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GX(グリーントランスフォーメーション)の概要と取組事例を解説

GX(グリーントランスフォーメーション)の概要と取組事例を解説

GX(グリーントランスフォーメーション)は2023年のITトレンドワードとして注目されています。 GXの一環であるペーパーレス化やIT機器の省力化はDXを推進する上でも重要なテーマです。そのため、経済産業省をはじめ国を挙げた取り組みが行われています。 この記事では、GXの概要と政府の取り組み、GXに取り組む企業が得られるメリットについて解説します。IT業界の最新動向をキャッチアップしたい方は、最後まで読んでみてください。GXとは GXとは、温室効果ガスを排出する化石燃料を極力使用せず、太陽光発電などのクリーンエネルギーを活用して、社会構造の変革を目指す取り組みです。 特定非営利活動法人環境エネルギー政策研究所の調査によると、国内の年間発電量に占める化石燃料の割合は70.2%で、エネルギーの大半を化石燃料に頼っています。化石燃料は消費するときに地球温暖化の原因となる二酸化炭素を排出するため、地球環境に負荷をかけないクリーンエネルギーが注目されています。 従来の環境活動との違いは、単なる環境にやさしい活動の推進ではなく、クリーンエネルギーへの転換自体を経済成長の機会と捉えている点です。GXが求められる背景GXは2020年に日本政府が、カーボンニュートラルを2050年までに達成すると宣言したことをきっかけに注目されるようになりました。 カーボンニュートラルとは、温室効果ガスの排出量と吸収量を差し引きして実質ゼロとなる状態です。カーボンニュートラルと似た言葉に脱炭素がありますが、カーボンニュートラルは温室効果ガス全般を指すのに対し、脱炭素は二酸化炭素に焦点を当てた意味合いで用いられます。 2015年のパリ協定において地球温暖化への対策として、世界平均気温の上昇を産業革命前と比べて2度未満に抑えることを目標に掲げました。一方で、2020年に文部科学省と気象庁が発表したデータによると、パリ協定の目標が達成できなかった場合、今世紀末までに日本の平均気温は約4.5度上昇するとされています。そのため、国を挙げた取り組みが求められました。GXに向けた政府の取り組み次にGX実現に向けた政府の取り組みを紹介します。GX実現は政府が主導となって進めていく必要があるため、さまざまな取り組みが行われています。それぞれ順番に見ていきましょう。経済産業省によるGXリーグの創立GXリーグとは、GXに向けた取り組みを行い持続可能な成長を目指す企業群と官公庁、大学が一体となって、GX実現のために共同する場です。2022年に経済産業省が「GXリーグ基本構想」を発表したことをきっかけに誕生しました。 GXリーグの目的は、温室効果ガス排出量削減に向けた企業の取り組みが市場に正しく評価される構造を作り出すことです。これによって、企業がリーダーシップを持ってGXに取り組む状態を目指しています。GX関連法の制定2023年2月に閣議決定された「GX実現に向けた基本方針」に基づき、GXに関連する2つの法律が制定されました。 GX推進法では、二酸化炭素排出に価格をつけるカーボンプライシングなど5つの項目について定めています。カーボンプライシングとは、化石燃料の輸入業者に対して化石燃料賦課金の徴収や、二酸化炭素排出量に応じた負担金の徴収、事業者間で二酸化炭素排出量の取引を行えるように定めることです。 GX脱炭素電源法では、国際エネルギー市場の混乱と電気料金の高騰を受けて、太陽光発電などの再生可能エネルギー普及促進について定めています。GX補助金制度の創設GXを推進するために事業者が必要とする経費を、政府が補助する制度を創設しています。 電気自動車などの導入費用を支援するクリーンエネルギー自動車導入促進補助金や、高い断熱性能を持つ窓へリフォームする際の工事費を補助する住宅の断熱性能向上のための先進的設備導入促進事業等(先進的窓リノベ事業)などです。 また既存のものづくり補助金にも、温室効果ガスの排出削減に向けた取り組みや製品開発に対して補助金を支給する、グリーン枠が新たに創設されています。GXに企業が取り組むメリットGXに企業が取り組むメリットは、主に次の3点です。 顧客や投資家へのアピールになる 補助金が受けられる エネルギーコストの低減になるそれぞれ詳しく解説します。顧客や投資家へのアピールになる企業がGXを推進すると、顧客や投資家に対するアピールが可能です。環境問題に関心を持ち熱心に取り組んでいる姿勢や、環境負荷が少ない製品開発などを対外的に発表すれば、自社のブランディングに活かせます。 これによって、入社希望者が増えたり、取引先から持たれるイメージが変わったりすることで、金融機関や投資家から資金援助を受けやすくなるでしょう。GX推進やGXリーグへの参加は、企業の環境問題に対するスタンスを示すメリットがあります。補助金が受けられるGXに取り組み、要件を満たせば前章で紹介した補助金が受給できます。補助金の受給により経費の削減が可能です。たとえば、ものづくり補助金のグリーン枠は、温室効果ガスの排出削減に資する取り組みや事業所における毎月の二酸化炭素排出量を把握するなどの要件を満たすと、補助金額を上限に補助対象経費の3分の2が支給されます。 従業員数やエントリー・スタンダード・アドバンスのどの類型から申請するかで異なりますが、補助上限額は最大4,000万円です。GXを推進しながら、賢く補助金を受給すれば経費を圧縮できるメリットがあります。エネルギーコストの低減になるGXに取り組むと、事業の省エネルギー化やクリーンエネルギーの活用が進み、エネルギーコストの削減につながります。特に電気料金の高騰が続く現状において、省エネルギー化は大きなメリットです。太陽光パネルの導入や、空調設備をエネルギー効率の高い新しい機器に買い替えるなどの取り組みでエネルギーコストを削減できます。 2020年に資源エネルギー庁が公表したデータでは、事業用太陽光発電と風力発電に必要なコストは2030年までに少しずつ下がっていくと見込まれています。GXの推進による、コストカット効果も大きなメリットです。国内企業のGX取り組み事例 次に国内企業のGXに関する取り組みを3つ事例形式で紹介します。GXの概要やメリットは理解したけれど、具体的にどのように進めればよいか知りたい方は参考にしてみてください。トヨタ自動車トヨタ自動車は、二酸化炭素削減などの取り組みを長期スパンで取り組む「トヨタ環境チャレンジ2050」を発表しました。この中で、FCV(燃料電池自動車)の販売などを通じ、2050年に新車平均走行時の二酸化炭素排出量を90%削減することや、同年に工場の二酸化炭素排出量ゼロを目指しています。すでにブラジル工場では、風力・バイオマス・水力発電を利用して、2015年から電力は100%再生可能エネルギー利用を達成しています。清水建設清水建設では、GXに関する取り組みとしてZEB(ゼロ・エネルギー・ビル)の普及を目指しています。ZEBとは、建築計画の工夫や技術によってエネルギー消費量を小さくし、太陽光発電などを採用してエネルギー自給を増やすことで、トータルのエネルギー消費量を実質ゼロにした建築物です。清水建設は2025年度に受注する建築物のうち、ZEBが占める割合を50%以上にできるよう取り組みを行っています。ソニーソニーでは、2050年までに環境負荷ゼロを目指す取り組みを「Road to Zero」として打ち出しています。具体的には、2030年までに自社の電力を100%再生可能エネルギー由来のものに切り替えるとしています。また、調達先に対しても再生可能エネルギーを利用するノウハウを伝え、同年までに再生可能エネルギー由来の電力利用100%を目指すよう要請中です。すでにプロジェクトチームを作って調達先企業の工場に立ち入り、省エネ活動の診断と改善点の指摘も行っています。 まとめ今回はGXについて解説しました。GXは2050年までにカーボンニュートラルを目指す日本にとって重要な取り組みです。そのため、「新しい資本主義」において重点投資分野に位置付けられるなど、経済産業省をはじめ政府主導の政策が次々に始まっています。 また、GXは政府だけが取り組むものではなく、企業の取り組みも大切です。中でも産業構造の効率化・省力化に大きく寄与するDXは、GXを進める上で欠かせません。 GXは今後も目が離せない大きなトレンドであるため、引き続き当コラムでも取り上げていきます。

