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ServiceNow CSMで実現するCX改革:顧客サービスの改善方法

ServiceNow CSMで実現するCX改革:顧客サービスの改善方法

CX向上は、多くの企業にとって重要な課題です。顧客ニーズの多様化や競争激化への対応として、デジタルプラットフォームの刷新によるCX向上を検討している企業もいらっしゃることでしょう。

 

そこで、CX向上に活用できる機能が充実しているServiceNowと、そのプラットフォーム上で稼働する、顧客対応に特化したServiceNow CSMについて紹介します。

ServiceNowが提案するCX向上の重要性

CX(Customer Experience:顧客体験)とは、顧客が企業やブランドと接触する全てのプロセスで得る体験や印象です。CX向上はリピーター獲得や企業価値向上など多方面で成果をもたらすため、ServiceNowの機能設計でも重視されています。

 

なぜCXが注目されるのか、そしてServiceNow導入で何が実現できるのか、概要を解説します。

顧客行動のオンライン化

現代では、多くの分野で顧客行動がオンライン化されています。情報収集や比較検討、商品購入、契約手続き、アフターサポートに至るまで、さまざまな場面でデジタルの活用が欠かせません。

 

オンラインでは直接的な対話が少ない分、対応スピードや情報の一貫性がCXに直結します。対応が遅れたり矛盾が生じたりすると、顧客の信頼を損なうリスクが高まっているのです。

 

ServiceNowは、デジタルワークフローで対応を迅速化し、多様な顧客ニーズにスムーズに応える基盤を提供します。また、顧客データを一元管理し、全てのチャネルで一貫性のある対応を提供します。

顧客満足度の向上がブランド価値を高める

顧客満足度を向上させることで、ブランドへの信頼と好意が高まり、ロイヤル顧客が増えます。ロイヤル顧客は、顧客単価の高いリピーターであるだけなく、口コミやレビューなどを通じてブランド価値を広める傾向があるため、新規顧客の獲得にも寄与します。

 

ロイヤル顧客を増やすには、購入時だけでなく、購入手続きやアフターサービスといった全ての接点における満足度の向上が欠かせません。ServiceNowは、顧客データの共有と分析を通じて、各接点で質の高いサービスを実現します。これにより顧客満足度を総合的に底上げし、CXを高めます。

CX向上を支えるServiceNowの機能

CX向上を支えるServiceNowの機能

 

ServiceNowは顧客サービスの効率化や質の向上を促進し、CX向上につなげることを重視して設計されています。ここでは、具体的な機能を交えながら、どのような業務改善やDXが可能になるか紹介します。

顧客データの一元管理

ServiceNowは、複数のシステムやツールを統合し、企業全体で顧客情報を一元管理できる環境を提供します。分散したデータをServiceNowに集約すれば、リアルタイムで参照・共有できます。

 

例えば、カスタマーサポート部門は、一元化された顧客情報から、顧客ごとの状況や過去の問い合わせ履歴をリアルタイムで参照可能です。これにより、顧客ごとの適切な対応が可能となり、CX向上につながります。

 

一方で、商品開発部門は、トラブルの発生状況や顧客ニーズの分析結果を引き出し、より顧客満足度の高い商品を開発できるようになります。

プロセス自動化によるスピーディーな対応

ServiceNowは、AIを活用して定型業務を効率化します。例えば、インシデント(問題)を自動分類し、優先度を設定することで、人手をかけずに重要タスクを迅速かつ正確に処理できる環境を提供します。

 

組織全体をつなぐワークフローの設計も可能です。例えば、「カスタマーサポートで対応不可→技術部門に引き渡し→重大なインシデントは営業部門にフォロー要請」といった部門横断的なフローを標準化できます。

 

このような機能により、顧客対応の漏れやバラつき、重複を防ぎながら、スピーディーな対応を実現します。これにより、顧客の企業への信頼感が高まり、CX向上につながります。

部門横断的な連携

サイロ化した組織では、IT、総務、カスタマーサポートなど各部門が顧客情報やワークフローを分断して管理するため、連携不足が生じて業務効率の悪化を引き起こし、これがCX低下につながりやすくなります。一方、ServiceNowを導入すると、データの一元化とワークフロー設計により、部門横断的な連携が可能です。

 

例えば、営業部門が商談でヒアリングした内容を、ServiceNowを通じてマーケティング部門にフィードバックすれば、その情報をもとにキャンペーン戦略を最適化できます。部門間の密な連携によりシナジー効果を高めることで、顧客が求めるアプローチを行い、CX向上を図れるのです。

ServiceNow CSM(Customer Service Management)の役割

ServiceNow CSMは、ServiceNowプラットフォームの一部として提供される、顧客対応に特化したアプリケーションです。CXの向上に活用できる機能を多く備えています。

 

顧客対応のアプリケーションというと、従来型のカスタマーサービスの補助ツールをイメージするかもしれません。しかし、ServiceNow CSMの適用範囲はより広く、高度な活用が可能です。ポータル構築や、意思決定のためのデータ分析、ナレッジ管理といった機能を通じて、チーム間で分断されがちなオペレーションを効率化し、CXを向上できます。

