こんにちは、クラウド活用推進担当の新倉です。
皆さん、生成AIを使っていますか?生成AI技術の急速な発展により、従来人間が行っていた複雑な分析業務や文章作成の自動化が現実的になってきました。
特に大量のデータを分析して洞察を得る業務や、専門知識を要する提案書作成などの領域では生成AIの活用による劇的な効率化が期待されています。
本記事では、以前紹介したGenUのユースケースビルダーを活用して、生成AIを用いて業務効率化を行う例とそのメリットについてご紹介いたします。
専門知識不要:GenUユースケースビルダーにより、AWS専門知識がなくても高品質なコスト分析レポートを作成
業務の標準化:属人的だった分析業務を標準化し、誰でも一貫した品質の成果物を生成
大幅な効率向上:手作業で数日かかっていたレポート作成を数時間に短縮
見落とし防止:AIによる網羅的な分析で、人間では気づきにくいコスト削減機会を発見
GenUのカスタムユースケースは、特定の業務プロセスに特化したAI活用機能です。
事前に定義されたプロンプトとワークフローにより、複雑な分析タスクを標準化し、誰でも一貫性のある高品質な成果物を生成できます。
詳しい説明はこちらの記事をご覧ください。
本システムは、AWSアカウントのコストデータとリソースデータを入力として、AIによるコスト削減提案をレポートとして自動生成します。
・過去2ヶ月のコスト推移の自動分析
・サービス別・リソース別コスト内訳の詳細分析
・未使用リソースや過剰スペックリソースの自動特定
・コスト増減要因の自動識別
・リソースサイジング最適化の具体的提案
・リザーブドインスタンス活用による削減提案
・ストレージ最適化の推奨事項
・ネットワーク費用削減のアドバイス
・削減可能金額の定量的試算
・単一アカウントの詳細分析レポート
・複数アカウントの総合サマリーレポート
・実装優先度に基づく提案の整理
・PDF形式でのレポート出力
レポートは以下のフローで生成されます。
AWS Cost ExplorerとAWS Resource Explorerからデータをダウンロードし、バッチファイルで整形した後にGenUにインポートすることでレポートの生成が可能になります。
統合版の作成では、複数アカウントの詳細レポートを生成後、そのレポートを入力に利用することでレポートを作成できます。
複数のAWS環境を統合した全体コスト、前月比増減率、年間削減ポテンシャルを明確に提示し、要点を簡潔にまとめます。
例えばOpenSearch Service(100 USD、30%)、EC2(150USD、 40%)など、各AWSサービスの利用状況を具体的な金額と割合で分析し、サービスごとの先月からの利用増減も特定します。
「OpenSerch Service最適化で60USD削減」など、実装可能な改善策を具体的な削減金額とともに提示します。
「未使用のKMSキーの削除」や、「ストレージクラス最適化」などAWS各サービス特性を理解した専門的で実行可能な改善策を提案します。短期(1ヶ月以内に70USD-85USD削減)から中長期の実現可能なロードマップも提供します。
効率化効果
生成AIを用いて業務効率化を行うことで、これまで各業務の詳細な知識や分析スキルを持つ限られた人材に依存していた業務が、チーム内の誰でも実行可能になります。
これにより専門家は別の業務により多くの時間を割くことができ、チーム全体の生産性の向上に繋がります。
品質の向上も、生成AIによる業務効率化がもたらすメリットの1つです。
人間が手作業で行う業務では、どうしても個人のスキルレベルや経験、その日の体調や集中力などによって品質にばらつきが生じてしまいます。生成AIを活用することで常に一定水準以上の安定した品質を保証できるようになります。
特に大量のデータを扱う業務では、人間では見落としがちな細かなパターンや異常値なども、生成AIが確実に発見し検出します。これにより、従来では気が付かなかった問題や課題を発見できるようになります。
生成AIが働き方にもたらす変化は、想像以上に大きなものです。
これまで「専門知識がないとできない」「時間がかかって当然」と思われてきた分析作業や資料作成が、だれでも短時間でこなせるようになってきています。
大切なのは、「作業をAIに任せて終わり」ではないということです。本当に価値があるのは、今までは特定の専門家だけが持っていた知識やノウハウを、生成AIを通してチーム全体で活用できるようにすることです。
これにより、個人のスキルや経験に依存しない、業務プロセスを確立できます。生成AIの真の価値は、人間の仕事を代替することではなく、人間がより創造的で戦略的な業務に集中できる環境を提供することにあります。
面倒な定型業務はAIに任せて、私たちはより本質的な仕事に集中できるようになります。たとえば顧客との対話を通じた課題発見、チーム間の調整、新しいアイデアの創出など、人間だからこそできる価値ある業務に時間を使えるようになります。
ここまで読んでいただきありがとうございました。
本記事で紹介したGenUの他にも、生成AIを試すことができるアプリケーションはたくさんあります。ぜひ一度お試ししてみてはいかがでしょうか。