Column

コラム

業務改善のアイデア5選! よくある失敗と成功までのステップを解説

業務改善のアイデア5選! よくある失敗と成功までのステップを解説

企業が業務改善を行うことは、現代のビジネス環境において非常に重要です。グローバル競争の激化、ビジネスの多様化・複雑化、コストの高騰などさまざまな背景から、より効率的な業務プロセスを構築することが強く求められています。そこで今回は、企業が業務改善を行うためのアイデアを紹介します。業務改善とは?業務改善とは、ある業務やプロセスに対してより効率的で効果的な方法を見つけ、実現するための取り組みのことです。一時的なものではなく、計画(Plan)、実行(Do)、確認(Check)、改善(Action)によるPDCAサイクルを継続的に回し、見直しと改善を重ねていくことが重要です。業務改善を行わず放置するリスク日本の少子高齢化と人口減少は、今後も続いていくと考えられます。深刻化する労働力不足に日本企業が対応していくためには、少ない人数で効率的に業務を行い、生産性を高めることが重要です。「今までやってこられた」「慣れている」などの理由で、実際には不要な作業を続けているケースは少なくありません。手間や時間ばかりがかかる効率の悪い業務を放置することは、本来削減できるコストを費やし続けるだけではなく、従業員のモチベーションや定着率の低下にもつながります。 また、近年のIT技術の進化は目覚ましく、企業の規模にかかわらずITツールを導入する企業が増加しています。自動化や最適化により生じた時間や人材を重要な事業に再配置できるため、業務は効率化し、企業の成長へとつながります。一方で、改善できる部分を放置してしまうと企業の成長は鈍化し、競合他社と比較した場合の競争力も低下することになります。業務改善のアイデア5選 では、業務改善に取り組む場合、具体的にはどのような選択肢があるのでしょうか。ここではその基本となる5つのアイデアをピックアップします。業務プロセスの可視化業務プロセスの可視化は、業務改善の基盤となる重要な取り組みです。業務の全体像や業務と業務のつながり、その担当者や責任の所在を明らかにして把握・共有することで、無駄な工程やボトルネック、自動化あるいは分担可能な作業などを洗い出し、改善策を導き出すことができます。方法として、プロセスマップ、プロセスフロー図、フローチャートやガントチャートの作成などが挙げられます。優先順位の明確化可視化によって見つかる課題は1つではないでしょう。しかし手当たり次第に解決を急いでも、余計なコストがかかる、正確な効果検証ができないなどの問題が生じてしまいます。限られたリソースや時間を効率良く活用し効果を最大化するためにも、改善策に優先順位をつける必要があります。業務の重要性や影響度、改善の難易度、必要なコストや期間等をふまえ、優先順位を明確化しましょう。業務のマニュアル化業務プロセスを分解して把握し、作業手順や作業に必要な情報を明確に記載したマニュアルを作成します。これにより業務の属人化を防ぎ、作業者間での差をなくし業務を標準化することができます。また、作業者がマニュアルに沿って進めることで余分な作業や時間を削減して効率化を図れるとともに、手順や情報の漏れがなくなり品質が向上します。マニュアルは定期的に整備・更新しましょう。ITツールの導入業務改善に役立つITツールには、ワークフローシステム、プロジェクトおよびタスク管理ツール、データ分析ツール、RPA(ロボティクス・プロセス・オートメーション)、CRM(カスタマー・リレーション・マネージメント)、グループウェアなどがあります。たとえば、業務を自動化することで作業時間やエラーの削減、作業負荷の軽減などが期待できます。ITツールによるデータ分析はより効率的な業務改善を可能にし、情報共有と連携はコスト削減や業務の効率化につながります。アウトソーシングアウトソーシングとは、企業が自社の業務の一部または全部を外部の専門業者に委託することを指します。