AWS Summit 2025 参加レポート 生成AIとAWS

初めに

こんにちはクラウド活用推進担当の新倉です。

2025年の6/25・6/26に開催されたAWS Summit Japanに参加してきました。
様々な展示やセッションの中から特に印象的だった1つのセッションと2つの展示についてご紹介いたします。

目次

  1. 初めに
  2. 目次
  3. 「ソニーグループにおけるAgentic AIの大規模展開開始」
  4. TOKAICOM 「生成AI」を活用したセキュリティアラート発生時のアドバイザー
  5. MIZUHO みずほDeepResearch
  6. 最後に

「ソニーグループにおけるAgentic AIの大規模展開開始」

概要

ソニーグループでは一昨年から生成 AI の活用を進めてきました。
昨年からは既にビジネスユーザが Agent を構築できる環境を整備し、社内でのビジネス適応を推進してきました。
今期より 「Agentic AI Platform」 として再構築し、人と AI が協業する新しい業務の在り方を目指しており、その展望について共有します。
Amazon Bedrock, Bedrock IDE をフルに活用したグローバルな Agentic AI について、アーキテクチャや実際のユースケースを交えてご紹介します。


レポート

Sonyグループでは昨年からAgentic AIの導入をはじめ、社員が自由に安心してAI Agentを利用できるプラットフォームの開発、展開を進めています。
グループ全体で見たとき、現在のAI利用者数は45,000人でトータルの利用量は25,000,000推論となっています。

また利用開始から現在まで右肩上がりで利用者数、利用量ともに伸びているため来年には今の倍以上の利用量になることを予想しているとのことでした。

一部の人間だけでなく、グループ全体の生成AI活用の意識の高さに驚かされるセッションでした。
後半では現在の AI アプリケーションのアーキテクチャの説明や、今後のAgentic AIの展望についてお話しいただきました。


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2.TOKAICOM 「生成AI」を活用したセキュリティアラート発生時のアドバイザー

ここではAWS GuardDutyからのアラートを、はじめに生成AIを介することで「アラートの重要度」、「問題が発生しているサービス」、「問題の解決策と今後のアクション提案」を生成し、ユーザーへの連絡メールにそれらを添付することで一次対応の効率向上ができるサービスの展示を行っていました。


GuardDutyからのアラートは基本的にJSON形式で出力されます。
従来であればアラートを受けたAWS管理者はまず出力されたJSONの解読を行い、原因となっているサービスの特定やアラートの重要度の特定を行っていました。

ですが、このシステムを用いることで一次対応を生成AIで代用することができます。
これによりAWS管理者の負担が軽減され、より効率的なアラート対応が可能になります。


3.MIZUHO みずほDeepResearch

DeepResearchとは...

DeepResearchは、研究者や専門家の情報収集・分析作業を革新的に支援するシステムです。
このツールの最大の特徴は、ユーザーが特定のトピックや研究テーマを入力すると、AIが自動的にウェブ上から関連する情報を幅広く検索・収集し、それらを体系的に整理して包括的なレポートを生成することです

従来の研究では、研究者が手動で複数の情報源を調べ、関連資料を収集し、それらを分析・統合する作業に膨大な時間を費やしていました。

DeepResearchはこのプロセスを自動化し、多角的な視点から情報を収集・分析することで、研究の質を向上させながら効率を大幅に改善します。

学術研究、市場調査、政策分析、ビジネス戦略立案など、様々な分野での深い調査が必要な場面において、研究者の強力なパートナーとして機能することが期待されています。


本展示で紹介されていたみずほDeepResearchでも、ユーザーの指示に応じてウェブ上の膨大な情報をAIが検索・精査し、5分程度でレポートを生成してくれるものとなっていました。
PowerPointでの出力も可能で、最終的に出力されたレポートの完成度も非常に高いものでした。


DeepResearchは以前から気になっていましたが、実際にこれほど完成度の高いレポートを出力できるアーキテクチャや生成AIの構築手法を学べる、非常に勉強になる展示でした。

最後に

Day1の参加でしたが、非常に有意義な時間にできたと感じています。
展示内容は生成AIが1/3、セキュリティが1/3、その他1/3程度の割合で、去年に劣らず生成AIの勢いを感じるSummitでした。
セッションはオンラインでも視聴可能でしたが現地に行き、空気感を体験することでいい刺激になりました。

本記事をご覧になった方の中で、2025年のSummitに参加できなかった方は来年のSummitに参加することを強くお勧めします。

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