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カスタマーサポートツールの選び方:ServiceNow「CSM」&その他7選を比較

カスタマーサポートツールの選び方:ServiceNow「CSM」&その他7選を比較

近年、企業のカスタマーサポートは、顧客の問い合わせチャネルが増えたことにより対応の煩雑さを増しています。たとえば、電話、メール、SNSなど、異なる媒体からの問い合わせを一括管理することは、多くの企業にとって難題になっています。ここではServiceNowのサービスを中心に、カスタマーサポートツールの概要や注意点について解説します。カスタマーサポートツールとは? 種類別に解説 カスタマーサポートツールとは、企業が顧客へのサポートを提供するために使用するソフトウェアやツールの総称です。カスタマーサポートツールには、顧客からの問い合わせや要望に迅速かつ効果的に対応するための機能が揃っています。カスタマーサポートツールを利用することで、顧客との効率的なコミュニケーションや問題解決をサポートし、関係構築や顧客データの蓄積を行うことができます。 続いて、カスタマーサポートツールの種類を紹介します。問い合わせ管理システム問い合わせを一括管理するシステムのことを「問い合わせ管理システム」といいます。電話やメール、SNS、チャットなど複数のチャネルに分散していた問い合わせを、統合的に管理することで、情報の漏れや不手際を防ぐことができます。例えば、メールの対応については「誰がいつ対応したか」「対応中か」「未対応か」といったステータスをリアルタイムで管理できることもメリットです。返信漏れや作業ミスが減るほか、部署を跨いだ情報共有も円滑に行えます。複数のチャネルから顧客対応をしている企業におすすめのシステムといえます。CRM(顧客情報管理)CRM(顧客情報管理)は、企業が顧客との関係を強化し、顧客満足度を向上させるための戦略やツールのことです。CRMは、顧客の基本情報や購買履歴、問い合わせ履歴などのデータを一括管理することで、蓄積したデータを他の予約システムなどと連携することができます。問い合わせ管理システムと連携することもできるため、問い合わせ情報を蓄積し最適な顧客対応の答えを出すことも可能です。顧客データの管理が膨大になり、現状のシステムでは管理しきれない、または共有がスムーズに行えないと感じている企業におすすめです。FAQとチャットボット顧客への回答支援には、顧客が回答を見つけやすくする「FAQ」と「チャットボットでの回答」があります。 FAQは、頻度の高い顧客の質問に対する回答を一問一答でまとめたコンテンツです。Q&Aがシンプルに質問に対する回答のまとめであるのに対し、FAQは、顧客がスムーズに回答にたどり着くために「よくある質問」をまとめたものになります。なかには、自己学習により顧客の質問を先回りして回答するものもあり、Q&Aではたどり着けない回答を見つけることができます。 チャットボットとは、チャットを用いた自動会話プログラムのことを指します。最近企業のHPなどで「ご質問はありますか?」「なにかお困りですか?」とポップアップが立ち上がることがよくありますが、それがチャットボットです。チャットボットを導入することで問い合わせが減るため、クレームやサポートセンターへの問い合わせの多い企業におすすめです。カスタマーサポートツールと連携したチャットツールカスタマーサポートツールに搭載されているチャットツールを利用することで、顧客とカスタマーサポートツールのコミュニケーションの活性化が可能です。例えば、メールや電話、SNSの代わりにカスタマーサポートツールと連携したチャットツールを運用することで、顧客情報を把握しつつ多数の顧客へ同時に情報を送信することも可能になり、円滑なサポートが行えます。また、顧客情報や対応履歴を共有している前提で社内の情報伝達が行えることもメリットです。それゆえ部署間のコミュニケーションの連携が多い企業などで有効です。カスタマーサポートツールの選び方 ここまでの解説で、どのカスタマーサポートツールも魅力的に見えたかもしれません。しかし、自社の目的によって選択するべきカスタマーサポートツールは異なります。 まず重要なのはコストとの兼ね合いです。事業内容によっていらない機能もあるので、適切な機能があり、予算的にも無理のないツールを選びましょう。また、すでに使っているツールやシステムとの互換性も重要です。ツールの導入後に互換性がないことが発覚した場合、ツールの再導入のために余計なコストがかかってしまいます。 一方で、ツールの導入後に新しい機能が必要となった場合、追加機能を備えたツールを導入するか、ツールの入れ替えが求められ、追加でコストがかかることが想定されます。事業拡大やツールの用途の広がりが予測される場合は、多機能ツールを導入することも重要です。カスタマーサポートツール7選ここではServiceNowを中心に、さまざまな特徴を持ったカスタマーサポートツールを7つ紹介します。ServiceNowServiceNowのCSM(カスタマーサービスマネジメント)は、ServiceNow独自のカスタマーサポート向けの製品です。顧客に応じた柔軟なシステム設計が可能で、顧客の課題によって自由に使用する機能をカスタマイズすることができます。2023年7月現在、全世界で800社以上の導入実績があります。Salesforce Sales CloudSalesforce Sales Cloudは、営業支援に特化したカスタマーサポートツールです。リアクションがあった顧客を見込み客として管理することで、営業プロセスの可視化による成約率の向上が期待できます。また、顧客や案件の情報をまとめて管理でき、営業活動だけでなくマーケティング活動にも情報を活用できます。カスタマイズすれば、顧客向けFAQツールとしても活用できます。FastHelp5FastHelp5は、ストレスフリーで使いやすいインターフェイスが特徴のコンタクトセンター向けCRMです。情報の一括管理が容易で、カスタマイズ画面も直観的に操作ができるため運用がしやすく、導入のハードルが低いカスタマーサポートツールといえます。Zoho CRMZoho CRMは、顧客管理と営業支援に特化したカスタマーサポートツールです。世界的に導入実績があり、比較的低価格であることも特徴です。CRM初であるAI音声アシスタントを導入しており、電話やチャットの内容から必要な情報を返答してくれます。zendeskzendeskは、カスタマーサポート支援型のチャットツールです。顧客が気軽に連絡できるよう、各種SNSと連携が可能で、ベンチャー企業から大企業まで幅広く採用されています。zendeskには、問い合わせの緊急度を可視化する機能が豊富に備わっており、ユーザーが直感的に問題を把握し、解決することができます。Tayori「誰でもすぐに使い始められる」を売りにしたカスタマーサポートツールです。導入は登録から最短1分で可能です。顧客情報一括管理やFAQの作成に加え、用途に応じたお問い合わせフォームのテンプレート作成が可能です。Freshdesk Support DeskFreshdesk Support Deskは、アメリカ企業で開発された問い合わせ管理に特化したカスタマーサポートツールです。メール、SNS、電話と各種ツールとの相性もよく幅広い情報の一括管理が可能。自動化による業務の効率化が使いやすさをさらに向上させています。例えば、よく送るメールがテンプレートとして記憶するため、ワンクリックで送付することが可能です。まとめいかがでしたでしょうか。企業によって、カスタマーサポートツールの適正は異なります。初期コストや顧客層、組織編成によって最適なツールは変わるでしょう。株式会社 DTS は、ITサービスを通して企業の課題解決や事業促進をサポートする方法を提供しております。カスタマーサポートツールもそのひとつです。DTSは、ITサービスのプロフェッショナルとして、またServiceNowのPramierパートナーとして、これからもお客様のDXをサポートします。