ITトレンド
生成AIで業務を効率化!メリットや活用の具体例を分かりやすく紹介

生成AIで業務を効率化!メリットや活用の具体例を分かりやすく紹介

ChatGPTをはじめとしたさまざまなツールの登場により生成AIへの注目が高まっています。しかし、生成AIとはどのようなものか詳しくはよく知らないという人や、どのように活用すれば便利なのか分からないと感じている人もいるでしょう。 そこでこの記事では、生成AIとは何かを簡単に分かりやすく解説。さらに、生成AIの種類や具体的な活用例、活用のメリットも紹介します。生成AIは、今後ビジネスに欠かせないツールになると考えられており、導入する企業も増えています。ぜひ今のうちに、活用方法を知っておきましょう。生成AIとは生成AIとは、学習データから新たにオリジナルコンテンツを生成できるAIモデルのことを指し、Generative(ジェネレーティブ)AIとも呼ばれます。 従来のAIとの最も大きな違いは、生成AIがオリジナルのデータを作り上げられる点です。従来のAIは、学習した内容をもとにした情報の整理・分類や、大量のデータ分析による未来予測のために活用されていました。 従来のAIは事前に決められた特定のルールに沿って結果を出力しています。これに対して生成AIは、学習元のデータからパターンや関連性を見つけ出して出力を生成するため、まるで人間が作成したようなコンテンツの生成が可能なのです。 インターネットからAIに学習させるためのデータを入手することが可能となったため、生成AIの出力精度は近年急激に高まりました。ビジネスで利用できるレベルの生成物を出力できるようになったことが、生成AIへの注目度が高まっている理由のひとつです。今後さらに生成AIの精度が高まれば、ビジネスに欠かせないツールとなる可能性もあります。生成AIの種類生成AIには複数の種類があります。どのような種類があるのか詳しく解説します。テキスト生成 学習データをもとに文章を生成するAIは、テキスト生成AIと呼ばれます。ChatGPTは、テキスト生成AIの代表例といえるでしょう。テキスト生成AIでは、人間が入力した文章を解析して適切な文章を出力することや、長文の要約が可能です。ビジネス向けのメールや報告書のような文章はもちろん、小説のように創造的な文章も生成できます。 さらに、テキスト生成AIが生成できるのは人間が使う自然言語を用いた文章だけではありません。プログラミング言語を用いたプログラムの作成も可能です。テキストAIを上手に活用すれば、各種書類やメールの作成の効率化が期待できます。画像生成ユーザーが入力したテキストに沿って画像を生成する機能を持ったAIは、画像生成AIと呼ばれます。画像生成AIの代表例には「Stable Diffusion」や「Midjourney」があります。 画像生成AIを使用すると、オリジナルのイラストや写真の生成が可能です。イラストや写真は学習データをもとに生成されますが、既存のデータを切り貼りして画像を作成しているわけではありません。たとえば猫のイラストを生成する場合、これまでに学習した猫の画像から特徴を捉え、学習データの中にはない新しい画像を生成します。多くの画像を短時間で生成できることから、アートやデザイン、ゲーム開発などの分野での活用が期待されています。音声生成音声やテキストを入力し新たな音声を作り上げるAIは、音声生成AIと呼ばれます。ただ文章を機械的に読み上げるだけでなく、人間のように自然なリズムで音声を生成できるのが特徴です。オリジナルの音声を作成するだけでなく、特定の人物の声を学習させれば、それを模倣した音声も作成できます。 音声生成AIは、ナビゲーションシステムや応答システムなど、さまざまな場所で活用されています。自動でのナレーション作成も可能なため、動画編集ソフトの中には音声生成AIを搭載しているものもあります。動画生成ユーザーが入力したテキストから動画を作成するAIは、動画生成AIと呼ばれます。画像生成AIと同様に、動画生成AIもオリジナルの動画を作成可能です。画像生成AIの技術を発展させたもので、将来的には映画のように長い動画の生成も可能になると考えられています。 動画の作成には通常多くの時間と費用がかかるものです。しかし、動画生成AIがあれば短時間で一定のクオリティの動画を作成できます。そのため、広告や教育コンテンツ、ゲーム作成などの分野での活用が期待されています。生成AIの活用例ここまで、生成AIの種類を紹介してきました。次に、それらの生成AIを用いて何が実現できるのか、具体的な用途や活用例を紹介します。文章の作成・要約テキスト生成AIを活用すると、自然な文章の生成や要約が可能です。たとえば、メールの本文を作成するよう指示するとともにメールの内容を入力すれば、適切な文章が生成されます。また、多くの資料を調査しなければならないような場合でも、必要な文書を読み込ませて要約すれば、短時間で全体像を把握できます。 AIによるテキストの生成は、キャッチコピーの作成のように大量のアイデアが必要な場合にも便利です。人間の力で多くのアイデアを出すには時間がかかりますが、生成AIを使えば人間とは比較にならないほど早いスピードで多数の案を出力できます。プログラミングコードの生成テキスト生成AIでは、プログラミングコードの生成も可能です。従来プログラムの構築は、プログラミングの知識がなければできませんでした。しかし生成AIを使えば、プロンプトと呼ばれる指示を入力するだけでプログラムを作成できます。 たとえば、業務に合わせた効率化ツールを作成したい場合、何ができるツールを作りたいかを生成AIに入力するだけでプログラミングコードが生成されます。慣れてくれば、エンジニアでなくても自由に便利なツールを作成できるようになるでしょう。チャットボットによる問い合わせへの自動対応生成AIを活用すると、チャットボットによる問い合わせへの自動対応が可能です。マニュアルを読み込ませておけば、生成AIは問い合わせの内容を解析して適切な回答を返します。設定によっては、詳しい解説を記載したページや申し込みページのリンクも提示できます。 チャットボットによる問い合わせ対応は、カスタマーサポートだけでなく社内サポートにも便利です。相手が人ではなくボットだと思えば、分からないことを気兼ねなく何度でも質問できるため、不明点を放置したことによるトラブルを避けられるでしょう。医療分野における診断支援医療分野における診断支援にも、生成AIが活用されています。AIに内視鏡や胃カメラなどの画像を読み込ませれば、診断のサポートができます。簡単な症例であれば、AIだけで病気を発見できるケースもあるのです。さらに、治療計画案を自動で作成できるのが生成AIの特徴です。検査で見つかった病気だけでなく、病歴や症状も分析したうえで治療案を作成できます。生成AIを活用するメリット ここまで、生成AIの活用例について解説しました。それでは、生成AIの活用にはどのようなメリットがあるのでしょうか。3つにまとめて紹介します。業務を効率化できる生成AIの活用により、業務の効率化が可能です。特にテキスト生成AIは業務効率化との相性がよく、ビジネス文書や議事録、メールの作成などさまざまなシーンで活用できます。また、生成AIを使ってプログラミングコードを生成すれば、作成したツールによる業務効率の向上も期待できます。生成AIでの業務の時間短縮や自動化によって、従業員は人間にしかできない作業に集中できるのです。また、残業時間やコストの削減にもつながるでしょう。新たなアイデアが得られる生成AIは、新たなアイデアを得るのにも役立ちます。キャッチコピーやマーケティング施策、パッケージのデザインなどを考える際には、多くのアイデアが必要となるでしょう。生成AIを活用すれば、短時間で多数のアイデアを得られるため、考える時間や情報収集にかかる時間を削減できます。目的やターゲット、作りたい印象などを入力すると、より精度の高いものが生成されます。作業者による品質のばらつきを抑えられる作業者による品質のばらつきを抑えられるのも、生成AIを作成するメリットです。人間による作業の場合、どうしても品質にばらつきが生じてしまいます。しかし、生成AIを活用すれば、作業者によらずだれでも一定のクオリティのものを作成可能です。製品やサービスの作成に生成AIを活用すれば、作業者による品質のばらつきが発生しにくく、均一なサービスの提供につながります。これからの業務効率化に生成AIは欠かせない生成AIは、学習したデータとユーザーの入力に基づいて、オリジナルのコンテンツを生成できるAIです。上手に活用すれば、業務の効率化や提供サービスの品質を均一化するのに役立つでしょう。 一方で、生成AIを活用する際には注意しなければならない点もあります。活用のためには適切な指示が重要ですし、出力が必ず正しいとは限りません。また、著作権や責任の所在があいまいになりがちな点にも注意が必要です。 生成AIは、今後ビジネスシーンには欠かせないツールとなるでしょう。この記事を参考に、生成AIの活用について考えてみてください。

