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「資本市場を通じて社会に貢献します」という経営理念を実現するために、2003年に創業した資産運用会社。運用・販売する投資信託「ひふみ」シリーズは、守りながらふやす運用でお客様の長期にわたる資産運用を応援します。
新商品の販売をきっかけに、社内システムを一新
10年ぶりの投資信託の新商品の販売を計画していたレオス・キャピタルワークス株式会社は、2019年9月の販売開始にあわせて、販売システムなどを一新する決断を下しました。
その背景をシステム部の立花氏はこう振り返ります。
「経営のスピードアップを実現するためには、IT環境の刷新が必要でした。当時、当社のシステムはグループ会社のASPを利用していました。ビジネス環境の変化に、迅速に柔軟に対応するためには、自社開発に切り替えることが有効と判断しました。また、クラウドサービスを活用することで、数年ごとに発生するシステムの更改費用を抑え、ITコストの平滑化も狙いました。」(立花氏)
クラウドの構成は、個人情報などを扱うプライベートクラウドとパブリッククラウドを併用するハイブリッド構成として、必要なアプリケーションはそれぞれの機能開発を得意とする開発ベンダーに発注することに決まったのは2018年の終わり頃だったといいます。
各ベンダーの得意分野を組み合わせることで効率的なシステム構築を
「自前のデータセンターを構えて、開発から運用・保守まですべてをカバーしてくれる大手SIerは頼りになる存在ですが、当社のビジネス規模を考えると、費用対効果は必ずしもよくありません。システム刷新にあたっては、当社の求める機能やサービスについてそれぞれを得意とするベンダーに個別に発注する方式を採用しました」と、システム構築にあたっての基本的な考え方を説明する立花氏が、当初、運用・監視のアウトソーシング先として選定したのがDTSでした。
「24時間365日のサービス提供を実現するための運用・監視業務は、当社の事業規模ではアウトソーシングすることが最適解と考えました。打ち合わせを重ねていく上で、技術力やマネジメント力の高さが伝わってきたので、運用・監視に加えてクラウド構築も依頼することにしました。」(立花氏)
さまざまなアプリ開発ベンダー、データセンター、回線事業者など、関係する企業は20社ほど。DTSはクラウド事業者、データセンター、回線事業者などとの調整を含め、ハイブリッドクラウドの構築を担当しました。
タイトなスケジュールの中で、求められる品質を実現
今回のクラウドサービスへの移行は、タイトなスケジュールで行われました。
DTSへ、運用・監視サービス導入の打診があったのが2019年1月で、その後、AWS移行への参画が決定します。仕様検討が始まったのは3月で、8月には総合試験が予定されていました。そのため、実質的な移行作業期間は5カ月しかありません。9月に予定されている新商品の発売前に移行作業は完了している必要がありました。
「システムの構成は、一度決めてしまうと、簡単には変更することができません。そのため、コストと運用負荷を最小限に抑える組み合わせをぎりぎりまで検討しました。」(立花氏)
例えば、バックアップシステムを選定する際には、クラウド事業者が提供するサービスを利用するのか、バックアップ製品を使用するのか、新たにソリューションをスクラッチするのかなど、さまざまな選択肢が考えられます。
「DTSはコスト・シミュレーションも含めて、それぞれのケースでメリットとデメリットを公正な視点で提示して、判断材料を提供してくれました。また、独自の提案などにも助けられました。」(立花氏)
そして、タイトな作業期間ながらも、移行作業は無事に9月のカットオーバーを迎えることができました。
期待するサービスレベルを予想以上の低コストで実現
「実は9月の本番運用には他ベンダーが担当していた監視サーバーのチューニングが間に合わず、エラー検知が頻発していました。しかし、DTSの運用・監視サービスがオペレーションでカバーしてくれたので、大きな問題になることなく運用がスタートできました」と立花氏は本格運用の開始時を振り返ります。
そして、運用開始から約1年が経過した現在、「システムを運用していれば、なんらかの不具合は必ず発生します。原因の切り分けやその後の対応など、いくつか発生したトラブルで、DTSは当社の求めるサービスレベルを十分に満足してくれています」と、立花氏はDTSの運用・監視サービスを高く評価します。
さらに、今回のクラウド移行作業を総括して立花氏は「運用・監視をアウトソーシングすることで、インフラ構築に関するイニシャルコストは当初予算を5分の1程度、運用・監視に関するランニングは3分の1程度まで削減することができました。金融業界にも厳しいコスト削減が要求されていますが、当社のシステムと運用は、それにいち早く対応できたと自負しています」とまとめます。
また、立花氏の業務を引き継ぐ村松氏は、「約1年間、問題なく運用してきた新しいシステムは“軌道に乗った”といえると考えています。今後は、システムを成熟させていく段階で、運用負荷をどのようにして軽減していくかが課題の一つです。システム構築に関わり、運用・監視で当社のシステムを熟知しているDTSからは、有効な提案があると期待しています」とDTSへの信頼感を見せます。
DTSはこれからも、運用・監視サービスを通じて、レオス・キャピタルワークス株式会社をサポートしていきます。