IT運用支援ツール
【2023年】おすすめITSMツール!ServiceNowなど5選

【2023年】おすすめITSMツール!ServiceNowなど5選

ビジネスにおけるITサービスの多様化・複雑化が進む現在、安定したITサービスを提供するためにITSM(ITサービスマネジメント)ツールを導入する企業が増えています。ITSMの導入はITサービス管理の効率化をはじめ、業務品質や従業員の生産性および顧客満足度などを向上させます。今回はITSMツール導入の効果や選定のポイント、おすすめツール5選とともに、様々な業務・システムを一元化し、自動運用・管理を実現し社会と顧客の課題を解決するクラウドサービス「ServiceNow」を紹介します。ITSM(ITサービスマネジメント)の意味 ITSMは“IT Service Management”の略で、「ITサービスマネジメント」「ITサービス管理」などと表記されます。企業がユーザーに安定したITサービスを提供し、継続的に改善を管理していくための仕組みのことで、ITサービスの企画・設計・移行・運用・サポートなどが含まれます。ITSMとITILの違いITSMを利用する際の参考になるのがITIL(IT Infrastructure Library)で、「ITインフラストラクチャライブラリー」と呼ばれることもあります。ITILはITSMにおける成功事例をまとめたもので、ISTMを理解し活用するためのガイドラインとして役立ちます。ITSMツールとは? ServiceNowを代表するサービスの機能ITSMツールはISTMを効果的かつ効率的に実行するためのツールです。ServiceNowもITSMツールの1つで、社内業務に関する様々なシステムを一元化し運用・管理が可能です。ここではITSMツールの主な機能やタイプを紹介します。ITSMツールの主な機能ITSMツールには、主に下記のような機能があります。 インシデント管理システムやITサービスに発生したインシデント(本来は可能である業務・行為を正常に遂行できない状態・事象)を記録し、解決までのプロセスを追跡・管理する。 問題管理発生したインシデントの原因を明らかにし、原因の回避策およびインシデントの再発防止策を施す。 変更管理システムやITサービスの変更がスムーズに行われるよう、変更の計画や承認、実施、評価を一元的に管理する。 リリース管理ソフトウェアの設計・リリースにおける開発やテスト、展開、サポートなどを監督する。 構成管理ハードウェア/ソフトウェア、仕様書、運用マニュアルなどITサービスを提供する構成要素と、それらの組み合わせを正確に管理する。 サービスカタログ管理ユーザーに提供するITサービスの情報をリスト化し、常に正確かつ最新の状態に維持・管理する。 サービスレベル管理ITサービスの提供者とユーザー間の合意に基づき、提供されるITサービスの品質維持・向上を図る。ITSMツール導入の効果ITSMツールの導入によって得られる3つの効果について解説します。業務の属人化を解消ITサービスの運用・管理の課題の1つに対応の属人化があります。属人化を解消するには作業の最適化・自動化を行わなければなりませんが、ITSMツールを導入すればプロセスが標準化され、個人の経験・スキルに依存しない運用・管理が実現します。 また、過去のインシデントや対応履歴がデータとして残るため、それらを活用すれば個人の能力に左右されず適切かつ迅速な対応が可能になります。システムコストを低減複数の業務システムを併用した場合、各システムの維持費やライセンス費、保守費などのコスト負担が増加します。ITSMツールで複数のシステムを1つにまとめれば、システムコストの低減に繋がります。カスタマーサービスの品質向上ITSMはユーザーが満足できるよう、ITサービスを継続的に改善・提供していくことです。例えばカスタマーサービスの分野にITSMを活用すれば、顧客対応や品質管理、クレーム対応、フィールドサービスなどの業務において属人化する恐れがなく、いつでも迅速・正確に対応できる体制を整えることが可能です。それによってユーザーの満足度が上がり、サービスの継続や新規成約が期待できます。ITSMツール選定のポイントITSMツール導入にあたり、必要なツール選定に悩むケースも多いのではないでしょうか。ここではITSMツール選定のポイントについて解説します。既存システムとの統合が可能か既存システムとの統合や連携が難しい場合、運用・管理に手間やコストがかかってしまう恐れがあります。導入の際は既存のツールを確認し、統合・連携が可能か確認しましょう。幅広い業務に利用できるか多用な機能が揃い、業務内容を問わず幅広い場面で活用できるタイプなら、業務全体を俯瞰して最適化が可能になるため、無駄なコストを大幅に削減できます。使いやすいかITSMツールに関して「全体管理型は機能が多いが使いにくく、機能特化型はシンプルで使いやすい」というイメージがあるようですが、全体管理型でもサポート体制が手厚いツールを選べば効率的に利用できます。例えば株式会社DTSでは提供ツールServiceNow専門のメンバーが戦略立案、導入支援、開発、運用・保守までワンストップでサポートしています。カスタマイズ性が高いかITSMツールの導入で高い効果を挙げるには、自社の企業規模や業務体制に合わせて変更できるツールが好ましいでしょう。また組織の環境や業務内容に変化があった時でも、カスタマイズ可能なツールなら柔軟な対応が可能です。ITSMツールのおすすめ5選 「結局、どんなツールを選べば?」とお悩みの人に、おすすめのITSMツール5選を紹介します。ServiceNow(ServiceNow Japan合同会社)/「IT(ヘルプデスク・運用/ITSM・ITOM/ITAM)」ServiceNowはIT、リスク管理、セキュリティオペレーションを1つのプラットフォームに統合したクラウドITSMツールです。優れたデジタルワークフローの提供やサイロ化した複数のシステムの統合などをはじめ、業務内容を問わず幅広いシーンで活用できます。ServiceNowのメリットをまとめました。 アプリケーションを統合し、業務負荷の軽減と効率化を可能に複数のシステムを統合して業務を効率化し、付加価値の高い業務にリソースを割くことができます。また蓄積されたナレッジの活用により業務の属人化も防止できます。 一元管理データをリアルタイムで可視化1つのプラットフォーム上でデータベースを共有し、各種データへのタイムリーなアクセスを可能にします。取得したデータを参照・分析すれば、状況をリアルタイムで把握できます。 ワークフローのデジタル化・自動化を実現様々なワークフロー同士を繋いでデジタル化し、業務の大幅な効率化を実現します。またリマインダー機能により作業を自動化し、従業員の負担や手間を減らします。 使いやすく、カスタマイズにも柔軟に対応可能シンプルでユーザー・管理者ともに使いやすいUIを実現。必要最小限のコードを使ったスピーディーな開発が可能で、カスタマイズにも柔軟に対応します。My Redmine(ファーエンドテクノロジー株式会社)オープンソースソフトウェア「Redmine」をクラウドで利用するITSMツールで、プロジェクト管理や課題管理、タスク管理、問い合わせ管理などの場面で利用可能です。システム上でタスクの記録や管理、共有を一括管理できます。ServiceDesk Plus(ゾーホージャパン株式会社)クラウド・オンプレミスのいずれかを選択するタイプで、正確・迅速・効率的なITSMを実現。シンプルな管理画面で問題管理をはじめインシデント管理、変更管理、リリース管理などの機能を搭載しています。Freshservice(Freshworks/OrangeOne株式会社<販売>)問題管理、変更管理、プロジェクト管理など基本機能を搭載し、社内問い合わせ・インシデントの一元管理やPC・SaaS管理の自動化もできます。専用のノーコードプラットフォームを使用したカスタマイズも可能です。LMIS(株式会社ユニリタ)ヘルプデスク機能を中心としたクラウド型ITSMツール。イベント管理、インシデント管理、サービス要求管理などの管理プロセスでは、個別データベースに加え互いの情報を紐づけた管理が可能です。ServiceNowのPremierパートナー・DTSが自信をもっておすすめITサービスの安定的な提供および継続的な改善を実現するITSM。ITSMを効果的かつ効率的に行うツールの導入は、業務の属人化の防止・解消やシステムコストの低減、カスタマーサービスの品質向上などのメリットを企業にもたらします。 ITSMツールを導入する際は幅広い業務に対応できるか、使いやすいか、カスタマイズ性や統合性は高いかなどのポイントの確認が必要です。ここで紹介したServiceNowをはじめとするおすすめツール5選を参考に、ぜひ導入を検討してください。 株式会社DTSはServiceNowのpremierパートナーです。ServiceNow専門のプロフェッショナルメンバーが導入における業務コンサルティングから開発、運用、内製化支援まで、ワンストップで幅広くサポート。組織の作業効率の向上を実現するITSMツール・ServiceNowを貴社にお届けいたします。

IT運用支援ツール
ServiceNow World Forum Japanに出展しました!

【イベントレポート】ServiceNow World Forum Japanに出展しました!