ITトレンド
CSMのポイント「オムニチャネル」とは? 企業における最新事例も紹介

CSMのポイント「オムニチャネル」とは? 企業における最新事例も紹介

顧客との接点が多様化する近年、オムニチャネルの果たす役割が注目されています。顧客体験の向上に不可欠とされているからです。ここでは、オムニチャネルとは何か、またServiceNowのCSM(カスタマーサービスマネジメント)を導入し、オムニチャネルの導入に成功した企業の事例を3つ取り上げてご紹介します。オムニチャネルとは 「オムニチャネル」とは、企業が顧客と接する店舗やカタログ、メールマガジン、SNS、ECサイト、スマホアプリなど複数の接点(チャネル)を連携、統合し、どのチャネルでも顧客に最適な購買体験を提供できるようにすることです。 オムニチャネルのオムニ(omni)はラテン語に由来する接頭辞で、「すべての」を意味します。チャネル(channel)は英語でもともと「経路、水路」を指しますが、ビジネスの世界では転じて「販売ルート」を意味するようになりました。 オンラインかオフラインかを問わず、時間や場所に限られることもなく顧客に快適な購買体験を提供することは、顧客満足の向上につながります。営業時間外や店舗がない地域でも販売可能になるという点で、企業にとってのベネフィットも大きいといえるでしょう。マルチチャネルやクロスチャネル、O2Oとの違いオムニチャネルに似ている用語がいくつかありますので、整理しておきましょう。 シングルチャネル マルチチャネル クロスチャネル O2O チャネルが1つの場合は、シングルチャネルです。マルチチャネルとは、顧客とのチャネルが複数存在するものの、互いに連携していない状態を指します。クロスチャネルとは、マルチチャネルを連携させることを意味します。 たとえば、店舗とECサイトがそれぞれに販売活動をする場合は、マルチチャネルです。店舗とECサイトに加えてSNSを開始し、店舗とECサイトの顧客情報を照合、メールマガジンやSNSでキャンペーン告知やクーポン配布をする例は、クロスチャネルといえます。O2O(オーツーオー)は、Online to Offline(オンライントゥーオフライン)の略で、ECサイトやSNS、スマホアプリなどオンラインのチャネルから店舗などオフラインのチャネルへと顧客を誘導する手法です。いずれもオムニチャネルを構成する要素で、テクノロジーとともに発展してきたといえます。オムニチャネルを採用するメリット顧客との接点であるチャネル同士をより緊密に連携させ、統合的に使えるようにするメリットは、主に以下の3点だといえるでしょう。 顧客体験の向上 機会損失の削減 顧客データの統合 顧客が時間や場所を気にすることなく、店舗やPCで見た商品をスマホで購入できるといった購買体験は、顧客体験を向上させます。 近年では、店舗で見た商品をECサイトと比較した上で選ぶ「ショールーミング」や、その逆の「ウェブルーミング」という購買行動が、企業の課題とされています。店舗でクーポンコードを配布したり、アプリで来店特典を付与したり、ポイントを共通化するなどの対策が、オムニチャネルでは可能です。 そのためには、顧客データを一元管理できるCRMシステムの導入が欠かせません。ひとりの顧客を1ID(ワンアイディ)で管理し、どのチャネルでの購買履歴もわかるようインフラを整えておけば、データ分析に基づきタイムリーな提案もできます。オムニチャネル採用でCSMを実現した最新事例3選 ServiceNowのCSMを導入してオムニチャネル採用を実現した最新の成功事例を3例ご紹介しましょう。セブン-イレブン(米国)|顧客が求めるサービスを求める方法でアメリカのコンビニエンスストア大手、セブン-イレブン社では、ブランドイメージや商品に対する顧客ロイヤリティを維持するため、顧客が好むチャネルで顧客が求めるサービスを迅速に提供することが不可欠だと考えています。 顧客に提供する数々のサービスの中でも、必要なサポートを確実に届けることを同社は目指しました。具体的には、顧客が初回対応に満足し再度問い合わせなくても済むようにする初回解決率の向上です。 課題となっていたのは、顧客からのサポートのリクエストが、アンケートなどフィードバックの情報と一緒になっていたことでした。切り分けのため新設されたカスタマーヘルプデスク用に導入されたのが、ServiceNowのCSMです。 顧客とフランチャイズ店ともに、サポートの依頼や問題の報告を受け付けるプラットフォームが一元化されただけでなく、依頼を受けると同時にシステムが自動的にケースを作成、AIによって優先順位付けされた上で対応オペレーターを自動的にアサインするようになりました。 1日130件にものぼるケースに迅速に対応していることに加えて、CSMのオムニチャネル機能で、顧客は好みのチャネルからサポートを受けています。シーメンスヘルスケア|必要なデータを素早く顧客に提供ドイツのシーメンスヘルスケア社は、CTなど医療用の撮影検査機器を製造するメーカーです。顧客は世界中にいます。ヘルスケアのデジタル化に伴って、同社ではオンライン上での顧客からのデータ接続性がもっとも重要だと考えるようになりました。 可能な場合はリモートによるサポートを提供し、対面サポートを減らす目的で2000年代に設立されたリモートサービスセンターは、大成功を収めていました。その一方で、毎月12万件という膨大なサービスリクエストに対応しなければなりません。 そこで同社は、12万件中の1件1件をそれぞれ1分ずつ短縮できれば、大幅なリソースの節約になると考えました。必要なとき必要な情報に従業員の誰もがアクセスできるよう、部品の在庫状況や仕様書、サービス履歴、契約内容などの多様な情報を1つのプラットフォームに集約する必要があったのです。そこで選ばれたのが、顧客のさまざまなタッチポイントにオムニチャネル機能で対応できるServiceNowのCSMでした。 導入によって顧客へのスピーディな対応を実現しただけではなく、ある地域で見つかった不具合を全世界で一斉に修正するなどの対応も可能にします。同社が目指しているのは、オンライン対応の品質の高さで世界に認識される企業になることです。スワロフスキー|店舗とデジタルのハイブリッドな小売を実現1895年にオーストリアで創業したスワロフスキー社は、高級なクリスタルのジュエリーやアクセサリー、時計などを製造販売するグローバルな企業です。美しいクリスタルのハイブランドとして広く知られています。 新型コロナウイルスの影響により、世界各国にある約3,000店舗の休業を余儀なくされた同社は、顧客が店頭で実際に商品を見て身につけて購入を決めるという伝統的な販売スタイルを維持できなくなりました。そこで同社は、オンラインへの移行を決断します。 課題は、どのように収益を上げるかではなく、店頭と同じような顧客サービスをオンラインでどのように実現するかでした。このときすでにServiceNowと協力してグローバルなデジタルプラットフォームを導入していたため、デジタルチャネル全体で一貫したブランドイメージを保持する応対品質の提供に成功します。 CSMを導入してからは、電話やメール、チャットなど、顧客がどのような方法で連絡しても1つの業務起点で対応可能となり、50%以上も顧客サービスの作業負担を軽減しました。同社は今後、バーチャルツアーや新作コレクションのプレビューを予定しています。オムニチャネルを活用してCSM向上につなげようオムニチャネルとは、リアルとネットを融合させた顧客へのおもてなしを実現させる手段だといえるでしょう。顧客とのタッチポイントが増えた今、CSMの向上にはオムニチャネル対応が不可欠です。ServiceNowのPremierパートナーである株式会社DTSが、豊富な経験で適切な導入をサポートします。