ServiceNow CSMの主要機能と活用メリット

ServiceNow CSMの主要機能と活用メリット

 

ここからは、ServiceNow CSMの主要機能と活用メリットについて、さらに具体的に紹介します。

ケース管理・ナレッジベース

ServiceNow CSMでは、顧客からの問い合わせや問題を「ケース」として登録し、進捗や対応状況を一元管理できます。このケースには、必要な関連情報をひも付けられます。

個々のケースの解決策やFAQサイトの情報などを蓄積したものが、ナレッジベースです。ナレッジベースによって、類似ケースを効率的に検索して参照できます。

ポータル・チャット機能

ServiceNow CSMを用いると、顧客専用のログインページやダッシュボード、問い合わせフォームや進捗確認ページ、FAQやナレッジベースの検索機能などのポータルを、容易に構築・管理できます。ノーコードまたはローコードで構築できるため、非エンジニア中心でポータル運営したい場合にもおすすめです。

 

さらに、ServiceNow CSMでは、チャットボットを作成し、運用する機能も備えています。

AIによるワークフロー管理

ServiceNow CSMには、AIを活用したワークフロー管理機能が組み込まれています。問い合わせを自動分類し、顧客担当者や最適な知識を持つ担当者に割り当てる他、予測インテリジェンス機能による適切な解決策の提案も可能です。

 

また、ケースの進行状況がリアルタイムで更新されるため、関係者全員が状況を把握できます。未完了タスクや重要なアクションは通知されるため、対応漏れを防げます。

データ可視化・分析機能

ServiceNow CSMは、レポート機能やダッシュボード機能を通じて、顧客対応に必要なデータを可視化する環境を提供します。この機能を活用すれば、顧客の声(VOC:Voice Of Customer)を見える化し、課題を特定して対応方針を明確にできます。また、複数の部門やチームを横断したデータ基盤を構築可能です。

ServiceNow CSMで実現できるCX向上とは

ServiceNow CSMの機能を使うと、顧客対応にまつわるさまざまな企業課題を解決できます。ここでは、その代表的な事例である顧客対応のスピードアップ、自己解決の促進、顧客視点のDXの3つを紹介します。

スピーディーな対応によるCX向上

ServiceNow CSMを活用してポータルを構築すると、顧客が簡単に申請や問い合わせを行える環境を提供できます。紙やメールでの手続きを大幅に削減できるため、手間も減り、対応速度も向上させられます。また、ポータル上で進行状況をリアルタイムで確認できるため、「状況が分からない」といった顧客のストレスも削減可能です。

 

企業側にとっては、申請や問い合わせに関するプロセスをポータルで自動化することで、業務効率が向上します。近年、人員不足が課題となる中でも、顧客対応のスピードと質を維持しつつCX向上を実現できる点が大きなメリットです。さらに、ポータルにチャットボットを搭載すると、24時間365日の即時対応で顧客の利便性を高めつつ、省人化も図れます。

自己解決を促し顧客対応力をアップ

ServiceNow CSMは、顧客がFAQやナレッジベースを活用し、自身で問題を解決できる環境を整えます。例えば、製品の使い方に関する疑問がある顧客が、ServiceNow CSMのポータルを利用し、FAQやナレッジベースから具体的な操作手順を検索し、解決できる仕組みを提供可能です。

 

自己解決の促進によって、サービスデスクへの問い合わせ件数を減らせます。それによって業務負荷が減り、サービス担当者は複雑な問題に集中できるため、顧客対応力が高まるでしょう。

 

結果として、他の顧客の待ち時間が短縮されるため、顧客満足度の向上が期待できます。また、迅速な問題解決がブランドへの信頼感を強化し、CXを向上できます。

顧客視点のDXを推進

ServiceNow CSMは、顧客へのアンケートの自動送付や回答データのダッシュボード化を通じて、顧客の反応や行動履歴をより深く把握できます。さまざまな接点での顧客ニーズや問題点を迅速に特定し、顧客起点の的確な改善策を打ち出すことが可能です。

 

さらに、ServiceNow CSMのパフォーマンス分析機能では、問い合わせ対応時間や解決率などの指標を集計、分析できます。自社のKPIと結び付ければ、顧客サービスのパフォーマンスを客観的に評価できる仕組みを構築可能です。

 

デジタル化によって収集できる顧客データが増えている現在、経験や勘ではなくデータ駆動型の意思決定やサービス運用が重要となっています。ServiceNow CSMは部署やチームを横断したデータ活用やDXを促進し、CXの質を高めます。

ServiceNow CSMでCX向上を実現

CX向上は多くの企業にとって永続的な課題といえます。ServiceNowと顧客対応に特化したServiceNow CSMは、CX向上につなげられる多彩な機能を搭載している点が特長です。問い合わせ対応時間の短縮、顧客の自己解決の支援、顧客起点のDX推進など、企業が直面する課題を解決する包括的なシステムとして、ご活用頂けます。

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