2023年10月18日、東京 ザ・プリンスタワー東京にて、ServiceNow社主催の「ServiceNow World Forum Japan 2023」が開催されました。ServiceNow社が世界8か国9都市で開催するこのフォーラムは、イノベーションにスポットライトを当て、グローバルなトレンドに加えて開催地域に合わせたインサイトが提供されることも魅力。東京イベントには予定をはるかに上回ったという大勢のゲストが訪れ、会場は活気に溢れていました。 ServiceNowのPremierメンバーである弊社もブースを構え、DTS x ServiceNowのコラボレーションで叶える業務改革ソリューションの数々ご紹介。ご来場いただいた多くの皆さまと直接お話する機会を得ました。さらなる学びの機会となったこのイベントのハイライトをお伝えします。基調講演のテーマは「ビジネスにAIを」イベントのオープニングを飾ったのはSericeNow Japan社による基調講演、「Put AI to work 〜 ビジネスにAIを。ビジネスの隅々までインテリジェンスをもたらす ServiceNowのプラットフォーム 〜」。株式会社三井住友銀行、日産自動車株式会社、第一三共株式会社のIT/DXご担当者をゲストに迎え、ServiceNow Japanの鈴木正敏社長がリードする形のプレゼンテーションでは、テクノロジー、従業員、お客様、リスク・コンプライアンス、生成AIという5つの共通する課題を中心に話が繰り広げられていました。 中でも興味深かったのが、ServiceNow プラットフォームで使用される生成AI、Now Assistについて。自然言語によるコード作成や検索も可能というこの高性能なAIによって、様々な作業が簡略化され、あらゆる業務プロセスに恩恵をもたらすとか。これからも要注目のエリアです。DTSブースでは最新の業務改革ソリューションをご紹介! 弊社DTSブースでは IT資産や脆弱性情報管理ソリューション(ITOM+SecOps連携) 総合ITサービス管理ソリューション(ITSM+SecOps連携) アドバンストコンタクトセンターソリューション(CSM) エンタープライズ人事総務ソリューション(HRSD)を4本柱に、デジタルビジネスの革新と価値創造を実現する、最新の業務改革ソリューションをご紹介しました。DTSグループの豊富な業務ノウハウ、先端のデジタル技術があってこそ命を吹き込まれるServiceNowというプラットフォーム。その組み合わせが成し遂げられることを、パネル展示と個別プレゼンテーションでお伝えしました。 業務改革にまつわるお悩みを伺い、それぞれの企業様のケースに合わせた最適なソリューションをご提案する中で、特にお客様の関心が高かったのはやはりAIについて。AIによるサービスマネジメントの自動化を実際に取り入れようとしているお客様も多いのか、AI導入により発生しうる問題点など、掘り下げた質問を数多くいただきました。活用事例を盛り込んだブレイクアウトセッションも人気さらに会場では、実際にServiceNowを活用されている企業による、合計24ものブレイクアウトセッションが行われました。これから導入を検討されている来場者にとっては、やはり具体的な事例を交えたプレゼンテーションはとても分かりやすいと人気。その中でも特に注目を集めていた3つのセッションを、ダイジェストでご紹介します。アクセンチュア×アフラックのパネルディスカッション~ServiceNowをフル活用した全社業務改革の取り組み~(アクセンチュア株式会社共同セッション:アフラック生命保険株式会社)ServiceNowの活用事例について、メリットや課題点を対談形式で解説。一例として、保険契約業務のワークフロー化について説明がありました。事前の書類チェックを機械チェックに集約することで、人的作業にかかる負荷を削減し、自動でエスカレーション、プロセスを可視化することで、作業の待ち時間も削減。また、タスクの滞留状況など様々な情報を蓄積することにより、さらなる最適化にもつながる成果が。書類チェックのシナリオが膨大で、シナリオ考慮不足による自動判断のミスが発生したものの、段階リリースで乗り越えた、という体験談も共有されました。ServiceNow導入によってどのような改善ができるのかを、パネルディスカッション形式でとても分かりやすく学ぶことができました。ガバナンスとイノベーションは成立するのか?NTTが実践した両利きのITへの道のり (日本電信電話株式会社)「パラコンシステント(同時並列=矛盾を受けとめることで多様性を育む考え方)」を柱に、多様性を受け止めるコミュニケーションインフラの構築目指すNTT。今回のプレゼンテーションは、ガバナンスとイノベーションという、一見矛盾する要素を両立できるのか?がテーマでした。結論としてガバナンスとイノベーションは両立可能。企業においてガバナンスは非常に有用であり、イノベーションの最たる例でもある生成AIの活用にも、ガバナンスが必要です。ただし実現のためには個々が異なる言葉を使うのではなく、言葉を定義して共通認識を得ることが重要、との解説は、今後業務に取り組む上で非常に参考となりました。藤沢市が考えるデジタル市役所「シン・シヤクショプラットフォーム」構想(藤沢市役所)住みやすい町・住んでみたい町として人気の高い藤沢市。テレワークが増えたこともあり、家族での移住も増えているとのこと。そんな中、「仕事が回らないことが増えた」と感じていた藤沢市役所。原因は人手不足でも仕事の増加でもなく、仕事のやり方に限界が来ていることでした。この状況を改善すべく、市役所はDX推進本部を立ち上げ、ServiceNowを導入。その結果、デジタルがサイロ化した仕事をつなぎ、市民にとってよりスムーズな手続きを実現しただけではなく、職員にとっても働き甲斐のある環境を提供。公共部門にこそ今後導入企業が増えていくのでは?と思わせるプレゼンテーションでした。大阪、ラスベガス、そして東京へ!各地のフォーラムに参加して感じるServiceNowへの熱度の高まりパンデミックも落ち着きを見せ、ビジネスにとっても大きな転換期となった2023年。ServiceNow社もリアルイベントを相次いで復活させ、私自身も3月のServiceNow Summit in Osaka、5月のServiceNow Knowledge 2023 in Las Vegas、そして今回のServiceNow World Forum Japan 2023と世界3都市のイベントに参加する機会を得ました。そして感じるのが、ServiceNowへの注目度、期待値、そして熱度は世界中で高まり続けているということ!今回は弊社も初めてブース出展させていただき、お客様と直にお話する機会も多かったのですが、ゲストの熱量はどの会場よりも大きかったように思います。また他の参加企業の皆さまとも情報交換の良い場となり、多くのことを学ばせていただきました。 ますます目が離せないServiceNow。弊社もそのPremierパートナーとして、日本のお客様によりタイムリーでクオリティの高いサービスをご提供できるよう、これからも努めてまいります。