ITトレンド
CX(カスタマーエクスペリエンス)の意味:ServiceNow/CSMにも注目

CX(カスタマーエクスペリエンス)の意味:ServiceNow/CSMにも注目

市場競争の激化する現代において、自社の商品やサービスを顧客にできるだけ長く選び続けて欲しいと思うのは、どの企業も同じでしょう。そこで鍵となるのが「CX(カスタマーエクスペリエンス)」です。今回はCXの意味やCXの向上で得られるメリットを解説。さらに、多様な業務やシステムをひとつの共通プラットフォームにまとめ、自動で運用·管理できるクラウドサービス「ServiceNow」の「CSM(カスタマーサービスマネージメント)」を紹介します。CX(カスタマーエクスペリエンス)とはCXはCustomer Experienceの略で「ある商品やサービスの利用における顧客視点での体験」を意味します。提供する企業側ではなく顧客視点からの体験を指し「顧客体験/顧客体験価値」と表すこともあります。現代の消費者は、優れたCXを提供する企業やブランドを選ぶ傾向があります。また、BtoCはもちろん、BtoBにおいてもCXは非常に重要です。CXの意味/用語解説CXの指す「体験」は購入時に限定せず、購入前の過程や使用中、アフターフォローなどの長期的なプロセス全体を対象としています。また、顧客が企業やブランドに対して感じる満足度や印象、感情といった心理的な価値も含めます。その中で、デジタル技術を介するCXは「DCX(デジタルカスタマーエクスペリエンス)」といい、WEB サイト、ソーシャルメディア、オンライン広告などが含まれます。なぜCXが重要なのか現代の消費者は、WEBサイトやSNSから手軽に好みの情報を得られるため、多数の選択肢を比較検討した上で購入を決める傾向があります。商品のみで差別化することが難しい状況では、顧客に対して購入前から魅力的な体験を提供することが重要です。また、ある調査では消費者の32%が「たった1度不快な体験をするだけでブランドから離れる」と回答しており、CXの向上は切実な課題といえます。他の用語との比較顧客満足度(CS)との違い「顧客満足度(CS:Customer Satisfaction)は顧客の商品・サービスに対する満足度を数値化した指標で、評価や分析に役立てられます。CXが「顧客の総合的な体験」を指すのに対し、CSは「商品·サービスへの満足度」を評価する点で異なります。 カスタマーサクセス(CS)との違い「カスタマーサクセス(CS:Customer Success)」は、文字通り「顧客の成功」を支援する取り組みを意味します。具体的にはコンサルティングやトレーニング、技術的なサポートなどを通じて、顧客が自身の目標を達成し、ビジネス上の成果を最大化することを目指します。 ユーザーエクスペリエンス(UX)との違い「ユーザーエクスペリエンス(UX:User Experience)」は、商品やサービスの購入前・使用時・購入後などに起こる個々の体験を意味します。CXはそれらを包括しているといえます。また、CXは既存の利用者だけでなく、利用前の潜在的な顧客も対象ですが、UXは既に商品やサービスを利用しているユーザーの体験に焦点をあてています。CXを高めるメリットCXの向上は、企業に多くの利益をもたらします。ここでは、CXを高めることにより期待できる主なメリットを説明します。顧客ロイヤルティの向上「顧客ロイヤルティ」とは、商品やサービス、ブランドに対する顧客の信頼や愛着、優先的な選択傾向を意味します。優良なCXを提供することで顧客ロイヤルティが高まると、リピート率や購入単価の伸長、ポジティブな口コミの促進などによる売上の拡大を期待できます。また、リピーターやロイヤルカスタマーを育成するという意味で、長期的なビジネスの収益成長に寄与するともいえます。ブランドイメージの向上商品・サービスの購入前後の体験に高い価値を感じた顧客は、ブランドのファンになる可能性があります。ファンになった顧客は同じブランドの商品をリピート購入する傾向があるほか、アップセルやクロスセルの成功率も高まります。そして、ブランドの市場価値が高まると競合他社との差別化を図りやすくなり、価格競争の回避や新規顧客の獲得にもつながります。既存顧客の口コミによる宣伝効果CXの向上により顧客ロイヤルティやブランドイメージが高まると、SNSなどで肯定的な口コミが広がりやすくなります。良い体験により高い満足感を得た顧客は、商品やサービスの評価だけでなく、自らの体験に基づく好意的な印象とともに情報を発信することも少なくありません。高評価の口コミは認知度の向上だけでなく、新規顧客の獲得にもつながります。競合他社との差別化·競争力の強化CXの向上は、競合他社との差別化を可能にします。商品・サービスの品質や機能的な面で差異が少ないとしても、満足度の高いCXが提供されている場合、顧客は競合他社への乗り換えを避ける傾向があります。新規顧客の獲得は既存顧客の維持に比べて難しく、コストを要します。CX向上に取り組むことは企業の競争力の強化に貢献し、長期的な成長にもつながるでしょう。CX向上の3つのポイント/ServiceNowのCSMここでは、CX向上のための3つのポイントをServiceNowのCSM(カスタマーサービスマネジメント)の機能とともに説明します。ServiceNowのCSMは、顧客対応や品質管理などCXを向上させるために有効なツールを幅広く提供しています。顧客分析CX向上には顧客分析が不可欠です。顧客満足度調査やインタビュー、モニタリングなどにより顧客の意見やニーズの把握を徹底しましょう。商品やサービスの改善点を特定するとともに、CX向上のための施策の基盤となります。ServiceNowのCSMは、高度な顧客分析を可能にする機能を提供しています。顧客の情報を一元管理できるほか、分析機能を活用して顧客の好みや行動パターンを把握することで、パーソナライズされた解像度の高いサービスを提供できます。細やかにカスタマイズされたサービスは、顧客との関係を深めることにもつながるでしょう。オムニチャネル化オムニチャネル(Omnichannel)とは、顧客が複数のチャネルを切り替えても一貫した情報やサービスを得られる販売戦略です。オンライン・オフラインを問わず企業と顧客の接点をシームレスにつなぐことで心地よい購入を可能にし、CXの向上に貢献します。オムニチャネル戦略の展開には適切なチャネルの選択・統合などが必要ですが、ServiceNowのCSMの導入によりスムーズに実現できます。CSMは複数のチャネルからの情報を統合し、顧客に一貫性のあるサポートを提供するとともに、企業側も顧客情報を一元管理し、活用できるようになります。オペレーションの改善CX向上のためには、企業内のオペレーション改善も重要です。すばやく正確なサービスを提供するには、使いやすいシステムや合理的な業務プロセス、また従業員のトレーニングも欠かせません。ServiceNowのCSMは顧客の情報や履歴などを一元化できます。過去の問い合わせやフィードバック、行動パターンなどを把握し複数の部門で共有できるため、顧客に対して迅速で適切なサービスを提供できます。ServiceNowのCSMが注目されている理由目まぐるしい変化のなかでCX向上に取り組もうとしても、従来のカスタマーサービスで十分な対応を行うことは、現実的に難しいのではないでしょうか。ServiceNowのCSMはCXを向上させるさまざまな機能が網羅されており、多くの企業において重要な役割を果たしています。単一のプラットフォームに統合される情報は、部門を越えた共有や連携を可能にします。オペレーションの簡素化に役立つ機能や、セルフサービスのオプションも充実しています。これらにより、CXの向上と業務効率化を同時に実現できるのです。まとめ優れたCXの提供は、企業の成長と競争力強化のために不可欠です。良質な体験を通して深い満足感を得た顧客は、他の選択肢よりも信頼や愛着を持った企業を選びます。また、既存顧客が自らの体験をもとに口コミを発信することで、認知度やブランドの価値が高まり、新規顧客の獲得にもつながります。CXを取り巻く環境は常に変化しているため、効率的な運用と改善を継続する工夫が重要です。新しいシステムやサービスの導入も柔軟に検討しましょう。 株式会社DTSはServiceNowのPremierパートナーです。ServiceNow専門のプロフェッショナルメンバーが、コンサルティングから戦略立案、導入支援、開発、運用・保守までワンストップでトータルサポート。CSMの導入も確実に支援します。