専門業者の知識や技能を活用し、業務効率化、コスト削減、業務の品質と生産性の向上などが期待できます。また、空いたリソースをより重要なコア業務に集中させ、利益の最大化を目指すことができます。委託先によってはリスクも生じるため、導入前の検討と準備の徹底が不可欠です。業務改善のよくある失敗目標設定が不明確:明確な目標を設定できなければ、達成に必要な手順や行動も不明瞭になります。 コストがかかり過ぎる:取り組む期間や予算を設定し、優先順位に沿ってリソースをコントロールしましょう。 現場の負担が増える:大量の報告や業務内容の大幅な変更・追加などは、現場の負荷が増えてしまいます。 進捗や精度、温度感がバラバラ:トップダウンで現場の実態と乖離があった場合、ムラや反発が生じる可能性があります。 ツールが合っていなかった:導入計画が不十分だった、使いにくかったなどの理由から、改善に失敗することがあります。 実施や結果を急ぐ:実施を急ぎ過ぎると情報収集が不十分で問題を特定できず、改善案や目標を正確に立てられません。また、改善に必要なスパンは業務や目的などによって異なります。業務改善を成功へ導くステップ 現状問題のある部分にこそ業務改善が必要なため、十分な準備もなく形式的に改善プロジェクトを実施しても成功しません。まずは丁寧な情報収集から問題を洗い出し、達成すべき目標を明確に設定することが重要です。業務プロセスを可視化・課題を抽出まずは業務全体を可視化し、把握します。改善の基盤となる要所ですので、現場へのヒアリングなども含め丁寧に取り組むことをおすすめします。「いつ/誰(どの部署)が/何の業務を担当しているか」を分解し、業務の流れや関係性も含めて図表に落とし込み、視覚化しましょう。そこから不要な作業や自動化・効率化の可能な業務、負荷の集中している箇所がないかなど、問題を特定します。改善対象の優先順位を決める効率良く改善施策を進めるには、改善対象に優先順位をつけることが重要です。視覚化して洗い出した問題点を「コスト」「品質」などのカテゴリー別に分類し、整理します。次に、問題点の影響度や重要性を評価したら、それぞれの改善施策にかかる予算や工数・時間から、難易度の評価も行います。影響度が高く、難易度の低い問題が最優先に取り組むべき課題となります。自社に合った施策を選ぶ一見、正しい施策でも、自社の実情と合わなければ空回りしてしまいます。たとえば、社内の一部のみで施策を決める、目先の利益にとらわれ短期で効果を見込める施策や安価なツールを選ぶ、データに基づかない主観的な判断をしてしまうことなどが挙げられます。また、ツールを導入する場合は従業員が使いこなせるか、業者のサポートがあるかなどを確認するため、試用期間を設けましょう。目標とKPI を設定するKPI(重要業績評価指標)は目標を達成するために計測するべき指標です。目標とKPIを明確に設定し、定期的に計測することにより、業務改善の進捗状況や施策の成果を具体的・定量的に把握できます。必要に応じて施策や方向性を修正できるほか、業務改善の成果を社内外に明示することも可能です。これにより改善施策の信頼性を高めるとともに、業務改善に取り組むモチベーションの向上にもつながります。 PDCAを繰り返す業務改善において効果的にPDCAサイクルを回すには、KPIを設定し定量的に施策の進捗や効果を把握することが重要です。たとえば労働時間の短縮率や作業量の増加率などを具体的に設定しましょう。実行後には測定と評価を行い、効果や達成度を把握します。問題が生じた場合は原因を分析し、改善策を検討、実行します。施策のプロセスも改良され、持続的な業務改善を促せるでしょう。明確な目標を立て、業務改善を実行しましょう業務改善は企業にとって重要な課題です。ただし改善施策が目的化しては意味がありません。業務を改善し何を実現したいかという明確な目標設定、そのための問題点の把握を丁寧に行うことが、成功への鍵となるでしょう。

