう問い合わせがきたら、この回答をする」や「このクレームがきたら、こう対応する」といった情報を蓄積しておくと、お客様からの問い合わせやクレームに適切に対応できます。また、それぞれのお客様の関心事や購入履歴なども蓄積できれば、お客様に合わせた最適なアプローチもできるでしょう。 そのため、営業職やコールセンター、カスタマーサポートなど、顧客対応をする部署にとってナレッジベースは大きな効果が見込めます。ナレッジベース構築に活用できる機能 「ナレッジベースをどう作ったら良いのだろう」と思っている方も多いのではないでしょうか。そこで、ここからはナレッジベース構築に活用できる機能を6つ紹介します。データベース1つめはデータベースです。決まったルールにしたがってデータを蓄積できるため、データが見やすい状態に整理され、必要に応じて検索できます。データベースによって、階層に分けて整理できたり、表形式でまとめたりできるものもあります。データベースに部署や業務ごとに分けてナレッジを蓄積すると、情報が整理されて取り出しやすくなります。社内FAQ社内FAQは、質問と回答をセットにして蓄積できます。たとえば「○○のやり方を知りたい」という質問に「AをしてBをしてCをする」という回答を紐づけられます。業務プロセスや顧客対応方法、業務のコツなどのナレッジを蓄積しておけば、カテゴリーや検索窓から自分が求めているナレッジを検索して参照できます。社内wiki「Wikipedia」のように、情報ごとのページを作成できる社内wiki。ファイルを添付できるため、マニュアルや書類、テンプレートなども蓄積できます。ほかにも、会議の議事録や日報など、ストックしておきたい情報を管理するのにも役立ちます。グループウェアグループウェアは、チャットやビデオ通話、スケジュール管理やファイル共有などの機能を搭載しています。チャットを使って社内全体にナレッジを展開したり、マニュアルや手順書などのファイルを共有したりして活用できます。 オンラインストレージオンラインストレージとは、インターネット上でファイルを保存・共有できるツールです。マニュアルやテンプレート、顧客データや営業資料など、社内のあらゆるファイルを共有できるため、ナレッジ共有を加速します。ExcelやWordExcelやWordなどもナレッジベースとして活用できます。表形式で情報を整理したり、画像を挿入してわかりやすくしたりできるため、自社に合わせた運用が可能です。ただし、もともとナレッジ共有のためのツールではないため、データが多すぎるとファイルが重くなる点や、情報を検索しにくい点は懸念点といえます。ナレッジベースの構築を検討しましょう自分にとっては当たり前だった業務方法や専門知識でも、ほかの社員にとっては非常に価値のあるナレッジだったということも珍しくありません。社内のナレッジを集約・共有できる「ナレッジベース」は、企業の成長には欠かせないものです。ナレッジベースとして活用できるツールは多岐にわたるので、自社の業務プロセスや管理体制などに合わせて最適なツールを選びましょう。