ITトレンド
期待される市民開発 事例4選から学ぶメリットと課題点

期待される市民開発 事例4選から学ぶメリットと課題点

近年、「市民開発」に取り組む企業が増えています。IT人材不足という課題への対策としてだけではなく、取り組むことそのものによって得られるメリットが大きいことも、市民開発が広まりつつある理由のひとつです。ここでは市民開発とは何かということから、4つの事例と市民開発のメリット・課題についてお伝えします。大企業が取り組み始めている「市民開発」とは 大企業が積極的に取り組み始めている市民開発。まずは、市民開発とは何かについて見ていくことから始めましょう。市民開発とは市民開発とは、ITの専門知識がない従業員によるアプリケーションやシステム開発のことです。通常の場合、アプリケーションやシステムの開発・構築には、コンピューターへの指示となるソースコード(プログラミング言語)を用いる必要があります。 それに対して市民開発では、視覚的にわかりやすくテンプレート化され、ドラッグ&ドロップなどの直感的な操作で開発できるノーコードまたはローコードツールを使用します。両者の違いは記述するソースコードの量です。 ソースコードを用いないものをノーコードツール、最小限のソースコードで開発可能なものをローコードツールと呼びます。ノーコードツールのほうが、ソースコードを用いない分、機能は限定される傾向にあります。市民開発が注目される理由市民開発が注目を集めるのには、いくつかの理由があります。  DX(デジタルトランスフォーメーション) IT人材不足 ノーコード/ローコードツールの発展 業務や日常生活でデジタルデバイスに触れるのは、もはや当たり前となっています。ネットワーク上で行われる取引や提供されるサービスも増えてきました。そのような状況で、事業を成功・拡大させるためにデジタル化は不可欠です。 デジタル化へのニーズが高まる一方で、IT人材不足はますます深刻になっています。経済産業省の調査によると、2030年までにIT人材不足は最大で79万人に達する見込みです。このような状況で注目されているのが市民開発で、特に大企業では、ITをベンダー頼みにしているという課題を解決する手法として期待されています。 IT調査・コンサルティングを行うITR社の調査によれば、ノーコード/ローコード開発市場は2019年から2020年に24.3%の伸びを示しました。その後の予測値でも前年度比20%以上で拡大していくと推測され、2023年には1000億円規模になると見込まれています。 また、ガートナージャパン社の調査では、エンドユーザーによって開発した(市民開発された)アプリケーションがあるとの回答は62%に上りました。また2024年までに開発されるアプリケーションの65%以上がノーコード/ローコード開発によると予測しています。市民開発の企業事例4選日本での市民開発の導入事例も増えつつあります。その中から4社の事例を紹介しましょう。ニトリニトリは、家具やインテリアの業界大手で、商品企画から製造、物流、販売までを一貫して手がけることで知られています。社内には商品に限らずITも自社で担うという社風があるものの、営業支援システム(SFA)については定着率の低さが課題でした。 そこで、社内システムのクラウド化と同時にローコードツールを使って簡単なアプリケーションの開発に挑戦し始めます。Excelで管理していたリフォームの進捗管理をスマートフォンから手軽に入力できるアプリケーションへと刷新したところ、PCを使うことなく入力できることが評判となりました。そこから内製化プロジェクトを立ち上げ、併用期間を経てSFAの置き換えを実現しました。森田鉄工所森田鉄工所は、水道用バルブの製造販売および施工をする従業員約160名の中小企業です。100年超の歴史がありますが、国内8拠点の連携強化のため、ペーパーレス化や業務効率化、全社での情報共有などを課題としていました。 特筆すべきは、システム開発未経験の女性社員2名が、営業事務の仕事をしながらローコードツールで開発を進めたという点です。受注や契約情報の一元管理を実現し、製品の種類や細かな仕様、納期、納品場所、施工の有無などを担当者がリアルタイムで入力すれば、誰でも必要なときに参照が可能となり、管理や連絡に費やす手間を大幅に削減しました。ヤマト運輸ヤマト運輸は業界トップクラスの取扱量を誇る、宅配便の大手企業です。年々増加する集配業務に、限られた拠点とトラック、セールスドライバーで対応しなければならないことが課題でした。勘や経験値ではなく、データに基づく効率的な業務遂行が求められていました。 そこで、既に導入していたシステムをリアルタイムで情報共有できるようにカスタマイズしました。データ分析担当者や問い合わせの受付者、案件を引きついだ担当者など、複数の担当者が各々の情報や知見を持ち寄り、常に全員が最新情報を確認できるようになったことで連携が強化されました。 システムがノーコード/ローコード開発に対応しているため、きめ細やかなカスタマイズが可能となり、よりスピーディーな対応を実現するため、今後も改良を重ねていくとしています。神戸市兵庫県神戸市は、コロナ禍による最初の緊急事態宣言が発出された後、1日約1000件もの問い合わせ対応に追われていました。簡易的な対応が6~7割を占める状況で、本当に保健師などが対応する必要のあるものを精査しなければなりませんでした。 そこで、職員によるWEBアプリケーションのローコード開発に着手します。約1か月半後には、新型コロナの健康相談チャットボットをリリースしました。その後も次々とニーズに応じたサービスを約1週間という期間で素早く開発することに成功しました。市民開発のメリットと課題点 最後に市民開発のメリットと課題点を確認しておきましょう。市民開発のメリット ITの専門知識がなくても開発できる 開発コスト・外注費用の圧縮 デジタルの民主化 事例で触れたように、ITやプログラミングについての専門知識がなくても、ノーコード/ローコードツールを用いて業務に必要なアプリケーションやシステムを自社で開発できるのは大きな魅力です。 開発や運用管理のコストを圧縮するだけではなく、社内の人材活用・戦力アップという側面も見逃せません。ITは専門家に任せきりで、デジタルについては門外漢というスタンスの従業員を積極的に巻き込むことで、DX推進やデジタルの民主化にも役立つでしょう。市民開発における課題 全システムとの連携やIT部門との役割分担 セキュリティ対応 ブラックボックス化、属人化 ITリソース不足を補う有効な手段である一方で、専門知識がない点に対して懸念があるのも事実です。市民開発されたアプリケーションやシステムが乱立して、全社的な統制が取れなくなってはいけません。 問い合わせ対応など、市民開発者とIT部門との役割分担や開発時の申請・承認フローなどを明確にしておきましょう。開発されたアプリケーションなどがセキュリティ面で問題ないか、ほかの誰も対応できずブラックボックス化・属人化してないかを確認することも大切です。市民開発の環境を整え、デジタル戦力の強化を市民開発は、専門外の従業員がノーコード/ローコードツールを用いてアプリケーションやシステムを開発する手法です。IT人材不足という目下の課題に対し、社内の人材活用やデジタル戦力アップを通じて、企業にとってポジティブな結果をもたらす可能性が高いといえます。開発部門周辺の人材確保に不安を抱える企業は、市民開発の環境整備を検討してみてはいかがでしょう。

ITトレンド
2023年注目のIT最新トレンドキーワードをチェック!

2023年注目のIT最新トレンドキーワードをチェック!

