2023年注目のIT最新トレンドキーワードをチェック!
ITの最新トレンドは、テクノロジーの発展とともに変わっていきます。日進月歩の世界でトレンドの最先端を追い続け、近い未来を予測するのは大変です。そこで今回は近年のITトレンドの流れをキャッチし、2023年に注目を集めると予測した最新キーワードをピックアップします。
なぜITの最新トレンドを知る必要があるのか
なぜITの最新トレンドを知る必要があるのか、それは自社事業の生き残りのためです。世界のどこかで新しい技術や製品、サービスが開発される日々。それが社会や市場、業界、さらには自社の事業にどんな影響を与えるのか。正しく把握しておかなければ、新たな波に対する策が立てられません。新規ビジネス立ち上げのヒントやビジネスチャンスを掴むためだともいえます。
社運をかけたビジネスであればあるほど、市場や競合他社の動向、新しいテクノロジーについて入念にリサーチしておく必要があります。少なくともIT戦略の立案やIT活用の方向性を大きく見誤らないよう、最新トレンドをキャッチしておきましょう。
2023年のIT最新トレンドキーワード予測
IT最新トレンドは、テクノロジーの進化によって常に変わっていきます。昨今の動向から、2023年のIT最新トレンドキーワードを予測してみました。
Web3.0
「Web3.0」とは、2020年ごろから始まっている次世代型インターネットのことです。情報やデータの集中に対する分散化という考え方がポイントで、情報の改ざんを防止する暗号化技術を用いたブロックチェーンを活用。ネットワークに接続するすべてのデバイスを使って情報やデジタル資産などを分散管理するところが特徴といえます。
Web1.0は、インターネット黎明期とも呼ばれる1990年代から2000年初頭までを指し、Web2.0は、2000年代中頃から現在まで続くインターネットの高速化やEC、SNS、配信などに代表される双方向コミュニケーションの実現を指します。
Web2.0では、プラットフォームを提供するGAFAMのような一部の大企業に個人情報が集中しています。Web3.0では、個々人が自分の情報や資産を管理することでセキュリティやプライバシーの向上を図り、一極集中からの脱却を目指そうとしています。
メタバース
「メタバース」とは、ネットワーク上に構築された仮想空間を意味します。メタ(Meta=高次の)とユニバース(Universe=世界)を合わせた造語です。ユーザーは、自分のアバター(分身)を作り、メタバース内で自由に行動できます。
3Dデジタル技術を用いた仮想空間でのサービスは2000年代中頃からあり、先駆けとして知られているのが「Second Life」というゲームです。メタバースそのものは最新トレンドとはいいにくいものの、複数の企業が相乗りするオープンメタバースは、集客力やコミュニティ形成、ユーザー間交流などの観点から注目されています。
デジタル免疫システム
「デジタル免疫システム」とは、システムやネットワークでの障害発生に備えて耐久力や回復力を高めたり、迅速に復旧させたりするための適切な対応を構築しておくことです。生物の免疫システムのように、外敵が侵入してきた際に対応する仕組みを指します。
IT最新トレンドを定期的に発表するガートナージャパン社によると、デジタル免疫システムは、可観測性や自動修復機能、AIによるテスト自動化ツール、サイト信頼性エンジニアリング、アプリのサプライチェーンセキュリティなどの技術によって実現されるとしています。
ジェネレーティブAI
ジェネレーティブAI(生成型AI)とは機械学習の一種で、従来のようなデータ処理や分析ではなく、学習したデータから新しい情報やコンテンツを生成できる機能を持つAIのことです。テキストや画像はもちろんのこと、音声や動画にも対応するため、小説や音楽、アート作品なども生成できます。
そのほかにも、医療分野では検査画像データを学習させて異常を発見し、診断を支援するシステムや、住宅分野でそれまで担当者の個性や感覚にまかされるところが大きかった家のタイプや間取りの提案をAIが的確に導き出して顧客満足度を高めるなど、さまざまな活用が期待されています。
量子コンピューター
「量子コンピューター」とは、量子力学の現象を利用し、従来のコンピューター(古典コンピューター)では対応できない複雑な問題でも速く解くことができる仕組みを搭載したコンピューターです。古典コンピューターがbit(0または1)で計算するのに対し、量子コンピューターは量子ビット(0でも1でもある)で計算します。
量子ビット同士の相互作用により並列計算が可能になるため、古典コンピューターでは時間を要する計算でも時間を短縮できる点が特徴です。その一方でコンピューターの構築や計算上のエラーが発生しやすいという課題があります。実用化を目指し、企業によって研究が重ねられています。
ドローン配送
年々増加する配送や宅配便による配達ニーズに対応すべく期待されているのが「ドローン配送」です。ドライバーの人材不足や交通渋滞、再配達対応など、解決が望まれる課題はたくさんあります。
ドローン配送なら、地上の渋滞に巻き込まれることなく迅速な配送が可能です。人件費や燃料代などのコストも削減できるでしょうし、24時間365日稼働できます。山間部や離島などへのタイムリーな配送だけでなく、災害時には救援物資の供給に役立つでしょう。
課題とされているのは、風雨など天候の影響を受けやすいことや建物などとの接触、故障時の対応、配送重量が比較的限られていることなどです。
GX(グリーントランスフォーメーション)
「GX(グリーントランスフォーメーション)」とは、石油などの化石燃料ではなく太陽光や風力、水力などのクリーンな再生可能エネルギーを利用することで、温室効果ガスの削減とともに経済発展を実現させる活動を意味します。
国内の温室効果ガス削減のためには、製品の製造過程などで排出されるCO2の削減を代替手段によって実現していかなければなりません。サービス業であっても、電力の節減やゴミの削減、ペーパーレス化、社用車のEV化など、取り組めることは数多くあります。
企業の社会的責任やSDGsといった社会的気運の高まりに加えて、日本政府が2050年までにカーボンニュートラル(温室効果ガスの排出量をゼロとすること)を目指すと宣言していることからも、今後ますます注目されるでしょう。
IT最新トレンドをキャッチして、自社のビジネスに活かそう
IT最新トレンドに注目する意味は、自社ビジネスの生き残りにあるとお伝えしました。近年ではテクノロジーの進化スピードが速く、いつ社会を変革するような製品やサービスが登場しても不思議ではありません。できる限りアンテナを張り、最新情報に触れるよう心がけましょう。