業務改革DX
ServiceNow Summit in Osaka

[イベントレポート] ServiceNow Summit in Osaka

ServiceNow Summit in Osakaに参加しました!2023年3月14日、大阪・梅田サウスホールにて、ServiceNow社主催のグローバルイベント「ServiceNow Summit」が開催されました。ServiceNowのPremierメンバーである弊社もご招待いただき、業界の最新情報を入手すべくいざ大阪へ!3年ぶりのリアルイベントということで、会場には約400名のゲストが集合。コロナ禍や激変するマクロ経済環境下において、DX改革に対する関心の高さを改めて実感するイベントとなりました。変化の時こそ、世界はうまくいくイベントはServiceNow Japan合同会社 執行役員社長 鈴木 正敏氏、執行役員 ソリューションコンサルティング事業統括 事業統括本部長 原 智宏氏の基調講演でスタート。テーマは「変化の時こそ、世界はうまくいく」 --- 何と勇気の出る言葉でしょうか!  世界が目まぐるしく変化を続け、ビジネス課題が複雑化する今日。ServiceNow Japanの立ち位置が、米本社直轄の独立事業体に昇格したことにより、今まで以上に日本のお客様の声が本社に伝えられるようになると語った鈴木社長。今後は、インダストリービジネスの強化、パートナーエコシステムのさらなる拡大と強化、プラットフォームカンパニーへの進化、ビジネス効果の最大化に向けた提案の推進を進めていくと話されていました。 原氏は「社内システムは部分的であることが従業員のボトルネックになっている」ことや「従業員が能動的にシステムを使い分けなければならない」といった企業の課題や求めるDXの姿にも言及。「すべての働く人にエンパワーメントをもたらすデジタル化をServiceNowで実現していく」と力強く話されていました。ケーススタディはアイディアの宝庫!続いてはServiceNowを実際に導入され、先進的な取り組みでビジネスの成長を実現されている企業様によるプレゼンテーション。カスタマー向けのグローバルサービス、ITマネジメント、従業員のライフイベント申請、セキュリティ・・・。多岐にわたる分野をシンプルにかつ劇的に改革するServiceNowの可能性に、目からウロコの数時間が過ぎて行きました。  少しだけ、そのプレゼンテーションの様子をご紹介しましょう。お客様講演1: マツダ株式会社マツダが取り組む「人とITの共創による価値創造」とServiceNow活用千代延 伸氏によるプレゼンテーションは、グローバル全体でシステムを刷新する壮大な取り組みについて。ServiceNow選定の理由として「他システムとの連携が容易」であることを挙げ、様々なシステムとの連携の入り口をServiceNowに統合することにより、利用者に使いやすい形を実現できたと話されていました。利用者目線で物事を考える重要性を感じました。お客様講演2: 富士通株式会社ServiceNowを中心としたITマネジメントサービスの社内展開 高橋 勉氏によるプレゼンテーションでは、4,000以上もの社内システム統合という大規模な取り組みについて紹介。ServiceNowにより社内DXを推進し、UX向上の実現が可能だと語る高橋氏。社内サービスポータルを統合し、蓄積したナレッジを有効活用して業務を効率化するなど、「社内システムの向上」の必要性やServiceNowの有用性についても改めて学ぶことができました。お客様講演3: 株式会社ユーコット・インフォテクノ秘訣はユーザーセントリック!UCCグループが両立した従業員エクスペリエンスの高度化と効率化 大森 晋介氏によるプレゼンテーションは、「現場の事務作業改善」、「利用者がいかに使いやすいか」の2点を重視した業務のデジタル化について。日本特有のワークフローシステムである「差し戻し」や「分岐」を徹底的に排除し、利用者が真に使いやすいものを作りこまれていると感じました。またシステムによっては、現場の声だけではなく俯瞰して物事を見る立場の人の意見を取り入れるなど、開発者としての考え方を学べました。お客様講演4: パナソニック インフォメーションシステムズ株式会社Beyond ITSM -PX実現に向けてServiceNowの可能性を探る-加藤 仁氏によるプレゼンテーションは、「品質向上と最適コストの両立化」がテーマ。「顧客満足度の高い“真のサービス”の提供」を目的とし、ServiceNowの導入により障害検知やセキュリティインシデントの管理を実現。また、多言語化されたServiceNowはグローバル企業に効果的であるため、日本のみで実施していたITSM導入をグルーバルで標準化するよう推進中とのことです。 加藤氏が「ServiceNowの可能性は無限大」と力説されていたことがとても印象的で、弊社もパートナーの一員としてServiceNowの可能性を広げていきたいと強く感じました。ServiceNowコミュニティとの意見交換を明日からのヒントにサミットの閉会後は、参加ゲストとの懇談会。ドリンクを片手に、リラックスした雰囲気でServiceNowコミュニティの皆様とアイディアやイニシアチブ、イノベーションを交換することができました。 皆様と交流させていただく中で今回特に心に残ったのが「DXは評価されやすいが、運用での期待が高く、障害を起こすと評価に響く」という言葉です。DXという用語が飛び交っている現代において期待が高い分、失敗したときの反動が大きいという現実。それを忘れず、お客様の改革の前にまずは自社の改革を進めることの重要性を改めて心に刻みました。また「ServiceNowの業界は、需要が多く供給が追い付いていない市場である」という言葉を何度も耳にし、ServiceNowが成長市場にあることを体感することができました。 弊社もServiceNowを通じて、皆様のDX改革にもっと貢献できるよう、更なる経験と学習を積んでいかなければ!と心に誓った一日でした。   

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ノーコード・ローコードとは? メリット・デメリットやツールの選び方を超キホンから解説