その他
CSMのポイント「オムニチャネル」とは? 企業における最新事例も紹介

CSMのポイント「オムニチャネル」とは? 企業における最新事例も紹介

顧客との接点が多様化する近年、オムニチャネルの果たす役割が注目されています。顧客体験の向上に不可欠とされているからです。ここでは、オムニチャネルとは何か、またServiceNowのCSM(カスタマーサービスマネジメント)を導入し、オムニチャネルの導入に成功した企業の事例を3つ取り上げてご紹介します。オムニチャネルとは 「オムニチャネル」とは、企業が顧客と接する店舗やカタログ、メールマガジン、SNS、ECサイト、スマホアプリなど複数の接点(チャネル)を連携、統合し、どのチャネルでも顧客に最適な購買体験を提供できるようにすることです。 オムニチャネルのオムニ(omni)はラテン語に由来する接頭辞で、「すべての」を意味します。チャネル(channel)は英語でもともと「経路、水路」を指しますが、ビジネスの世界では転じて「販売ルート」を意味するようになりました。 オンラインかオフラインかを問わず、時間や場所に限られることもなく顧客に快適な購買体験を提供することは、顧客満足の向上につながります。営業時間外や店舗がない地域でも販売可能になるという点で、企業にとってのベネフィットも大きいといえるでしょう。マルチチャネルやクロスチャネル、O2Oとの違いオムニチャネルに似ている用語がいくつかありますので、整理しておきましょう。 シングルチャネル マルチチャネル クロスチャネル O2O チャネルが1つの場合は、シングルチャネルです。マルチチャネルとは、顧客とのチャネルが複数存在するものの、互いに連携していない状態を指します。クロスチャネルとは、マルチチャネルを連携させることを意味します。 たとえば、店舗とECサイトがそれぞれに販売活動をする場合は、マルチチャネルです。店舗とECサイトに加えてSNSを開始し、店舗とECサイトの顧客情報を照合、メールマガジンやSNSでキャンペーン告知やクーポン配布をする例は、クロスチャネルといえます。O2O(オーツーオー)は、Online to Offline(オンライントゥーオフライン)の略で、ECサイトやSNS、スマホアプリなどオンラインのチャネルから店舗などオフラインのチャネルへと顧客を誘導する手法です。いずれもオムニチャネルを構成する要素で、テクノロジーとともに発展してきたといえます。オムニチャネルを採用するメリット顧客との接点であるチャネル同士をより緊密に連携させ、統合的に使えるようにするメリットは、主に以下の3点だといえるでしょう。 顧客体験の向上 機会損失の削減 顧客データの統合 顧客が時間や場所を気にすることなく、店舗やPCで見た商品をスマホで購入できるといった購買体験は、顧客体験を向上させます。 近年では、店舗で見た商品をECサイトと比較した上で選ぶ「ショールーミング」や、その逆の「ウェブルーミング」という購買行動が、企業の課題とされています。店舗でクーポンコードを配布したり、アプリで来店特典を付与したり、ポイントを共通化するなどの対策が、オムニチャネルでは可能です。 そのためには、顧客データを一元管理できるCRMシステムの導入が欠かせません。ひとりの顧客を1ID(ワンアイディ)で管理し、どのチャネルでの購買履歴もわかるようインフラを整えておけば、データ分析に基づきタイムリーな提案もできます。オムニチャネル採用でCSMを実現した最新事例3選 ServiceNowのCSMを導入してオムニチャネル採用を実現した最新の成功事例を3例ご紹介しましょう。セブン-イレブン(米国)|顧客が求めるサービスを求める方法でアメリカのコンビニエンスストア大手、セブン-イレブン社では、ブランドイメージや商品に対する顧客ロイヤリティを維持するため、顧客が好むチャネルで顧客が求めるサービスを迅速に提供することが不可欠だと考えています。 顧客に提供する数々のサービスの中でも、必要なサポートを確実に届けることを同社は目指しました。具体的には、顧客が初回対応に満足し再度問い合わせなくても済むようにする初回解決率の向上です。 課題となっていたのは、顧客からのサポートのリクエストが、アンケートなどフィードバックの情報と一緒になっていたことでした。切り分けのため新設されたカスタマーヘルプデスク用に導入されたのが、ServiceNowのCSMです。 顧客とフランチャイズ店ともに、サポートの依頼や問題の報告を受け付けるプラットフォームが一元化されただけでなく、依頼を受けると同時にシステムが自動的にケースを作成、AIによって優先順位付けされた上で対応オペレーターを自動的にアサインするようになりました。 1日130件にものぼるケースに迅速に対応していることに加えて、CSMのオムニチャネル機能で、顧客は好みのチャネルからサポートを受けています。シーメンスヘルスケア|必要なデータを素早く顧客に提供ドイツのシーメンスヘルスケア社は、CTなど医療用の撮影検査機器を製造するメーカーです。顧客は世界中にいます。ヘルスケアのデジタル化に伴って、同社ではオンライン上での顧客からのデータ接続性がもっとも重要だと考えるようになりました。 可能な場合はリモートによるサポートを提供し、対面サポートを減らす目的で2000年代に設立されたリモートサービスセンターは、大成功を収めていました。その一方で、毎月12万件という膨大なサービスリクエストに対応しなければなりません。 そこで同社は、12万件中の1件1件をそれぞれ1分ずつ短縮できれば、大幅なリソースの節約になると考えました。必要なとき必要な情報に従業員の誰もがアクセスできるよう、部品の在庫状況や仕様書、サービス履歴、契約内容などの多様な情報を1つのプラットフォームに集約する必要があったのです。そこで選ばれたのが、顧客のさまざまなタッチポイントにオムニチャネル機能で対応できるServiceNowのCSMでした。 導入によって顧客へのスピーディな対応を実現しただけではなく、ある地域で見つかった不具合を全世界で一斉に修正するなどの対応も可能にします。同社が目指しているのは、オンライン対応の品質の高さで世界に認識される企業になることです。スワロフスキー|店舗とデジタルのハイブリッドな小売を実現1895年にオーストリアで創業したスワロフスキー社は、高級なクリスタルのジュエリーやアクセサリー、時計などを製造販売するグローバルな企業です。美しいクリスタルのハイブランドとして広く知られています。 新型コロナウイルスの影響により、世界各国にある約3,000店舗の休業を余儀なくされた同社は、顧客が店頭で実際に商品を見て身につけて購入を決めるという伝統的な販売スタイルを維持できなくなりました。そこで同社は、オンラインへの移行を決断します。 課題は、どのように収益を上げるかではなく、店頭と同じような顧客サービスをオンラインでどのように実現するかでした。このときすでにServiceNowと協力してグローバルなデジタルプラットフォームを導入していたため、デジタルチャネル全体で一貫したブランドイメージを保持する応対品質の提供に成功します。 CSMを導入してからは、電話やメール、チャットなど、顧客がどのような方法で連絡しても1つの業務起点で対応可能となり、50%以上も顧客サービスの作業負担を軽減しました。同社は今後、バーチャルツアーや新作コレクションのプレビューを予定しています。オムニチャネルを活用してCSM向上につなげようオムニチャネルとは、リアルとネットを融合させた顧客へのおもてなしを実現させる手段だといえるでしょう。顧客とのタッチポイントが増えた今、CSMの向上にはオムニチャネル対応が不可欠です。ServiceNowのPremierパートナーである株式会社DTSが、豊富な経験で適切な導入をサポートします。

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ITSMとは? Service Nowを代表するサービスの概要