ITの最新トレンドは、テクノロジーの発展とともに変わっていきます。日進月歩の世界でトレンドの最先端を追い続け、近い未来を予測するのは大変です。そこで今回は近年のITトレンドの流れをキャッチし、2023年に注目を集めると予測した最新キーワードをピックアップします。なぜITの最新トレンドを知る必要があるのかなぜITの最新トレンドを知る必要があるのか、それは自社事業の生き残りのためです。世界のどこかで新しい技術や製品、サービスが開発される日々。それが社会や市場、業界、さらには自社の事業にどんな影響を与えるのか。正しく把握しておかなければ、新たな波に対する策が立てられません。新規ビジネス立ち上げのヒントやビジネスチャンスを掴むためだともいえます。 社運をかけたビジネスであればあるほど、市場や競合他社の動向、新しいテクノロジーについて入念にリサーチしておく必要があります。少なくともIT戦略の立案やIT活用の方向性を大きく見誤らないよう、最新トレンドをキャッチしておきましょう。2023年のIT最新トレンドキーワード予測IT最新トレンドは、テクノロジーの進化によって常に変わっていきます。昨今の動向から、2023年のIT最新トレンドキーワードを予測してみました。Web3.0 「Web3.0」とは、2020年ごろから始まっている次世代型インターネットのことです。情報やデータの集中に対する分散化という考え方がポイントで、情報の改ざんを防止する暗号化技術を用いたブロックチェーンを活用。ネットワークに接続するすべてのデバイスを使って情報やデジタル資産などを分散管理するところが特徴といえます。 Web1.0は、インターネット黎明期とも呼ばれる1990年代から2000年初頭までを指し、Web2.0は、2000年代中頃から現在まで続くインターネットの高速化やEC、SNS、配信などに代表される双方向コミュニケーションの実現を指します。 Web2.0では、プラットフォームを提供するGAFAMのような一部の大企業に個人情報が集中しています。Web3.0では、個々人が自分の情報や資産を管理することでセキュリティやプライバシーの向上を図り、一極集中からの脱却を目指そうとしています。メタバース「メタバース」とは、ネットワーク上に構築された仮想空間を意味します。メタ(Meta=高次の)とユニバース(Universe=世界)を合わせた造語です。ユーザーは、自分のアバター(分身)を作り、メタバース内で自由に行動できます。 3Dデジタル技術を用いた仮想空間でのサービスは2000年代中頃からあり、先駆けとして知られているのが「Second Life」というゲームです。メタバースそのものは最新トレンドとはいいにくいものの、複数の企業が相乗りするオープンメタバースは、集客力やコミュニティ形成、ユーザー間交流などの観点から注目されています。デジタル免疫システム「デジタル免疫システム」とは、システムやネットワークでの障害発生に備えて耐久力や回復力を高めたり、迅速に復旧させたりするための適切な対応を構築しておくことです。生物の免疫システムのように、外敵が侵入してきた際に対応する仕組みを指します。 IT最新トレンドを定期的に発表するガートナージャパン社によると、デジタル免疫システムは、可観測性や自動修復機能、AIによるテスト自動化ツール、サイト信頼性エンジニアリング、アプリのサプライチェーンセキュリティなどの技術によって実現されるとしています。ジェネレーティブAIジェネレーティブAI(生成型AI)とは機械学習の一種で、従来のようなデータ処理や分析ではなく、学習したデータから新しい情報やコンテンツを生成できる機能を持つAIのことです。テキストや画像はもちろんのこと、音声や動画にも対応するため、小説や音楽、アート作品なども生成できます。 そのほかにも、医療分野では検査画像データを学習させて異常を発見し、診断を支援するシステムや、住宅分野でそれまで担当者の個性や感覚にまかされるところが大きかった家のタイプや間取りの提案をAIが的確に導き出して顧客満足度を高めるなど、さまざまな活用が期待されています。量子コンピューター「量子コンピューター」とは、量子力学の現象を利用し、従来のコンピューター(古典コンピューター)では対応できない複雑な問題でも速く解くことができる仕組みを搭載したコンピューターです。古典コンピューターがbit(0または1)で計算するのに対し、量子コンピューターは量子ビット(0でも1でもある)で計算します。 量子ビット同士の相互作用により並列計算が可能になるため、古典コンピューターでは時間を要する計算でも時間を短縮できる点が特徴です。その一方でコンピューターの構築や計算上のエラーが発生しやすいという課題があります。実用化を目指し、企業によって研究が重ねられています。ドローン配送 年々増加する配送や宅配便による配達ニーズに対応すべく期待されているのが「ドローン配送」です。ドライバーの人材不足や交通渋滞、再配達対応など、解決が望まれる課題はたくさんあります。 ドローン配送なら、地上の渋滞に巻き込まれることなく迅速な配送が可能です。人件費や燃料代などのコストも削減できるでしょうし、24時間365日稼働できます。山間部や離島などへのタイムリーな配送だけでなく、災害時には救援物資の供給に役立つでしょう。 課題とされているのは、風雨など天候の影響を受けやすいことや建物などとの接触、故障時の対応、配送重量が比較的限られていることなどです。GX(グリーントランスフォーメーション)「GX(グリーントランスフォーメーション)」とは、石油などの化石燃料ではなく太陽光や風力、水力などのクリーンな再生可能エネルギーを利用することで、温室効果ガスの削減とともに経済発展を実現させる活動を意味します。 国内の温室効果ガス削減のためには、製品の製造過程などで排出されるCO2の削減を代替手段によって実現していかなければなりません。サービス業であっても、電力の節減やゴミの削減、ペーパーレス化、社用車のEV化など、取り組めることは数多くあります。 企業の社会的責任やSDGsといった社会的気運の高まりに加えて、日本政府が2050年までにカーボンニュートラル(温室効果ガスの排出量をゼロとすること)を目指すと宣言していることからも、今後ますます注目されるでしょう。IT最新トレンドをキャッチして、自社のビジネスに活かそうIT最新トレンドに注目する意味は、自社ビジネスの生き残りにあるとお伝えしました。近年ではテクノロジーの進化スピードが速く、いつ社会を変革するような製品やサービスが登場しても不思議ではありません。できる限りアンテナを張り、最新情報に触れるよう心がけましょう。