ノーコード・ローコードとは? メリット・デメリットやツールの選び方を超キホンから解説

 近年、プログラミングの領域で「ノーコード・ローコード」という手法が注目を集めています。WebアプリやWebサービスへの開発の需要が増加し、様々なところでプログラマーの人材不足が叫ばれる現在、ノーコード・ローコードは人材難やスキル不足を解消してくれる可能性を持った手段です。ここではノーコード・ローコードのメリットとデメリット、ツールの選び方についてイチから詳しく解説します。ノーコード・ローコードとはIoTやロボティクスの普及など、著しく進化を続ける先進技術の発展により、IT技術者のニーズがますます増加しています。ところが、イチからソースコードを書いてプログラミングを行えるような人材の数には限りがあり、今や需要に対して人材が足りない時代に入っています。そこで注目されているのがノーコードやローコードによる開発です。ノーコードとはIoTやロボティクスの普及など、著しく進化を続ける先進技術の発展により、IT技術者のニーズがますます増加しています。ところが、イチからソースコードを書いてプログラミングを行えるような人材の数には限りがあり、今や需要に対して人材が足りない時代に入っています。そこで注目されているのがノーコードやローコードによる開発です。ローコードとはローコードとは、最小限のコーディングでシステムやアプリケーションを構築できる手法のことです。多少は専門的な知識が求められますが、“ゼロ位置”からプログラミングを行うよりも早く、なおかつノーコードに比べて自由度が高い開発が可能になります。ノーコード・ローコードのメリット 次にノーコード・ローコードにおける共通のメリット、およびノーコード・ローコードそれぞれのメリットを簡潔に解説していきます。ノーコード・ローコードに共通のメリットノーコード・ローコードに共通する主なメリットは次の3つです。 開発コストを縮小できる 開発スピードを上げられる 完成後の機能拡張や改修が容易ノーコード・ローコードによる開発の一番のメリットは、従来のプログラミングに比べてコストや時間を大幅に縮小できるところにあります。人件費の高い専門職の力を必要とせず、たくさんの人間が関わって難解なツールで開発できるため、それらが可能なのです。また、専門職の協力を必要としないということは、完成後の機能拡張や改修にもメリットをもたらします。必要な時にスピーディーな開発、改修が可能になるのです。ノーコードのメリットノーコード単独のメリットは次の3つです。 専門的な知識が要らず、誰でも参加できる 従来、外注してきた開発を内製化できる 開発後のエラー発生リスクが低い専門的な知識が要らず、誰でもアプリやサービスの開発に参加できることがノーコード最大のメリットです。また、開発のために専門チームを常設する必要がなくなるので組織のスリム化が図れ、必要なタイミングで必要に応じたメンバーを集めて開発が行えるようになるのでコストの大幅カットにつながります。 また、特に中小企業などでは、自社アプリや自社サービスの開発を外部業者に委託しているというケースも少なくないと思います。そうした際、開発ツールさえあれば自社で内製化が可能になることもコスト削減への一助となるでしょう。 また、ノーコード開発はツール内にある決まったパーツを組み合わせる仕組みなので、エラーやバグの発生が比較的低いことも大きな特徴のひとつです。プログラムの安定性の高さは、リリースまでの時間短縮にも貢献します。ローコードのメリットローコード単独のメリットは次の3つです。 ノーコードに比べて汎用性や拡張性が高い 独自のロジックが組み込める 既存システムとの連携が容易ローコードの大きなメリットは、ノーコードに比べて自由度の高い開発ができることです。多少のプログラミングを行うので技術者の協力が欠かせませんが、プログラミングとノーコードの“いいとこ取り”のような形で、汎用性や拡張性の高い開発が可能です。 開発の自由度が高いことにより、自社独自のビジネスロジック(業務システムで取り扱うさまざまな処理)を組み込むことができます。慣れたロジックに当てはめながら、生産性の向上が期待できます。また、ローコード開発ツールには他のソフトウェアやシステムと連携できる機能が最初から搭載されているものも多く、社内の既存システムと連携したシステムを構築することもできます。ノーコード・ローコードのデメリットメリットばかりに見えるノーコード・ローコードですが、導入前に知っておきたいデメリットもあります。ここでもノーコード・ローコードにおける共通のデメリット、および、それぞれのデメリットを簡潔に解説していきましょう。