ITSMとは? ServiceNowを代表するサービスの概要

ITSM(ITサービスマネジメント)とは、企業がビジネスの価値を最大化するために利用する大切なアプローチです。IT化が進む現代社会においてITSMは必須ともいえます。しかし、ITSMは理解するのが難しく、導入でつまずく企業も珍しくありません。そこで今回は、ITSM導入のメリットや導入の際の注意点についてわかりやすく説明します。また、ServiceNowの代表的製品であるITSMについても併せて紹介します。ITSM(ITサービスマネジメント)とは? ITSMの具体的な業務は、ITサービスを実装するまでの戦略をねったり、どうやったらうまく機能するか設計したり、ITサービスの運用、管理、改善、などの複数のプロセスから成り立ちます。その中でもITSMの運用のフローが最も重要視されており、運用の中にも「インシデント管理」「問題管理」「変更管理」といった機能が細かく分類されています。 例えば、インシデント管理は、システムに問題が発生したときに対処出来るよう、発生した問題を記録し、解決策となる方法を管理する機能です。そして、システムに問題が発生したときに、「根本的な問題は何か」を記録し、解決策を特定するのが問題管理です。さらに、問題発生や仕様変更に伴うサービスのシステム変更のリスク管理を行うのが変更管理となります。ITSMを導入するメリットは?ITSMの基本を適切に抑えていれば次の3つのメリットが得られます。1つ目は「サービスの品質向上」です。適切なITサービスの導入と運用ができていれば、高い品質のサービスを提供することができます。さらに、再現性の高いフローを構築できれば、サービスの品質を高いレベルで維持できます。2つ目は、「顧客またはユーザーの満足度の向上」です。サービスの質が上がれば、おのずと顧客とユーザーの満足度も向上します。3つ目が「コストの削減」です。質の高いサービスを維持することで、メンテナンスや見直しの機会も減り、コストの削減に貢献します。ITSMとITOMの違いITSMと似た言葉に「ITOM」があります。ITOMは「ITオペレーションマネジメント」の略称で、その名の通りオペレーション(作業・取り組み)のことを指します。わかりやすく目的の違いを説明すると、ITSMが顧客の満足度やサービスの向上を目的としているのに対し、ITOMはシステム運用の向上が目的です。つまり、ITSM(顧客へのサービス)を適切に実施するためには、適切なITOM(システム運用)が必要となります。似た言葉で意味を間違いやすいので注意しましょう。ITSMツールと利用方法 ITSMを実施するには、ITSMツールを導入する必要があります。ここではITSMツールの基本性能や導入の際のポイントを解説します。ITSMツールの基本機能と導入コストITSMツールとは、ITSMを効率的かつ適切に運用するために用いるツールです。ツールの基本機能として、インシデント管理、問題管理、変更管理などが挙げられます。導入コストは、ツールの種類や規模、搭載している機能によって大きく異なります。そのため、まずは自社の使用目的を洗い出し、予算に合ったツールを選択することが大切です。また、ここで重要なのが、ITSMには大きく分けて2つのタイプが存在するということです。それぞれのメリットとデメリットを踏まえてご紹介します。 一方は、万能タイプのITSMツールです。基本機能はもちろんのこと、マネジメントに必要な機能を多数揃えているため、将来的に他部署で追加機能が必要となった場合に対応しやすくなっています。 ServiceNowのサービスはまさにこれに当たるでしょう。ServiceNowは、ベンチャー企業から大手企業まで、多くの企業に選ばれています。その理由となっているのが、システムの柔軟性です。柔軟性とは、「自社のサービスの仕様に合わせて」「自社の顧客層に合わせて」「自社のツールに合わせて」と、ITサービスの仕様をカスタマイズできることを指します。一言にITサービスといっても、使っている仕様は様々です。そのため、「この機能を少し自社仕様に合わせたい」という要望を叶えられるシステムの柔軟性は欠かせない物となっています。 もう一方は、「機能特化タイプ」です。顧客管理や文章管理など、特定の情報の管理に特化したものや、FAQツールやチャットボットなど、受付対応に特化したサービスなどが挙げられます。機能特化タイプは、低コストで目的を達成できることがメリットです。自社が必要な機能が明確に絞られている場合は機能特化タイプを導入しましょう。ITSMツール導入の際のポイントここでは、ITSMツールを導入する際のポイントを記載します。 目標の明確化ITSMツールを導入する際、最初に気をつけるべきポイントは「目標の明確化」です。現状の改善点を明確にし、ITSMを導入する目的と得たい結果は何なのかを考えることが重要です。ついつい、ツールを導入することが目的になりがちですが、それは大きな間違いです。たしかに、ITSMを導入するためにツールを使用することは近道ですが、それで全てが解決するわけではありません。そのためには、顧客またはサービスに関わるユーザーが、最も使用しやすいITサービスを提供することを意識しましょう。これにより、導入の際の方向性が決まり、目標達成への道のりも明確になります。 ITSMへの理解ITSMへの理解が浅いと、「まずはIT化してみよう」と先を急ぎ、ITSMツールを導入したのに、サービスの部分的なIT化で終わってしまうことがあります。また、部門間での理解度に差があれば、導入まではうまくいっても、運用や管理、改善の際に情報共有がうまく行かず問題となります。ITSMをうまく機能させるためには、導入する目標が何であり、どのような効果を期待しているのかを全員が理解していることが必要です。そして、企業の規模が大きければ大きいほど、企業全体へITSMの理解を浸透させることは難しくなります。そのため、ITSMの導入は、組織全体に与える影響を加味し、導入範囲を決定することが大切です。初期費用や適応するまでの時間、人的コストは、企業の規模や目標によって異なります。一部門の決定で事を進めるのではなく、導入に関わる部署全体から理解を得た上で、段階的に実施を進める必要があるでしょう。 適切なITSMツール選択複数あるITSMツールの中から自社に合ったものを選ぶことはきっと難しいはず。ITSMツールは、それぞれ特性や機能が異なるため、前述した目標設定やITSMへの理解がない場合、適切な選択は出来ません。まずは、「自社の既存システムに適合するか」が注意するべきポイントのひとつです。 外部委託のメリットITSMの導入までに時間をかけすぎることは理想とは言えません。導入からの費用対効果を考えると、まずはスピーディーに導入し、PDCAを回すことがITSMの効果を最大限に生み出すことになるからです。素早く社内に合ったITSMを活用するのであれば、外部委託も視野に入れましょう。また外部委託のメリットは、ツール選択に悩んだ際にも有効です。ツール選択の際、よく陥りがちなのが「多機能であること」を選択基準に入れてしまうことです。たしかに多機能であることは、サービスの質を上げるために重要ですが、目標によっては過剰な機能を含んでいる可能性もあります。本当に自社に必要な機能は何なのかを考えた上でツールを選択することが必要です。自社が、機能特化タイプで済む事業なのか、それとも将来的に多機能タイプを導入したほうが良いのか、自社のみで判断が出来ない場合は、外部の意見を取り入れてみましょう。まとめ今回は、ITSMがビジネスレベルを最大化するためにいかに重要な考え方であるかを説明しました。そして、ITSMを導入するうえでのITSMツールの必要性についてもわかっていただけたかと思います。もし、自社のサービスがシンプルでツール選択が明白な場合は、機能特化タイプのツールの導入がスムーズに行えます。しかし、自社の事業展開が不明瞭であったり、事業数の多い大手企業の場合は、ServiceNowのような多機能タイプを選択することがおすすめです。DTSは、ServiceNowのPremierパートナーとして、これからも役立つ情報を発信してまいります。

IT運用支援ツール
CX(カスタマーエクスペリエンス)の意味:ServiceNow/CSMにも注目

CX(カスタマーエクスペリエンス)の意味:ServiceNow/CSMにも注目

市場競争の激化する現代において、自社の商品やサービスを顧客にできるだけ長く選び続けて欲しいと思うのは、どの企業も同じでしょう。そこで鍵となるのが「CX(カスタマーエクスペリエンス)」です。今回はCXの意味やCXの向上で得られるメリットを解説。さらに、多様な業務やシステムをひとつの共通プラットフォームにまとめ、自動で運用·管理できるクラウドサービス「ServiceNow」の「CSM(カスタマーサービスマネージメント)」を紹介します。CX(カスタマーエクスペリエンス)とはCXはCustomer Experienceの略で「ある商品やサービスの利用における顧客視点での体験」を意味します。提供する企業側ではなく顧客視点からの体験を指し「顧客体験/顧客体験価値」と表すこともあります。現代の消費者は、優れたCXを提供する企業やブランドを選ぶ傾向があります。また、BtoCはもちろん、BtoBにおいてもCXは非常に重要です。CXの意味/用語解説CXの指す「体験」は購入時に限定せず、購入前の過程や使用中、アフターフォローなどの長期的なプロセス全体を対象としています。また、顧客が企業やブランドに対して感じる満足度や印象、感情といった心理的な価値も含めます。その中で、デジタル技術を介するCXは「DCX(デジタルカスタマーエクスペリエンス)」といい、WEB サイト、ソーシャルメディア、オンライン広告などが含まれます。なぜCXが重要なのか現代の消費者は、WEBサイトやSNSから手軽に好みの情報を得られるため、多数の選択肢を比較検討した上で購入を決める傾向があります。商品のみで差別化することが難しい状況では、顧客に対して購入前から魅力的な体験を提供することが重要です。また、ある調査では消費者の32%が「たった1度不快な体験をするだけでブランドから離れる」と回答しており、CXの向上は切実な課題といえます。他の用語との比較顧客満足度(CS)との違い「顧客満足度(CS:Customer Satisfaction)は顧客の商品・サービスに対する満足度を数値化した指標で、評価や分析に役立てられます。CXが「顧客の総合的な体験」を指すのに対し、CSは「商品·サービスへの満足度」を評価する点で異なります。 カスタマーサクセス(CS)との違い「カスタマーサクセス(CS:Customer Success)」は、文字通り「顧客の成功」を支援する取り組みを意味します。具体的にはコンサルティングやトレーニング、技術的なサポートなどを通じて、顧客が自身の目標を達成し、ビジネス上の成果を最大化することを目指します。 ユーザーエクスペリエンス(UX)との違い「ユーザーエクスペリエンス(UX:User Experience)」は、商品やサービスの購入前・使用時・購入後などに起こる個々の体験を意味します。CXはそれらを包括しているといえます。また、CXは既存の利用者だけでなく、利用前の潜在的な顧客も対象ですが、UXは既に商品やサービスを利用しているユーザーの体験に焦点をあてています。CXを高めるメリットCXの向上は、企業に多くの利益をもたらします。ここでは、CXを高めることにより期待できる主なメリットを説明します。顧客ロイヤルティの向上「顧客ロイヤルティ」とは、商品やサービス、ブランドに対する顧客の信頼や愛着、優先的な選択傾向を意味します。優良なCXを提供することで顧客ロイヤルティが高まると、リピート率や購入単価の伸長、ポジティブな口コミの促進などによる売上の拡大を期待できます。また、リピーターやロイヤルカスタマーを育成するという意味で、長期的なビジネスの収益成長に寄与するともいえます。ブランドイメージの向上商品・サービスの購入前後の体験に高い価値を感じた顧客は、ブランドのファンになる可能性があります。ファンになった顧客は同じブランドの商品をリピート購入する傾向があるほか、アップセルやクロスセルの成功率も高まります。そして、ブランドの市場価値が高まると競合他社との差別化を図りやすくなり、価格競争の回避や新規顧客の獲得にもつながります。既存顧客の口コミによる宣伝効果CXの向上により顧客ロイヤルティやブランドイメージが高まると、SNSなどで肯定的な口コミが広がりやすくなります。良い体験により高い満足感を得た顧客は、商品やサービスの評価だけでなく、自らの体験に基づく好意的な印象とともに情報を発信することも少なくありません。高評価の口コミは認知度の向上だけでなく、新規顧客の獲得にもつながります。競合他社との差別化·競争力の強化CXの向上は、競合他社との差別化を可能にします。商品・サービスの品質や機能的な面で差異が少ないとしても、満足度の高いCXが提供されている場合、顧客は競合他社への乗り換えを避ける傾向があります。新規顧客の獲得は既存顧客の維持に比べて難しく、コストを要します。CX向上に取り組むことは企業の競争力の強化に貢献し、長期的な成長にもつながるでしょう。CX向上の3つのポイント/ServiceNowのCSMここでは、CX向上のための3つのポイントをServiceNowのCSM(カスタマーサービスマネジメント)の機能とともに説明します。ServiceNowのCSMは、顧客対応や品質管理などCXを向上させるために有効なツールを幅広く提供しています。顧客分析CX向上には顧客分析が不可欠です。顧客満足度調査やインタビュー、モニタリングなどにより顧客の意見やニーズの把握を徹底しましょう。商品やサービスの改善点を特定するとともに、CX向上のための施策の基盤となります。ServiceNowのCSMは、高度な顧客分析を可能にする機能を提供しています。顧客の情報を一元管理できるほか、分析機能を活用して顧客の好みや行動パターンを把握することで、パーソナライズされた解像度の高いサービスを提供できます。細やかにカスタマイズされたサービスは、顧客との関係を深めることにもつながるでしょう。オムニチャネル化オムニチャネル(Omnichannel)とは、顧客が複数のチャネルを切り替えても一貫した情報やサービスを得られる販売戦略です。オンライン・オフラインを問わず企業と顧客の接点をシームレスにつなぐことで心地よい購入を可能にし、CXの向上に貢献します。オムニチャネル戦略の展開には適切なチャネルの選択・統合などが必要ですが、ServiceNowのCSMの導入によりスムーズに実現できます。CSMは複数のチャネルからの情報を統合し、顧客に一貫性のあるサポートを提供するとともに、企業側も顧客情報を一元管理し、活用できるようになります。オペレーションの改善CX向上のためには、企業内のオペレーション改善も重要です。すばやく正確なサービスを提供するには、使いやすいシステムや合理的な業務プロセス、また従業員のトレーニングも欠かせません。ServiceNowのCSMは顧客の情報や履歴などを一元化できます。過去の問い合わせやフィードバック、行動パターンなどを把握し複数の部門で共有できるため、顧客に対して迅速で適切なサービスを提供できます。ServiceNowのCSMが注目されている理由目まぐるしい変化のなかでCX向上に取り組もうとしても、従来のカスタマーサービスで十分な対応を行うことは、現実的に難しいのではないでしょうか。ServiceNowのCSMはCXを向上させるさまざまな機能が網羅されており、多くの企業において重要な役割を果たしています。単一のプラットフォームに統合される情報は、部門を越えた共有や連携を可能にします。オペレーションの簡素化に役立つ機能や、セルフサービスのオプションも充実しています。これらにより、CXの向上と業務効率化を同時に実現できるのです。まとめ優れたCXの提供は、企業の成長と競争力強化のために不可欠です。良質な体験を通して深い満足感を得た顧客は、他の選択肢よりも信頼や愛着を持った企業を選びます。また、既存顧客が自らの体験をもとに口コミを発信することで、認知度やブランドの価値が高まり、新規顧客の獲得にもつながります。CXを取り巻く環境は常に変化しているため、効率的な運用と改善を継続する工夫が重要です。新しいシステムやサービスの導入も柔軟に検討しましょう。 株式会社DTSはServiceNowのPremierパートナーです。ServiceNow専門のプロフェッショナルメンバーが、コンサルティングから戦略立案、導入支援、開発、運用・保守までワンストップでトータルサポート。CSMの導入も確実に支援します。

