導入事例
導入サービス
金融業界におけるオンプレミスのITインフラからAWSへの全面移行したケースをご紹介します。
AWS Control Towerを用いたマルチアカウント環境の構築・クラウド移行・運用
金融業A社(以下、A社)は、従来のオンプレミスのITインフラからAWSへの全面移行を実施しました。このプロジェクトでは、AWS Well-Architected フレームワークに準拠したAWS共通基盤の構築が行われ、AWS Control Towerを用いたマルチアカウント管理機能の導入により、セキュリティとコンプライアンスの自動化を強化しました。これにより、管理の効率化を実現しました。
オンプレミスからのクラウド移行過程では、運用負荷を可能な限り軽減するために、AWSのマネージドサービスを積極的に採用しました。また、共通基盤に運用機能を組み込むことで、運用効率の向上とコストの最適化を図りました。
AWS Control Towerの導入により、A社はマルチアカウント環境を効果的に管理し、各部門やプロジェクトごとに隔離された環境を迅速に構築できるようになりました。これにより、セキュリティの向上とともに、各チームが必要とするリソースへのアクセスを容易にし、全体の運用効率が大幅に改善しました。
■利用した主なAWSサービス
[マルチアカウント、ID管理]
・AWS Control Tower、IAM
[セキュリティ管理、ログ分析(SIEM)]
・AWS Security Hub、AWS Config、Amazon OpenSearch Service
[ネットワーク、DNS管理]
・AWS Transit Gateway、AWS Direct Connect、Amazon Route 53、AWS Network Firewall
[VDI]
・Amazon WorkSpaces
[運用機能]
・Amazon EC2、Amazon S3、AWS Backup、Amazon CloudWatch、ACM、AWS KMS
迅速かつ柔軟な対応が可能なITインフラが必要
A社は、変化する市場ニーズに迅速かつ柔軟に対応するため、ITインフラの更改が急務となっていました。オンプレミスの従来システムは、システム改修・運用のコスト削減を強く求められる一方、金融機関として不可欠なセキュリティと安定性の確保が必要でした。これらの課題を解決するため、A社はITインフラをクラウド基盤へ全面的に移行する決断をしました。この移行により、業務効率の改善、金融DXの推進、そして迅速な対応が可能なインフラを構築することが重要な目標となりました。
AWS Control Towerの採用で実現する迅速性・柔軟性・安定性
A社のITインフラ更新方針は、クラウド技術を全面的に採用し、安全性、安定性、拡張性、迅速性を実現しつつコスト削減を図ることにありました。また、自社のビジネスモデルや規模に適したシステム構築が重要な方針として設定されました。
このITインフラ更新プロジェクトでは、複数のベンダーからの提案がありましたが、DTSはRFP(提案依頼書)に記載された要件を具体的に理解し、詳細に落とし込むことで、分かりやすい提案を行いました。提案内容は、当社が蓄積した知識を基に、AWSプラットフォーム上での基幹システムの構築、外部システムとの連携、セキュリティの強化を含む、迅速性、柔軟性、安定性を高める実現可能な解決策を提供しました。
特に注目されたのは、AWS Control Towerを用いたマルチアカウント管理機能の導入であり、これによりセキュリティとコンプライアンスの自動化を強化し、全体の管理効率を向上させることを目指しました。
そして、提案内容が具体的にイメージしやすいものであったこと、さらには運用を含むワンストップサービスの提供が評価され、最終的にDTSの提案が採用されました。
AWS共通基盤による迅速な市場対応と柔軟な運用の実現
A社は、AWSクラウドへの共通基盤移行によって、変化する市場ニーズに柔軟かつ迅速に対応可能なインフラを実現しました。共通基盤が完成した後、業務システムのマイグレーションを進めており、システムごとの設計からリリースまでの期間を従来の約80%に短縮し、顕著な導入効果が表れています。今後もオンプレミスシステムをクラウドに移行し続けることで、金融DXを推進し、サービス競争力を一層強化することが期待されます。
また、AWSの共通基盤における監視と運用保守は、DTSのサポートにより、安定した運用体制が実現しています。
DTSでは、今回蓄積されたナレッジを活かし、様々なお客様へAWSのベストプラクティスをお届けしていきたいと考えています。