ITトレンド
ノーコード・ローコードとは? メリット・デメリットやツールの選び方を超キホンから解説

ノーコード・ローコードとは? メリット・デメリットやツールの選び方を超キホンから解説

 近年、プログラミングの領域で「ノーコード・ローコード」という手法が注目を集めています。WebアプリやWebサービスへの開発の需要が増加し、様々なところでプログラマーの人材不足が叫ばれる現在、ノーコード・ローコードは人材難やスキル不足を解消してくれる可能性を持った手段です。ここではノーコード・ローコードのメリットとデメリット、ツールの選び方についてイチから詳しく解説します。ノーコード・ローコードとはIoTやロボティクスの普及など、著しく進化を続ける先進技術の発展により、IT技術者のニーズがますます増加しています。ところが、イチからソースコードを書いてプログラミングを行えるような人材の数には限りがあり、今や需要に対して人材が足りない時代に入っています。そこで注目されているのがノーコードやローコードによる開発です。ノーコードとはIoTやロボティクスの普及など、著しく進化を続ける先進技術の発展により、IT技術者のニーズがますます増加しています。ところが、イチからソースコードを書いてプログラミングを行えるような人材の数には限りがあり、今や需要に対して人材が足りない時代に入っています。そこで注目されているのがノーコードやローコードによる開発です。ローコードとはローコードとは、最小限のコーディングでシステムやアプリケーションを構築できる手法のことです。多少は専門的な知識が求められますが、“ゼロ位置”からプログラミングを行うよりも早く、なおかつノーコードに比べて自由度が高い開発が可能になります。ノーコード・ローコードのメリット 次にノーコード・ローコードにおける共通のメリット、およびノーコード・ローコードそれぞれのメリットを簡潔に解説していきます。ノーコード・ローコードに共通のメリットノーコード・ローコードに共通する主なメリットは次の3つです。 開発コストを縮小できる 開発スピードを上げられる 完成後の機能拡張や改修が容易ノーコード・ローコードによる開発の一番のメリットは、従来のプログラミングに比べてコストや時間を大幅に縮小できるところにあります。人件費の高い専門職の力を必要とせず、たくさんの人間が関わって難解なツールで開発できるため、それらが可能なのです。また、専門職の協力を必要としないということは、完成後の機能拡張や改修にもメリットをもたらします。必要な時にスピーディーな開発、改修が可能になるのです。ノーコードのメリットノーコード単独のメリットは次の3つです。 専門的な知識が要らず、誰でも参加できる 従来、外注してきた開発を内製化できる 開発後のエラー発生リスクが低い専門的な知識が要らず、誰でもアプリやサービスの開発に参加できることがノーコード最大のメリットです。また、開発のために専門チームを常設する必要がなくなるので組織のスリム化が図れ、必要なタイミングで必要に応じたメンバーを集めて開発が行えるようになるのでコストの大幅カットにつながります。 また、特に中小企業などでは、自社アプリや自社サービスの開発を外部業者に委託しているというケースも少なくないと思います。そうした際、開発ツールさえあれば自社で内製化が可能になることもコスト削減への一助となるでしょう。 また、ノーコード開発はツール内にある決まったパーツを組み合わせる仕組みなので、エラーやバグの発生が比較的低いことも大きな特徴のひとつです。プログラムの安定性の高さは、リリースまでの時間短縮にも貢献します。ローコードのメリットローコード単独のメリットは次の3つです。 ノーコードに比べて汎用性や拡張性が高い 独自のロジックが組み込める 既存システムとの連携が容易ローコードの大きなメリットは、ノーコードに比べて自由度の高い開発ができることです。多少のプログラミングを行うので技術者の協力が欠かせませんが、プログラミングとノーコードの“いいとこ取り”のような形で、汎用性や拡張性の高い開発が可能です。 開発の自由度が高いことにより、自社独自のビジネスロジック(業務システムで取り扱うさまざまな処理)を組み込むことができます。慣れたロジックに当てはめながら、生産性の向上が期待できます。また、ローコード開発ツールには他のソフトウェアやシステムと連携できる機能が最初から搭載されているものも多く、社内の既存システムと連携したシステムを構築することもできます。ノーコード・ローコードのデメリットメリットばかりに見えるノーコード・ローコードですが、導入前に知っておきたいデメリットもあります。ここでもノーコード・ローコードにおける共通のデメリット、および、それぞれのデメリットを簡潔に解説していきましょう。