ITトレンド
ITIL(アイティル): ServiceNow/ITSMを理解するための重要ワード

ITIL(アイティル): ServiceNow/ITSMを理解するための重要ワード

ITSM(ITサービスマネジメント)の土台であるITILは、ServiceNowのITSMを理解するために重要なキーワードです。ここではITILとは何か、つまりITサービスマネジメントに必要な検討項目やそのプロセスについて解説します。ITILとその目的-ServiceNow / ITSMとの関係とはITIL(アイティル)とは、Information Technology Infrastracture Libraryの略で、ITサービスマネジメントの数々の成功事例をもとに概念化された、ITサービスマネジメントのプロセスや手法などを含むフレームワークのことです。ITILは、ServiceNowの製品群全体に関わるものでもあり、ServiceNow製品群のひとつである「ITSM」にも深く関係しています。では、ITILとは何かについてご説明していきましょう。ITILが登場した背景と最新版1989年、英国商務省によってITILの初版(V1)が発行されました。それは当時のITサービスプロバイダに向けて示された、ITサービス提供改善のためのスタンダードでした。その後、ITサービスの利用が拡大する中で重要性を増してきたITILは、V2、V3と改訂が重ねられ、2019年2月には最新版のV4が公開されました。現在は、1991年に英国で設立されたitSMF(IT Service Management Forum)という団体がITILの普及と活用促進を担っており、日本でも日本語によるITILの認定試験が行われています。サービスライフサイクルに沿った5つのフェーズITILでは、ITサービスマネジメントを、サービスストラテジ、サービスデザイン、サービストランジション、サービスオペレーション、継続的なサービス改善という5つのフェーズに分けて管理します。それぞれを詳しく見てみましょう。サービスストラテジサービスストラテジ(サービス戦略)のフェーズでは、企業の経営戦略に基づき、どのようにITサービスストラテジを立案するかが示されています。その際に重要なのは、サービスプロバイダが、顧客にとって効果的かつ効率的なサービスマネジメントをどのように構築するかです。具体的には、戦略立案時に不可欠な視点とそのプロセスといえます。具体的には、以下の5つです。 IT戦略サービス管理 サービスポートフォリオ管理 ITサービス財務管理 需要管理 事業関係管理IT戦略サービス管理では、市場調査の結果から競合他社に対する自社の強みを整理し、優れたサービスにするために必要な項目を検討します。 サービスポートフォリオ管理は、設計しようとするITサービスが事業目標の達成に貢献するかを確認するプロセスです。投資と予測される成果のバランスを調整します。 そして、ITサービス設計と運用の予実管理が、ITサービス財務管理。需要管理は、顧客の需要や自社サービス供給のキャパシティを予測し変化に備えるプロセスで、事業関係管理では、顧客が支払う対価に見合う価値を提供できるようにします。サービスデザインサービスデザイン(サービス設計)では、サービスストラテジに基づき、サービスを設計する際に不可欠となる、次の項目やプロセスが示されています。ITサービスの品質や顧客満足度、費用対効果などを考慮しながら、戦略を実現するサービスを組み立てていくことが重要です。 デザインコーディネーション サービスカタログ管理 サービスレベル管理 可用性管理 キャパシティ管理 ITサービス継続性管理 情報セキュリティ管理 サプライヤー管理これらを考えるには、ITサービスの品質や顧客満足度、費用対効果などを考慮しながら、戦略を実現するサービスを組み立てていくことが重要です。変化する顧客ニーズに対応しうるシステムとしての柔軟性や継続性、セキュリティ対策に加えて、システムに欠かせない機器や技術を提供するサプライヤー管理なども必須になります。また、完成時に加味する将来性も検討しておかなければなりません。このフェーズでは、顧客にとってのITサービスの導入しやすさも重要な課題です。サービストランジションサービストランジション(サービス移行)は、設計したITサービスを運用開始に導くための計画を立てたり、準備を整えたりするフェーズです。サービスストラテジに沿ってデザインされたITサービスを現実のものとするためのプロセスには、次のような項目があります。 移行の計画立案およびサポート 変更管理 サービス資産および構成管理 リソースおよび展開管理 サービスの妥当性確認およびテスト 変更評価 ナレッジ管理ここでポイントになるのは、設計されたITサービスをいかにスムーズに構築するかです。具体的には、実現に必要なリソースの手配や配分、調整、運用開始までのスケジューリング、機能のパフォーマンステスト、測定、変更の反映などがあります。 提供しようとするITサービスが目的から外れていないか、顧客からの要求を満たしているかなどを検証し、変更を加えることも必要です。サービスオペレーションサービスオペレーション(サービス運用)とは、顧客との合意(契約)に基づいたレベルでITサービスを提供し続けることを意味します。次のような機能が実施され、適切に管理されているかがポイントです。 イベント管理 インシデント管理 要求実現 問題管理 アクセス管理顧客が実際にITサービスを利用し始めたら、サービスの品質についての定期的な調査や確認が欠かせません。何か問題があれば迅速に解決するなど、品質に対する満足度や信頼感を継続させることが重要だといえます。 サービス中断時や何らかの理由でサービス品質が低下した場合、どのように対処するか、顧客とサービスプロバイダ間で事前に役割分担を取り決めておくケースも増えています。継続的サービス改善ここまでに取り上げた4つのフェーズでPDCAを回し、顧客満足度を高めていくことが継続的サービス改善の目的です。このフェーズでは、ITサービスマネジメントのサイクル全体を通じて、ITサービスの改善を継続的に行うためのプロセスが取り上げられます。改善の7つのステップは、次の通りです。 測定対象の識別 測定の対象の定義 データの収集 データの処理 データの分析 情報の提示と利用 改善の実施日々刻々と変わるビジネスニーズの中では、ITサービスに対する顧客の要求も変化します。そえゆえ、改善活等は場当たり的なものであってはなりません。このようなITILの基準に従って設計されているのが、ServiceNowのITSMです。ServiceNowでは、ITSMをはじめとしたNow Platform上に構成される製品群を、必要なときに契約することで必要な機能を利用できるようにします。ITILを支える4つのP ここで取り上げたITILのすべてのプロセスにおいて、顧客に価値あるITサービスを提供するために4つのPを考え合わせることが不可欠です。 People(ピープル):人材や組織 Process(プロセス): 業務の過程や手順 Partner(パートナー): ベンダーやサプライヤー Product(プロダクト):製品や技術設計したITサービスがいくら高度な技術やサービスを備えたものであっても、高度過ぎて使われないようでは意味がありません。顧客の課題解決に役立つものとなるようにしましょう。ITSMの理解を深めるために不可欠なITILServiceNowのITSMは、10年を超えるITサービスのベストプラクティスが凝縮されています。効率的かつ効果的なITサービスの提供と継続的な改善を実現するため、クラウドベースの統一されたデータベースを採用し、サイロ化したレガシーシステムの統合や将来的な機能拡張に備えることが可能です。ITSMは、ITILの標準を満たすITサービスマネジメントを実現しています。ご不明な点などは、ServiceNowのPramierパートナーである株式会社DTSにお問い合わせください。

