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CX(カスタマーエクスペリエンス)の意味:ServiceNow/CSMにも注目

CX(カスタマーエクスペリエンス)の意味:ServiceNow/CSMにも注目

市場競争の激化する現代において、自社の商品やサービスを顧客にできるだけ長く選び続けて欲しいと思うのは、どの企業も同じでしょう。そこで鍵となるのが「CX(カスタマーエクスペリエンス)」です。今回はCXの意味やCXの向上で得られるメリットを解説。さらに、多様な業務やシステムをひとつの共通プラットフォームにまとめ、自動で運用·管理できるクラウドサービス「ServiceNow」の「CSM(カスタマーサービスマネージメント)」を紹介します。

CX(カスタマーエクスペリエンス)とは

CXはCustomer Experienceの略で「ある商品やサービスの利用における顧客視点での体験」を意味します。提供する企業側ではなく顧客視点からの体験を指し「顧客体験/顧客体験価値」と表すこともあります。現代の消費者は、優れたCXを提供する企業やブランドを選ぶ傾向があります。また、BtoCはもちろん、BtoBにおいてもCXは非常に重要です。

CXの意味/用語解説

CXの指す「体験」は購入時に限定せず、購入前の過程や使用中、アフターフォローなどの長期的なプロセス全体を対象としています。また、顧客が企業やブランドに対して感じる満足度や印象、感情といった心理的な価値も含めます。その中で、デジタル技術を介するCXは「DCX(デジタルカスタマーエクスペリエンス)」といい、WEB サイト、ソーシャルメディア、オンライン広告などが含まれます。

なぜCXが重要なのか

現代の消費者は、WEBサイトやSNSから手軽に好みの情報を得られるため、多数の選択肢を比較検討した上で購入を決める傾向があります。商品のみで差別化することが難しい状況では、顧客に対して購入前から魅力的な体験を提供することが重要です。

また、ある調査では消費者の32%が「たった1度不快な体験をするだけでブランドから離れる」と回答しており、CXの向上は切実な課題といえます。

他の用語との比較

顧客満足度(CS)との違い
「顧客満足度(CS:Customer Satisfaction)は顧客の商品・サービスに対する満足度を数値化した指標で、評価や分析に役立てられます。CXが「顧客の総合的な体験」を指すのに対し、CSは「商品·サービスへの満足度」を評価する点で異なります。

 

カスタマーサクセス(CS)との違い

「カスタマーサクセス(CS:Customer Success)」は、文字通り「顧客の成功」を支援する取り組みを意味します。具体的にはコンサルティングやトレーニング、技術的なサポートなどを通じて、顧客が自身の目標を達成し、ビジネス上の成果を最大化することを目指します。

 

ユーザーエクスペリエンス(UX)との違い

「ユーザーエクスペリエンス(UX:User Experience)」は、商品やサービスの購入前・使用時・購入後などに起こる個々の体験を意味します。CXはそれらを包括しているといえます。また、CXは既存の利用者だけでなく、利用前の潜在的な顧客も対象ですが、UXは既に商品やサービスを利用しているユーザーの体験に焦点をあてています。

CXを高めるメリット

CXを高めるメリット
CXの向上は、企業に多くの利益をもたらします。ここでは、CXを高めることにより期待できる主なメリットを説明します。

顧客ロイヤルティの向上

「顧客ロイヤルティ」とは、商品やサービス、ブランドに対する顧客の信頼や愛着、優先的な選択傾向を意味します。優良なCXを提供することで顧客ロイヤルティが高まると、リピート率や購入単価の伸長、ポジティブな口コミの促進などによる売上の拡大を期待できます。また、リピーターやロイヤルカスタマーを育成するという意味で、長期的なビジネスの収益成長に寄与するともいえます。

ブランドイメージの向上

商品・サービスの購入前後の体験に高い価値を感じた顧客は、ブランドのファンになる可能性があります。ファンになった顧客は同じブランドの商品をリピート購入する傾向があるほか、アップセルやクロスセルの成功率も高まります。そして、ブランドの市場価値が高まると競合他社との差別化を図りやすくなり、価格競争の回避や新規顧客の獲得にもつながります。