ノーコード・ローコードに共通のデメリットまず、ノーコード・ローコード共通のデメリットは次の3つです。 ツールにない操作が行えない システムがブラックボックス化しやすい セキュリティ対策がツール依存になるあらかじめツールに搭載されたパーツを使ってシステムを構築するノーコード・ローコードは、ツールにない操作が行えないことが難点です。また、GUIで操作することから、システムの内部でどのようなプログラムが働いているかを把握できず、中身がブラックボックス化しやすいのもデメリットです。さらにセキュリティ対策もツールに依存するため、独自にセキュリティレベルを高めるといった対策ができません。ノーコードのデメリットノーコード単独のデメリットは次の2つです。 大規模開発に向いていない 自由度や拡張性に乏しいGUIで操作するノーコードは、大量のデータを操作したり複雑なシステムを構築する大規模開発には向いていません。また、既存のパーツの範囲でシステムを組み立てるので、自由度や拡張性が低いというのが弱点です。ローコードのデメリットローコードのデメリットは2つです。 一定のプログラミング知識が必要 実装する機能に制限があるローコードの開発には、ある程度のプログラミング知識が必要です。非技術者が扱う場合でも、一定の知識の取得が必要になることを覚えておきましょう。また、ノーコードに比べて自由度が高いものの、ツールの能力やコード入力が可能な範囲内でしか機能が実装できないため、まったくゼロからのプログラミングほど高い自由度は期待できません。ノーコードとローコードの違いノーコード・ローコードのメリット・デメリットを理解できたところで、両者の比較を改めてわかりやすくまとめると、次のようになります。  どちらもプログラミングの専門知識を必要とせず、非IT人材を巻き込めるという点では共通していますが、ローコードは最低限のプログラミングが必要になるので、開発をリードできる技術者の存在が不可欠です。ノーコード・ローコードツールを選ぶ4つのポイント ノーコード・ローコードでの開発には、ノーコード・ローコード専用の開発ツールの導入が不可欠です。次はツールを選ぶ際のポイントを4つ解説します。開発目的や課題に合っているか開発ツールによって、構築できるシステムやアプリケーションが異なります。そのため、目的や課題に合ったツール選びが重要になります。操作者との相性が良いか専門人材以外も参加できて、必要なリソースやコストをカットできるのが、ノーコード・ローコード最大のメリットです。そのため、操作する人とUIデザインや入力画面との相性が非常に重要です。実際に使う人が使いやすいと感じられるツールを選びましょう。導入後のサポートは十分か導入後に受けられるサポートを確認しましょう。開発ツールで作ったシステムやアプリケーションは、仕様変更や改善を随時行わなくてはなりません。万が一、システムやアプリケーションにエラーが生じた時にすぐ対応できるよう、ベンダー側のサポート体制をチェックしておきましょう。コストは適切か開発ツールの導入・運用には初期費用と月額利用料がかかります。費用感はツールによって異なるため、ランニングコストが費用対効果に適切かを見極める必要があります。ノーコード・ローコードのカオスマップ[caption id="attachment_72" align="aligncenter" width="1024"] 出典:一般社団法人NoCoders Japan協会[/caption] 一般社団法人NoCoders Japan協会ではノーコード・ローコードツールを提供する企業やサービスを一覧化した「ノーコード・カオスマップ」を配布しています。このカオスマップでは、ビジネスアプリ、ECサイト構築、Webサイト作成、業務自動化など、関連企業をカテゴリー別に確認できます。 株式会社DTSがPremierパートナーとして各企業への導入・運用を支援しているServiceNow(R)も「ビジネスアプリ」のカテゴリーに入っています。社内のシステムを一元化し、ワークフローの自動化、最適化に貢献するServiceNow(R)。DX化を推進する業務効率化ソリューションをお求めの方は、ぜひ一度導入をご検討ください。ノーコード・ローコードを上手に活用しよう今話題のノーコード・ローコードの超キホンをまとめてお伝えしました。WebアプリやWebサービスが必須だけど「IT人材を採用できない」「開発の外注でコストがかかりすぎる」といったお悩みを抱える企業は、ぜひ一度導入を考えてみてはいかがでしょうか。ノーコード・ローコードの実現で、スムーズな開発、ひいては自社の課題解決に繋げましょう。

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