IT運用支援ツール
ナレッジ共有で生産性を高める! 方法や役立つツールを紹介

ナレッジ共有で生産性を高める! 方法や役立つツールを紹介

社員のスキルアップや業務効率化などを目的に、ナレッジ共有が注目されています。属人化しているナレッジを組織内で共有・活用し、組織全体のスキルや生産性を向上させます。本記事では、ナレッジ共有の方法やメリットなどの基礎的なことと、ナレッジ共有を促進するツールを紹介します。ナレッジ共有とは?ナレッジ共有とは、一人ひとりが持つナレッジを組織全体で共有することです。ナレッジ(knowledge)は、日本語で「知識」や「情報」と訳されます。ビジネスシーンでは「価値のある知識」や「有益な情報」といった意味合いで使われ、自社にとって利益をもたらす知識・情報がナレッジとなります。 なお、似た言葉に「ノウハウ」がありますが、ノウハウは自身の経験を通じて習得した知識といった意味合いで使われます。一方のナレッジは、経験しなくても本やインターネットから得た知識も含まれます。 そして、ナレッジは以下の3つに分類できます。 暗黙知:個人の経験やセンスなどに基づいた、言語化していない知識 形式知:マニュアルや図解などで言語化・可視化した知識 集合知:多くの人の知識が集まった知識 つまりナレッジ共有とは、属人化している暗黙知を、ほかの人でも再現できるように形式知に変換し、組織内の形式知を集めて集合知とすることと表現できます。また、共有されたナレッジを活用して成果を高めることを、ナレッジマネジメントといいます。共有するナレッジの種類社内には多様なナレッジが存在していますが、特に以下のナレッジは組織にとって有益なので共有すべきでしょう。 専門知識特定の分野や業務に関する専門的な知識を共有することで、社内の知識レベルが向上し、取引企業への対応などで活かされます。 業務プロセス効率的な業務プロセスの共有により、社内の生産性が向上します。また、特定の担当社員しかできなかった業務プロセスを共有すると、誰でも再現可能になり担当社員の負担が軽減するでしょう。 成功事例受注につながった提案内容や、評判が良かったプレゼン資料などを共有することで、ほかの社員でも成功率を向上できます。 顧客情報顧客の氏名や連絡先などの個人情報だけではなく、関心ごとや購入履歴なども共有すると、どの社員でも対応できるようになります。また、最適なタイミングでアプローチやフォローができます。ナレッジ共有の方法ナレッジ共有の方法は、主に以下の2通りが挙げられます。双方の特徴を理解し、自社が運用しやすい方法を採用しましょう。 WordやExcelなどに蓄積する1つめが、WordやGoogleドキュメントなどの文書作成ソフトや、ExcelやGoogleスプレッドシートなどの表計算ソフトなどにナレッジを蓄積する方法です。表形式にしたり画像を挿入したりするなど、自社で見やすい形式にカスタマイズして利用できます。ただし、情報量が多くなるとファイル自体が重くなったり、知りたい情報を検索するのに時間がかかる点に注意が必要です。 ナレッジ共有ツールを導入する2つめが、ナレッジ共有を促進するツールを導入する方法です。クラウド上で情報を管理するため、インターネット環境があれば、いつでも・どこでも、デバイスを問わずに情報にアクセスできます。リアルタイムで更新でき、最新のナレッジをすぐに共有できるでしょう。社内でナレッジを共有するメリット・効果 社内のナレッジ共有を促進することで、次のメリットや効果が期待できます。一人ひとりがスキルアップするナレッジを共有すると、どの社員でも専門知識を身に付けたり特殊な業務を行えたりできるようになります。今まで成果が伸び悩んでいた社員でも、優秀な社員のナレッジを身に付けることができれば、現状を打破して成果を出せるようになるでしょう。一人ひとりの社員がスキルアップできれば、組織全体のスキルも底上げされ、収益への好影響も期待できます。業務が効率化し生産性が向上する成果につながる業務プロセスを共有できれば、効率的に誰でも一定のクオリティの成果をあげられるようになります。また、ほかの社員の成功事例を参考にできるため、成果につながる方法で業務を進められるようになります。ベテラン社員のナレッジを共有すると、新人でもベテラン社員と同じナレッジを習得できるため、人材教育も効率化します。それは社内の生産性向上につながるでしょう。社内の財産になるナレッジ共有ができていないと、社員の退職に伴ってその人の持っているナレッジが消失してしまいます。成功事例や顧客情報などの貴重な情報がなくなり、再び一から経験を積んだり情報を収集したりしなければなりません。また、専門的な業務を担当している社員が退職すると、ほかの社員ではその業務ができず、社内の業務フローが滞る可能性もあります。 それに対してナレッジ共有をしておけば、属人化していたナレッジを社内全体で共有できます。社員の退職や異動などがあってもナレッジが消失せず、社内の財産として永続的に活用し続けられるでしょう。また、顧客情報や業務プロセスなどを共有していれば、引き継ぎもスムーズです。ナレッジ共有を促進するツール5選 ナレッジ共有は、ツールを活用すると便利です。ナレッジ共有ツールを活用すると、暗黙知をマニュアルや手順書などで形式知に変換できるだけではなく、形式知をまとめて蓄積して集合知にできます。 ここからはナレッジ共有に活用できるツールを5種類紹介します。社内FAQツール社内でよくある質問内容を、回答内容とセットにして蓄積できる社内FAQツール。たとえば「業務Aのやり方は?」という質問に対する「○をして△をして□をする」という回答をまとめて蓄積できます。ツールによってはファイル添付できるものもあるので、マニュアルや手順書などのほか、特定業務のフォーマットや受注できたときに使った営業資料なども保存可能です。社内wikiツール社内wikiツールは、属人化しているナレッジや社内に点在している情報を1か所にまとめて管理するためのツールで、Wikipediaの社内版といえます。階層ごとに分類して情報を整理できるため、部署や業務内容などでカテゴリー分けできます。ナレッジのほかにも、会議の議事録や社内資料なども蓄積すると、社内の情報共有を促進します。グループウェアグループウェアとは、チャットやビデオ通話、ファイル共有やスケジュール管理など、社内のコミュニケーションを促す機能が充実したツールです。Google WorkspaceやMicrosoft365などが代表的です。ナレッジの蓄積だけではなく、「私はこのナレッジを使ってアポイントが取れました」などとコミュニケーションもできます。マニュアル作成ツールマニュアル作成ツールを活用すると、テキストや画像、動画などで簡単にマニュアルを作成できます。ツールによっては、各社員のマニュアル活用状況をデータ化したり、テスト問題を作成して各社員の習熟度を把握したりできるものもあります。チャットボットお客様対応の自動化でよく使われているチャットボットですが、専門知識や業務内容などの情報を蓄積しておくと、社内のナレッジ共有を促進する目的でも活用できます。たとえば社員が「○○について知りたい」とメッセージを送信すると、チャットボットが自動で回答を返します。ナレッジ共有を促進する方法を検討しましょう効率的な業務プロセスや、成功につながりやすいコツなど、貴重なナレッジが個々の社員に属人化しているのはもったいないことです。属人化されたナレッジを共有することで、一人ひとりの成果が向上し、組織全体の成果も底上げされます。ナレッジ共有を促進するには、ツールの活用がおすすめです。いつでも・どこでも情報にアクセスでき、リアルタイムで最新のナレッジを手に入れられます。ぜひ本記事で紹介した内容を参考に、自社のナレッジ共有を促進する方法を検討してください。

