先にAWSで利用できるサービスは100以上と説明しましたが、その中でも人気があり、ユーザーの導入頻度の高い7つのサービスについてご紹介します。
●サーバー環境構築「Amazon EC2」
導入後、数秒から数分で運用できる仮想サーバーです。また、万が一の障害時などに備えた冗長化に必要なネットワークも短時間かつ容易に構築できます。
特徴のひとつとして、サーバーを即時コピーできるほか、サーバースペックやサーバー台数の変更が簡単にできる点が挙げられます。この特徴を活かし、最初はスモールスタートで、必要に応じてスケールするなど、適切なコスト、規模でサーバーを運用できます。
●データ保存/コンテンツ配信「Amazon S3」
Webサイトなどのデータバックアップ先、動画や画像などの格納先として利用できるストレージサービスです。
S3の特徴として、容量制限がなく、1ファイルあたり5TBまでであれば自由にデータをアップロードできます。また、ライフサイクルという機能を利用すれば、S3内の利用状況に応じてデータを自動で削除したり、安価なプランのストレージへ変更すれば、コストの抑制に繋がります。
●データベース利用「Amazon RDS」
テーブル(表)形式の複数データを関連づけて使えるようにしたリレーショナルデータベースです。RDSでは、一般的に利用頻度の高い下記の6種類のリレーショナルデータベース管理システムを選択できます。
- ・Amazon Aurora
- ・MySQL
- ・MariaDB
- ・Oracle Database
- ・SQL Server
- ・PostgreSQL
そのほか、RDSの主な特徴として、最大35日までの自動バックアップ機能、マスターデータベースへの負荷分散を目的とした読み出し専用のデータベース「リードレプリカ」の作成などが挙げられます。
●DNS機能「Amazon Route53」
「Amazon Route53」は、WebベースのDNS(Domain Name System)サービスで、主に以下の機能が利用できます。
- ・ネームサーバー
- ・トラフィックのルーティング
- ・リソースの正常性チェック
ドメインに指定するDNSの参照先NS(Name Server)が4つ付与されますが、4種はデータセンターのエリア(リージョン)が異なるため、安全性の高い冗長構成がとれます。
●負荷分散機能「Elastic Load Balancing」
AWSが提供するサーバーに集中するトラフィックを、複数のサーバーやネットワークに振り分けて、負荷を分散するロードバランサーです。
ヘルスチェック機能も備え、リアルタイムでサーバーのパフォーマンスをモニタリングでき、例えば、異常のあるサーバーへのトラフィック送信を中止し、ほかの正常な状態のサーバーにトラフィックを送信できます。
●仮想デスクトップ「Amazon WorkSpaces」
社外などからAmazon WorkSpacesの仮想デスクトップにアクセスすれば、場所を問わず、利用する端末のスペックを問わず、サーバ-側の作業環境で業務を行えます。
特徴として「Amazon CloudWatch」と連携することでユーザーのログイン状況やAWSのサービスによって実行されたアクションのログを確認できます。
●閉域網接続「AWS Direct Connect」
ユーザーのネットワーク環境からAWSまでをプライベートな専用回線で接続できます。インターネットを経由しないため、回線状況の影響を受けず、安定したトラフィックのなかでデータのやり取りができるほか、高いセキュリティレベルを保持したままデータの送受信が行えます。