AWS Summit 2025 現地レポート
「生成AI×医療のデータの活用シナリオ」

はじめに

こんにちは!クラウド活用推進担当、新人の濱岡です。


2025年6月26日、東京で開催された AWS Summit 2025(2日目) に初めて参加してきました。

クラウドの最新トレンドを直接肌で感じられる一日でした。

AWS Summit Japan 2025


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会場は非常に活気に満ちており、企業ブースやセッション、Expoエリアなど各エリアが大変充実していました。

特に生成AIやセキュリティ関連の展示には多くの来場者が集まっていた印象です。


今回はその中でも、特に印象に残ったブースをご紹介します!

目次

  1. はじめに
  2. 目次
  3. 【ヘルスケアブース】生成AIによる医療データ利活用
  4. 医療の現場が抱える3つの課題
  5. デモで紹介されていた「生成AI×医療」の3つの活用法
  6. 使用されていたAWSサービス(一部)
  7. まとめ

【ヘルスケアブース】生成AIによる医療データ利活用

生成AIによる医療データ活用をテーマにした展示ブースに足を運びました。

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医療の現場が抱える3つの課題

展示では、医療分野におけるデータ活用が以下のような課題に直面していることが紹介されていました:


○データの非構造化・標準化不足

 → 各医療機器や病院でバラバラの形式で保存されており、国際標準(FHIR)への変換が困難


○読影(画像診断)の負担

 → 医師がCTやX線画像に対して詳細な所見レポートを作成する負荷が非常に大きい


○ツール不足によるデータ利活用の壁

 → プログラミング知識がない医療従事者が、必要なアプリや可視化ツールを作るのが難しい

デモで紹介されていた「生成AI×医療」の3つの活用法

①データ標準化:LLMによるFHIRマッピング自動化

検査機器や病院独自のフォーマットで管理されているデータを、生成AIを使ってHL7 FHIR形式に変換。

小児患者の検査データを例に、複雑な血液検査やX線情報を統一された形式に自動変換していました。


②読影レポート作成支援:AI診断+生成AIでドラフト作成

X線画像をSageMakerのAIモデルで分析し、その結果を基に生成AIが読影レポートをドラフト生成。

放射線科医の過去の文体や表現を参考に、自然な文章で「所見」や「診断」を出力する設計になっていました。


③自然言語UI:アプリ開発やデータ探索

・「暗いUIにしてほしい」→ 自然言語で指示 → 生成AIがアプリのコードを自動生成(Vibe Coding)

・「鈴木太郎さんの最新の血液検査は?」→ チャットで聞く → データベースを探索し結果を返す(AI Agent Assistant)

使用されていたAWSサービス(一部)

Amazon Bedrock:生成AIの中核(ClaudeなどのLLMを使用)

Amazon SageMaker:画像診断モデルの推論

AWS HealthLake:FHIRベースの医療データストア

Amazon Q Developer:アプリ開発を支援するAIコーディングエージェント

まとめ

今回の展示を通して、生成AIの活用が医療現場でも着実に進みつつあることを実感しました。

データの標準化や業務の効率化といった、現場に根差したニーズに対して、具体的なソリューションが提示されていたのが印象的でした。


AWS Summit自体も初参加でしたが、技術そのものだけでなく、その技術が「どこで」「どう使われているのか」にフォーカスした展示が多く、学びの多い一日となりました。

生成AIというテーマに対して、より現実的な視点で考えるきっかけをもらえたと感じています。

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