業務改革DX
ナレッジベースとは? 活用メリットと促進する機能を紹介

ナレッジベースとは? 活用メリットと促進する機能を紹介

社員がもっているナレッジを社内全体で管理・共有する仕組みとして「ナレッジベース」が注目されています。本記事では、ナレッジベースの必要性や活用メリットを解説し、ナレッジベースの構築に活用できる機能を紹介します。ナレッジベースとはナレッジベースとは、社内のナレッジを1か所に集約したデータベースのことです。ナレッジ(Knowledge)とは英語で「知識」や「情報」を意味し、ビジネスでは「価値のある知識や情報」といった意味合いで使われる言葉です。たとえば以下のような知識・情報などが該当します。 特定分野や業務に関する専門的な知識 業務プロセス 成功事例 お客様に関する情報 こうしたナレッジをひとまとめにして整理し、検索しやすい形にしたものがナレッジベースです。ナレッジベースがあると、優秀な社員の業務プロセスや、ベテラン社員の営業トークなどのナレッジを社内全体で共有できます。周りのナレッジを自分の業務に活用できるようになるため、社内全体のスキルを底上げして生産性の向上につなげられます。ナレッジベースの必要性かつてナレッジは各社員の頭の中に存在しており、テキストやデータなどでは可視化されていませんでした。そのため、先輩社員やベテラン社員などのナレッジを習得したい場合は「見て盗む」というイメージがありました。 しかし、IT技術が進歩した現代では、ナレッジをマニュアルや図解に変換したり、一元管理して検索したりできるツールが登場し、社内に蓄積したナレッジを共有できる環境が整っています。 その一方で、終身雇用制度が当たり前ではなくなった今ではビジネスパーソンの価値観が変化し、キャリアアップやキャリアチェンジのために積極的に転職をする人が少なくありません。社員が転職すると、その社員が保有していたナレッジも社内から消失してしまいます。 また、働き方改革によって時短勤務やテレワークなどを活用する社員も増えているなかで、あまり顔を合わせる機会のない社員とはなかなか情報共有ができず、社内での情報格差が引き起こされます。ナレッジをうまく伝えられないと、社員によって成果に差が生じかねません。こうした背景からも、社内のナレッジを集約し、誰でも参照できるようにする仕組みとして、ナレッジベースの必要性が高まっているのです。ナレッジベースを構築するメリット ナレッジベースを構築することで、企業には以下のメリットが期待できます。ナレッジマネジメントに役立つ企業の成長を加速させるために「ナレッジマネジメント」が注目されています。ナレッジマネジメントとは、ナレッジを社内で共有するだけではなく、ナレッジを活用して生産性を高めたり新規事業を立ち上げたりして、企業の成長へとつなげていく手法です。 ナレッジマネジメントを実行するためには、社内で一元管理されたナレッジを活用できなくてはなりません。その方法としてナレッジベースが大いに役立ちます。属人化したナレッジを企業の財産にできるもともとナレッジは個々の社員が持ち合わせているものなので、その社員が退職するとナレッジも消失してしまいます。その社員が実務経験を通じて得た専門知識や業務のコツなどが丸ごとなくなってしまうため、企業にとっては大きな痛手となるでしょう。 また、ナレッジは実務経験や学習などを通じて得るものなので、一人ひとり異なります。豊富なナレッジを持っている社員もいれば、あまり習得できていない社員もいるため、成果にも差が生じるでしょう。 しかし、ナレッジベースに社内のナレッジを集約できていれば、ナレッジが属人化せずに企業全体に浸透できます。退職によってナレッジが消失することもなく、各社員でナレッジ量の差も生じません。ナレッジベースがあれば、永続的に企業の無形財産としてナレッジを活用し続けられるのです。多様な働き方に対応できる現代は、時短勤務やテレワーク、フレックス制や副業など、働き方が多様化しています。社員は自分に合わせた働き方ができるというメリットがある一方で、直接顔を合わせることが少ないため情報共有の機会が減っていることが問題視されています。 