ノーコード・ローコードに共通のデメリットまず、ノーコード・ローコード共通のデメリットは次の3つです。 ツールにない操作が行えない システムがブラックボックス化しやすい セキュリティ対策がツール依存になるあらかじめツールに搭載されたパーツを使ってシステムを構築するノーコード・ローコードは、ツールにない操作が行えないことが難点です。また、GUIで操作することから、システムの内部でどのようなプログラムが働いているかを把握できず、中身がブラックボックス化しやすいのもデメリットです。さらにセキュリティ対策もツールに依存するため、独自にセキュリティレベルを高めるといった対策ができません。ノーコードのデメリットノーコード単独のデメリットは次の2つです。 大規模開発に向いていない 自由度や拡張性に乏しいGUIで操作するノーコードは、大量のデータを操作したり複雑なシステムを構築する大規模開発には向いていません。また、既存のパーツの範囲でシステムを組み立てるので、自由度や拡張性が低いというのが弱点です。ローコードのデメリットローコードのデメリットは2つです。 一定のプログラミング知識が必要 実装する機能に制限があるローコードの開発には、ある程度のプログラミング知識が必要です。非技術者が扱う場合でも、一定の知識の取得が必要になることを覚えておきましょう。また、ノーコードに比べて自由度が高いものの、ツールの能力やコード入力が可能な範囲内でしか機能が実装できないため、まったくゼロからのプログラミングほど高い自由度は期待できません。ノーコードとローコードの違いノーコード・ローコードのメリット・デメリットを理解できたところで、両者の比較を改めてわかりやすくまとめると、次のようになります。  どちらもプログラミングの専門知識を必要とせず、非IT人材を巻き込めるという点では共通していますが、ローコードは最低限のプログラミングが必要になるので、開発をリードできる技術者の存在が不可欠です。ノーコード・ローコードツールを選ぶ4つのポイント ノーコード・ローコードでの開発には、ノーコード・ローコード専用の開発ツールの導入が不可欠です。次はツールを選ぶ際のポイントを4つ解説します。開発目的や課題に合っているか開発ツールによって、構築できるシステムやアプリケーションが異なります。そのため、目的や課題に合ったツール選びが重要になります。操作者との相性が良いか専門人材以外も参加できて、必要なリソースやコストをカットできるのが、ノーコード・ローコード最大のメリットです。そのため、操作する人とUIデザインや入力画面との相性が非常に重要です。実際に使う人が使いやすいと感じられるツールを選びましょう。導入後のサポートは十分か導入後に受けられるサポートを確認しましょう。開発ツールで作ったシステムやアプリケーションは、仕様変更や改善を随時行わなくてはなりません。万が一、システムやアプリケーションにエラーが生じた時にすぐ対応できるよう、ベンダー側のサポート体制をチェックしておきましょう。コストは適切か開発ツールの導入・運用には初期費用と月額利用料がかかります。費用感はツールによって異なるため、ランニングコストが費用対効果に適切かを見極める必要があります。ノーコード・ローコードのカオスマップ[caption id="attachment_72" align="aligncenter" width="1024"] 出典:一般社団法人NoCoders Japan協会[/caption] 一般社団法人NoCoders Japan協会ではノーコード・ローコードツールを提供する企業やサービスを一覧化した「ノーコード・カオスマップ」を配布しています。このカオスマップでは、ビジネスアプリ、ECサイト構築、Webサイト作成、業務自動化など、関連企業をカテゴリー別に確認できます。 株式会社DTSがPremierパートナーとして各企業への導入・運用を支援しているServiceNow(R)も「ビジネスアプリ」のカテゴリーに入っています。社内のシステムを一元化し、ワークフローの自動化、最適化に貢献するServiceNow(R)。DX化を推進する業務効率化ソリューションをお求めの方は、ぜひ一度導入をご検討ください。ノーコード・ローコードを上手に活用しよう今話題のノーコード・ローコードの超キホンをまとめてお伝えしました。WebアプリやWebサービスが必須だけど「IT人材を採用できない」「開発の外注でコストがかかりすぎる」といったお悩みを抱える企業は、ぜひ一度導入を考えてみてはいかがでしょうか。ノーコード・ローコードの実現で、スムーズな開発、ひいては自社の課題解決に繋げましょう。

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