AWSの利用料はどのくらい?
料金体系や導入事例も交えて紹介

Amazonの提供する「AWS(Amazon Web Services)」を使いたい場合、料金はどのくらいになるのでしょうか。
本記事では、AWSの料金がどうやって決まるのかの基本的な知識や簡易見積りツールのほか、実際に導入した事例からおおよその料金目安までご紹介します。

AWSの費用や料金が決まる仕組み

AWSの費用や料金が決まる仕組みまずは、AWSの費用や料金が決まる仕組みについて見ていきましょう。AWSの料金は原則として従量課金制であるほか、使うサービスによっても変わってきます。

●従量課金制

AWSの料金は、使った分だけ支払う「従量課金制」を採用しています。身近なもので言えば、水道代や電気料金と同じような仕組みである、と考えるとわかりやすいでしょう。時間単位、あるいは秒単位で料金が加算されるため、月額や年額で決まった料金がかかるのではなく、月ごとにかかる料金が変わってきます。例えば、AWSの中に仮想サーバーの構築が可能な「Amazon EC2」のサービスを利用した場合、使った時間に対して1秒ごとに料金が計算されます。このとき、休日や夜間など使わないときにはサービスを止めておけば料金が発生しないため、上手に使えばコスト削減につなげることもできます。
このように、AWSの料金は原則として従量課金制ですが、一定期間継続して使うことを前提として大幅な割引を受けられる「リザーブドインスタンス」や「Saving Plans」などの仕組みもあります。いずれも使えるサービスや仕様に制限があるため、該当するサービスを長期間使う場合には検討してみても良いでしょう。

●契約するサービス

AWSには200種類以上ものサービスがあり、使うサービスや契約内容によっても料金が異なります。
例えば、前述の「Amazon EC2」は以下のような内容によって料金が変わります。
  • ・インスタンスのタイプ
  • ・サーバーの台数
  • ・使ったストレージの容量(GB単位)
  • ・Amazon EC2からインターネットへ送信されたデータの転送量(GB単位)

また、ストレージサービスである「Amazon S3」の場合、以下のような内容で料金が決まります。
  • ・使ったストレージの容量(GB単位)
  • ・Amazon S3からインターネットへ送信されたデータの転送量(GB単位)
  • ・データの読み込み回数
  • ・データの書き込み回数
このように、AWSの料金は契約するサービスの内容によっても異なります。使いたいサービスがどうやって料金を決めるのか、よく知ってから契約しましょう。

AWSの料金体系

AWSの料金体系AWSの料金体系は、大きく分けてサーバー代、ストレージ代、データ転送にかかる費用の3つからなります。それぞれの料金について、詳しく見ていきましょう。

●サーバー代

AWS上に構築する、仮想サーバーにかかる料金を指します。リソースの起動から停止するまでの稼働時間に応じて時間単位で料金がかかります。時間単価は選ぶサーバーのOSやコア数、メモリ容量に応じて変わってきますが、1時間あたり約1円程度から選ぶことができます。 前述のように、休日や夜間など時間を決めてサービスを停止することもでき、停止している間は料金がかかりませんので、必要な時間だけ稼働させることでコストを下げられます。

●ストレージ代

ストレージとはデータを格納しておける倉庫のような役割を果たす場所のことです。Amazon EC2を使う場合のローカルハードディスクとして使ったり、オンラインストレージとして使ったりさまざまな用途があり、用途によって単価が異なります。だいたい1GBにつき、1ヶ月あたり約3~20円の料金がかかります。

●データ転送にかかる費用

AWSのサービス利用にあたり、インターネット上にデータを転送する場合に必要な料金のことを指し、容量1GBあたり約10〜20円の利用料がかかります。ただし、料金がかかるのはAWSからインターネットへ転送する場合のみであり、インターネット上からAWSへデータを転送する場合は料金がかかりません。

AWSの「簡易見積りツール」とは

AWSには、「簡易見積りツール」という、AWS料金の見積りが無料でできるツールがあります。「AWSの料金」のページから、「AWS料金見積りツールの利用を開始する」をクリックすれば簡単に使えます。英語ですが、必要項目を選択したり簡単な入力をしたりするだけで見積りできますので、利用料金の概算が知りたい方は一度利用してみてはいかがでしょうか。
ここでは、例としてAmazon EC2の見積り方法をご紹介します。
  1. 1.見積りたいサービスを選択する
  2. 2.リージョン(都市)と、見積り方法(クイックまたは高度)を選択する
  3. 3.実行するOSを選択する
  4. 4.毎月のワークロード、必要なインスタンス台数を設定する
  5. 5.vCPUの数やメモリ容量などをもとに、インスタンスのタイプを選択する
  6. 6.料金体系を選択する
  7. 7.ストレージ容量(GB)を入力する
  8. 8.データ転送量(GB/月)を入力する

AWS導入事例から見る利用料

ここまでご紹介したように、AWSの利用料金は従量課金制であるほか、契約するサービスによっても異なります。そのため、もっと自社に合ったサービスを知りたいと思う方も少なくないのではないでしょうか。そこで、最後に実際の導入事例から利用料をご紹介します。

事例1:WEBアプリケーションシステムの構築

オンプレミスのWEB三層構造のシステムをAWSへリプレイスするにあたり、小規模なWEBアプリケーションシステムを構築した事例です。2台のWEBアプリケーションサーバをロードバランサで負荷分散する構成として、DBサーバにはAmazon Auroraを利用しました。
  • ■利用AWSサービス
  • ・WEBアプリケーションサーバ(Amazon EC2 ×2)
  • ・DBサーバ(Amazon Aurora)
  • ・ロードバランサ(Application Load Balancer)
  • ・データ転送

■参考利用料
78,000円/月
※1ドル=140円で算出
※セキュリティ、信頼性、パフォーマンス要件などによっても、必要なAWSサービスや料金は異なります。

事例2:テレワークを想定した仮想デスクトップ環境の構築

テレワークでの業務環境の利便性向上を目的として、仮想デスクトップ環境を構築した事例です。Amazon WorkSpacesを5台利用。ユーザ管理には、AWS Directory Service for Microsoft Active Directory を利用しました。
  • ■利用AWSサービス
  • ・仮想デスクトップ(Amazon WorkSpaces ×5)
  • ・ユーザ管理(AWS Directory Service)
  • ・データ転送

■参考利用料
55,000円/月
※1ドル=140円で算出
※セキュリティ、信頼性、パフォーマンス要件などによっても、必要なAWSサービスや料金は異なります。

事例3:windowsファイルサーバの構築

オンプレミスのwindowsファイルサーバをAWSへリプレイスした事例です。1TBのwindowsファイルサーバ環境として、Amazon FSx for Windows File Serverを利用。ファイルサーバへのアクセスとして、サイト間VPNを想定した環境を構築しました。
  • ■利用AWSサービス
  • ・windowsファイルサーバ(Amazon FSx 1TB)
  • ・ユーザ管理(AWS Directory Service)
  • ・サイト間VPN
  • ・データ転送

■参考利用料
62,000円/月
※1ドル=140円で算出
※セキュリティ、信頼性、パフォーマンス要件などによっても、必要なAWSサービスや料金は異なります。

AWSの利用料目安について知り、コストを検討しよう

AWSの利用料は従量課金制ですが、使うサービスや内容によっても異なります。サービスごとの詳細が知りたい場合、簡易見積りツールを利用してみてはいかがでしょうか。また、今回ご紹介した事例に近い場合は、おおよその料金もわかります。ぜひ、社内でAWS導入を検討する際の目安にしてください。

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