既存顧客の口コミによる宣伝効果

CXの向上により顧客ロイヤルティやブランドイメージが高まると、SNSなどで肯定的な口コミが広がりやすくなります。良い体験により高い満足感を得た顧客は、商品やサービスの評価だけでなく、自らの体験に基づく好意的な印象とともに情報を発信することも少なくありません。高評価の口コミは認知度の向上だけでなく、新規顧客の獲得にもつながります。

競合他社との差別化·競争力の強化

CXの向上は、競合他社との差別化を可能にします。商品・サービスの品質や機能的な面で差異が少ないとしても、満足度の高いCXが提供されている場合、顧客は競合他社への乗り換えを避ける傾向があります。新規顧客の獲得は既存顧客の維持に比べて難しく、コストを要します。CX向上に取り組むことは企業の競争力の強化に貢献し、長期的な成長にもつながるでしょう。

CX向上の3つのポイント/ServiceNowのCSM

CX向上の3つのポイント/ServiceNowのCSM
ここでは、CX向上のための3つのポイントをServiceNowのCSM(カスタマーサービスマネジメント)の機能とともに説明します。ServiceNowのCSMは、顧客対応や品質管理などCXを向上させるために有効なツールを幅広く提供しています。

顧客分析

CX向上には顧客分析が不可欠です。顧客満足度調査やインタビュー、モニタリングなどにより顧客の意見やニーズの把握を徹底しましょう。商品やサービスの改善点を特定するとともに、CX向上のための施策の基盤となります。

ServiceNowのCSMは、高度な顧客分析を可能にする機能を提供しています。顧客の情報を一元管理できるほか、分析機能を活用して顧客の好みや行動パターンを把握することで、パーソナライズされた解像度の高いサービスを提供できます。細やかにカスタマイズされたサービスは、顧客との関係を深めることにもつながるでしょう。

オムニチャネル化

オムニチャネル(Omnichannel)とは、顧客が複数のチャネルを切り替えても一貫した情報やサービスを得られる販売戦略です。オンライン・オフラインを問わず企業と顧客の接点をシームレスにつなぐことで心地よい購入を可能にし、CXの向上に貢献します。

オムニチャネル戦略の展開には適切なチャネルの選択・統合などが必要ですが、ServiceNowのCSMの導入によりスムーズに実現できます。CSMは複数のチャネルからの情報を統合し、顧客に一貫性のあるサポートを提供するとともに、企業側も顧客情報を一元管理し、活用できるようになります。

オペレーションの改善

CX向上のためには、企業内のオペレーション改善も重要です。すばやく正確なサービスを提供するには、使いやすいシステムや合理的な業務プロセス、また従業員のトレーニングも欠かせません。

ServiceNowのCSMは顧客の情報や履歴などを一元化できます。過去の問い合わせやフィードバック、行動パターンなどを把握し複数の部門で共有できるため、顧客に対して迅速で適切なサービスを提供できます。

ServiceNowのCSMが注目されている理由

目まぐるしい変化のなかでCX向上に取り組もうとしても、従来のカスタマーサービスで十分な対応を行うことは、現実的に難しいのではないでしょうか。ServiceNowのCSMはCXを向上させるさまざまな機能が網羅されており、多くの企業において重要な役割を果たしています。

単一のプラットフォームに統合される情報は、部門を越えた共有や連携を可能にします。オペレーションの簡素化に役立つ機能や、セルフサービスのオプションも充実しています。これらにより、CXの向上と業務効率化を同時に実現できるのです。

まとめ

優れたCXの提供は、企業の成長と競争力強化のために不可欠です。良質な体験を通して深い満足感を得た顧客は、他の選択肢よりも信頼や愛着を持った企業を選びます。また、既存顧客が自らの体験をもとに口コミを発信することで、認知度やブランドの価値が高まり、新規顧客の獲得にもつながります。CXを取り巻く環境は常に変化しているため、効率的な運用と改善を継続する工夫が重要です。新しいシステムやサービスの導入も柔軟に検討しましょう。

 

株式会社DTSはServiceNowのPremierパートナーです。ServiceNow専門のプロフェッショナルメンバーが、コンサルティングから戦略立案、導入支援、開発、運用・保守までワンストップでトータルサポート。CSMの導入も確実に支援します。

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