業務改革DX
ServiceNowを例に解説! 業務効率化ツールが求められる理由

ServiceNowを例に解説! 業務効率化ツールが求められる理由

現代のビジネス環境で企業が成長を続けるには業務効率化が不可欠です。しかし、さまざまな理由から業務効率化に取り組めず、さらに煩雑化が進み生産性が低下することも少なくありません。このような悪循環から脱却するには業務効率化ツールの導入が有効です。今回はその基本的な説明と、おすすめのツールを紹介します。「業務効率化ツール」とは?業務効率化とは、業務プロセスを改善し、時間や労力を最小限に抑え生産性を向上させることを指します。業務効率化ツールは、IT技術を駆使してその達成を支援するソフトウェアです。業務効率化ツールが必要とされるワケ業務効率化ツールが必要とされる背景として、次のような課題が存在しています。1つ目は、日本の人口減少に伴い企業の労働力不足が深刻化していることです。業務の遅延や品質低下などの問題を回避するために、少人数でも十分な労働力を保つことが重要です。2つ目は、業務の多様化・複雑化です。市場環境や顧客のニーズが急激に変化するなかで、従来の方法では対応しきれない部分が生じています。3つ目は、データの活用です。企業が迅速で優れた意思決定を行うためには、膨大なデータを正確に扱う必要があります。同時に、データセキュリティの確保も不可欠です。ツールを導入する3つのメリット業務効率化ツールを導入するメリットには、次のようなものがあります。 業務効率の向上業務効率化ツールの導入で、業務の自動化やデジタル化、プロセスの改善などによる業務効率の向上が可能になります。たとえば、タスクの自動化は業務時間の短縮やミスの予防に効果的です。また、情報共有により従業員が必要な情報にアクセスしやすくなると、業務の品質やスピードが向上します。 コストの削減従業員が行う煩雑な作業を自動化したり、複数のシステムで行う作業を一元化したりすることで人件費や時間を削減でき、生産性の向上につながります。ミスが減少するため、修正にかかるコストも抑えられます。 労働環境の改善大量の手作業やルーティン業務を自動化し、従業員の負担を軽減できます。テレワークの作業環境を整備することで従業員のワークライフバランスを大切にできるほか、ツールのコミュニケーション機能により、ストレスの低減やモチベーションの向上なども期待できます。業務効率化ツールとしての「ServiceNow」 「ServiceNow(サービスナウ)」は、企業や組織のDXを促進するために有効な幅広いサービスを提供しており、国内外の多くの企業で導入されています。ここでは、ServiceNowが業務効率化ツールとしてどのように優れているかをご紹介します。「ServiceNow」とは?ServiceNowは、ITサービスマネジメントに特化したクラウドベースのプラットフォームです。 多様な業務プロセスの自動化や情報共有、データの一元管理など、多くのメリットがあります。ServiceNowで可能な業務効率化の例は、以下の通りです。 ワークフローの自動化ワークフローを自動化し、従業員の時間のむだを削減します。たとえば、請求書の承認プロセスや従業員の勤怠管理などの業務を自動化できます。 インシデント管理IT部門の内外で起こるインシデントの記録、調査、復旧プロセスなどが効率的に行えるようになります。 リクエスト管理従業員が何かをリクエストする際、その進捗状況を簡単に確認できます。たとえば、資産管理、購買依頼、人事申請、設備予約などを管理できます。連携可能な業務効率化ツールの例 【Web会議ツール】Zoom Microsoft TeamsZoom(ズーム)はビデオ会議ツールです。ServiceNowとZoomを連携させることで、Zoomのオンラインミーティングに関する情報をServiceNowに自動的に統合できます。たとえば、ServiceNow上でZoomのミーティングを設定し、ZoomのAPIを介して情報を収集してServiceNow上で管理することができます。また、オンラインミーティングの記録や議事録をServiceNow上で管理し、透明性を高めることもできます。 Microsoft Teams(マイクロソフト チームス)は、マイクロソフトが提供するチームコラボレーションツールです。ビジネスチャット、音声・ビデオ通話などの機能に加え、ファイル共有やスケジュール管理などの業務効率化ツールとしても利用できます。連携により、ServiceNowでの作業や通知をMicrosoft Teams上で受け取れ、より円滑なコミュニケーションや業務効率化が可能になります。  【電子契約】DocuSignDocuSign(ドキュサイン)は、安全で信頼性の高い電子署名プラットフォームです。ServiceNowとDocuSignを組み合わせることで、契約管理の自動化、承認プロセスの自動化、データの一元管理などが可能となります。さまざまな業務を効率化できるだけでなく、コスト削減やセキュリティの向上にもつながります。  【顧客管理·営業支援】Salesforce顧客管理(CRM)システムであるSalesforce(セールスフォース)とServiceNowを連携することで、Salesforceに保存されている顧客情報をServiceNowに自動的に転送することができます。営業、カスタマーサポート、マーケティングなどの業務プロセスを円滑に一元管理できます。また、チケット管理の自動化、業務フローの自動化、双方のレポーティングの統合などさまざまな効率化が可能です。業務効率化ツールの失敗しない選び方 業務効率化ツールを選ぶ際には現状の課題を正確に把握し、目的を明確にしましょう。業務担当者の意見をヒアリングし、必要とする機能が備わっているか、操作がしやすいかを確認しておくことも大切です。また、業務効率化ツールには重要な情報が含まれることも多いので、セキュリティの確認も欠かせません。利用が長期にわたる可能性も考慮し、ベンダーの信頼性や安定性、非常時のサポート体制なども調べておくことをおすすめします。そして導入前には必ず試用期間を設けましょう。コストパフォーマンスのチェックもお忘れなく!いざ導入! 何から始める?業務効率化ツールを導入する際には、以下のステップで進めることをおすすめします。  現状の把握と課題の抽出 最適なツールの選定 試用期間の設定と立てた指標に対する評価 従業員へのトレーニングやベンダーによる導入支援の実施 持続的な改善 導入後にも改善に向けた取り組みを続けることが重要です。ツールの効果を定期的に評価し、課題の発見・改善を循環させることで、持続的な業務効率化を実現できるはずです。着実なステップで、業務効率化ツールの導入を成功させましょう。 まとめServiceNowは多様な業務プロセスに対応しています。さらに幅広い業務効率化ツールと連携可能でカスタマイズ性も高く、さまざまな課題にマッチします。クラウド型なので導入や運用が容易で、かつ、システムの保守やセキュリティもServiceNowが行うため、導入する企業側の負担が少ないという点も大きなメリットです。業務効率化ツールの導入をお考えの方は、ServiceNowを検討してみてはいかがでしょうか。

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