従来は直接話したり、ほかの社員の仕事ぶりを見たりして、ナレッジを共有できていました。しかしオフィスに集まる機会が減った今、ナレッジ共有の方法を見直す必要があるのでしょう。 そこでナレッジベースを活用することで、いつでも・誰でも、必要な情報にアクセスして自分で不明点を解決したりコツを学んだりできます。個々の成長を促進して人材育成にもつながるでしょう。人手不足でも生産性を高められる少子高齢化の影響で、慢性的な人手不足に悩まされている企業も少なくありません。人手不足だと、必然的に一人ひとりの担当業務が増えます。また、新入社員が入社しても、充分な教育時間の確保が難しくなるでしょう。 しかし、ナレッジベースにさまざまな業務のポイントや専門知識が蓄積されていれば、社員はナレッジベースを活用して新しい業務を覚えることができます。新入社員もナレッジベースから得た情報を実践に活かせるため、教育時間をかけられなくても、独り立ちを促す効果も期待できます。顧客対応品質が向上するナレッジベースに「こういう問い合わせがきたら、この回答をする」や「このクレームがきたら、こう対応する」といった情報を蓄積しておくと、お客様からの問い合わせやクレームに適切に対応できます。また、それぞれのお客様の関心事や購入履歴なども蓄積できれば、お客様に合わせた最適なアプローチもできるでしょう。 そのため、営業職やコールセンター、カスタマーサポートなど、顧客対応をする部署にとってナレッジベースは大きな効果が見込めます。ナレッジベース構築に活用できる機能 「ナレッジベースをどう作ったら良いのだろう」と思っている方も多いのではないでしょうか。そこで、ここからはナレッジベース構築に活用できる機能を6つ紹介します。データベース1つめはデータベースです。決まったルールにしたがってデータを蓄積できるため、データが見やすい状態に整理され、必要に応じて検索できます。データベースによって、階層に分けて整理できたり、表形式でまとめたりできるものもあります。データベースに部署や業務ごとに分けてナレッジを蓄積すると、情報が整理されて取り出しやすくなります。社内FAQ社内FAQは、質問と回答をセットにして蓄積できます。たとえば「○○のやり方を知りたい」という質問に「AをしてBをしてCをする」という回答を紐づけられます。業務プロセスや顧客対応方法、業務のコツなどのナレッジを蓄積しておけば、カテゴリーや検索窓から自分が求めているナレッジを検索して参照できます。社内wiki「Wikipedia」のように、情報ごとのページを作成できる社内wiki。ファイルを添付できるため、マニュアルや書類、テンプレートなども蓄積できます。ほかにも、会議の議事録や日報など、ストックしておきたい情報を管理するのにも役立ちます。グループウェアグループウェアは、チャットやビデオ通話、スケジュール管理やファイル共有などの機能を搭載しています。チャットを使って社内全体にナレッジを展開したり、マニュアルや手順書などのファイルを共有したりして活用できます。 オンラインストレージオンラインストレージとは、インターネット上でファイルを保存・共有できるツールです。マニュアルやテンプレート、顧客データや営業資料など、社内のあらゆるファイルを共有できるため、ナレッジ共有を加速します。ExcelやWordExcelやWordなどもナレッジベースとして活用できます。表形式で情報を整理したり、画像を挿入してわかりやすくしたりできるため、自社に合わせた運用が可能です。ただし、もともとナレッジ共有のためのツールではないため、データが多すぎるとファイルが重くなる点や、情報を検索しにくい点は懸念点といえます。ナレッジベースの構築を検討しましょう自分にとっては当たり前だった業務方法や専門知識でも、ほかの社員にとっては非常に価値のあるナレッジだったということも珍しくありません。社内のナレッジを集約・共有できる「ナレッジベース」は、企業の成長には欠かせないものです。ナレッジベースとして活用できるツールは多岐にわたるので、自社の業務プロセスや管理体制などに合わせて最適なツールを選びましょう。

業務改革DX
TOP