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業務改革DX

DXの進め方を徹底解説! ステップ別にやるべきことを具体的に紹介

DXの進め方を徹底解説! ステップ別にやるべきことを具体的に紹介

業務改善で欠かせないキーワードになった「DX」。しかしDXが重要であることは理解していても、どのように進めたらよいのかわからないという方も少なくないのでは。そこで本記事では、DXの概要を理解した上で、その進め方を3つのステップに分けて解説します。

DXとは? 定義と日本での現状

近年、ビジネス界をにぎわせている「DX」。まずはDXの意味と、日本での現状を理解しましょう。

DX(デジタルトランスフォーメーション)とは

DXとはDigital Transformation(デジタルトランスフォーメーション)の略称で、デジタルを用いてビジネスや日常生活をよりよいものにしていく取り組みを指します。明確な定義はありませんが、経産省が発表している「DXレポート」では、次のように説明されています。

 

「新たなデジタル技術を活用して新たなビジネス・モデルを創出・柔軟に改変する」

 

つまり、デジタル技術を導入するだけでなく、その先にある企業の成長につなげることまでがDXといえます。

 

ちなみに、Digital Transformationを略すと「DT」となるのに、なぜ「DX」と略されているか気になる方も多いのではないでしょうか。英語の「Trans」は「横切って」といった意味があり「Cross(交差する)」と同義語です。「Cross」は「X」で表されることから、「Trans」を「X」に変換して「DX」としています。

デジタイゼーション、デジタライゼーションとの違い

DXと混同されやすい言葉に「デジタイゼーション」と「デジタライゼーション」があります。経産省は「DXレポート2」の中で、デジタイゼーションを「アナログデータをデジタル化すること」、デジタライゼーションを「個別の業務や製造のプロセスをデジタル化すること」としています。
一例として、以下の取り組みが挙げられます。

 

デジタイゼーション

  • 紙の名刺情報を顧客データベースに登録する
  • 社内の回覧板や掲示板を廃止して、ビジネスチャットで情報共有をする

 

デジタライゼーション

  • 入力業務をRPA(ロボティック・プロセス・オートメーション=ロボットによる業務自動化)で代行する
  • 電子契約を導入して、契約に関する一連の業務をオンラインで行う

 

ここで注意すべきなのが、デジタイゼーション・デジタライゼーションの段階では、データ管理や業務などにデジタル技術を導入しただけにすぎないということです。全社横断的にデジタル技術を活用してビジネスモデル自体を変革してこそ、DXを実現したといえます。

DXが必要となっている背景「2025年の崖」

DXが必要とされている背景には「2025年の崖」があります。これは、深刻な人材不足やサポート切れが起こる2025年までに対策を怠ると、以下のような危機が訪れることを示唆しているものです。

 

  • 既存の基幹系システムの複雑化、ブラックボックス化
  • 約43万人と推測されるIT人材不足の深刻化
  • さまざまなアプリケーションのサポート切れ

 

これらの問題は、日本全体で年間最大12兆円もの経済損失をもたらすといわれています。その事態を回避するためにも、日本企業は新たなデジタル技術を活用してDXを進める必要性に迫られているのです。

日本におけるDXの進捗状況

デジタル面で日本は大きな問題に直面していますが、実際にDXは進んでいるのでしょうか。経産省が発表している「DXレポート2.2」によると、社内のDXがどこまで進んでいるかチェックできる「DX推進指標」で成熟度レベル3以上の先行企業の割合は、2022年には全体の18%となり、2019年の4%から大きく向上しています。

 

その一方、企業のデジタル投資の約8割は現行ビジネスの維持・運営に投入されており、新たなビジネスへの変革には思うように予算を割けられていないのも現状です。

【DXの進め方】準備段階

【DXの進め方】準備段階

 

DXの必要性に迫られている日本。それでは、どのようにDXを進めたらよいのでしょうか。「準備段階」「実行段階」「変革段階」の3ステップに分け、DXの進め方を解説します。まずは「準備段階」についてです。

DX戦略を策定する

DXを進めるにあたり、方向性を定めるために戦略を策定します。

まずは自社のデジタル課題や老朽システムを洗い出し、なぜ自社がDXを行うべきか明確にしましょう。自社の問題点が明確になれば「なぜDXしなければならないのか」という目的も明確になります。

 

また、最初から大がかりなDXに取り組むと膨大なコストや時間がかかる場合があるため、まずは部署や業務ごとに大まかなアクションプランやスケジュールを立てましょう。

社内の理解を深める

DX化を実現させるためには、社員の積極的な協力や能動的な取り組みが欠かせません。社内の足並みが揃っていないとスムーズにDX化は進まないので、DXに関する社内の理解を深めましょう。

 

自社のDX戦略を社員に共有し、一人ひとりに当事者意識を持ってもらうことが重要です。また、DXに成功している企業の事例集などを活用して必要性を理解してもらいましょう。

体制を整える

DXをスムーズに進めるには、社内の体制整備もポイントになります。

DXを推進する役割として、各部署内にDX推進チームを設置したり、新たにDX推進部門を設立したりする企業が多く見られます。また、社内にCIO(最高情報責任者)やCDXO(最高DX責任者)を配置し、役割や権限を明確化することも重要です。

【DXの進め方】実行段階

準備が整ったら実行に移ります。ここでは実行段階の具体的な進め方を紹介します。

デジタイゼーション、デジタライゼーションを進める

最初から全社横断的にデジタル化に取り組んで変革をすることは難しいため、最初はデータ管理や業務プロセスなどのデジタル化から始めましょう。たとえばペーパーレス化や脱ハンコなどは、手軽に始められる取り組みのひとつです。

新たなデジタル技術を徐々に社内に浸透させることで、社員もデジタルに慣れていき、DXへの意識の高まりにつながります。

DX人材を確保・育成する

継続してDXを推進していくためには、組織をけん引していけるDX人材の確保・育成が不可欠です。準備段階で体制の整備やCIO/CDXOの設置をしますが、実際にビジネスモデルをデジタルに変革するためには、広い知見と専門的な技術をもつ人材が求められます。

新たに人材を採用するだけでなく、今いる社員を適切に教育してDX人材に育成することも検討しましょう。

【DXの進め方】変革段階

【DXの進め方】変革段階

 

DXの実行が進んだら、次は変革段階へと突入します。ビジネスが変革してこそDXが成功したといえるため、デジタイゼーションやデジタライゼーションで満足せず、この段階まで進めましょう。

定期的に振り返り評価する

定期的に「適切にDXが進んでいるのか」「実行する上で問題となっている点はないか」といった視点で振り返り、改善していきましょう。

また、どのくらい自社のDXが進んでいるのか把握することも重要です。客観的にDXの進捗状況を把握するためには経産省が公開している「DX推進指標」を活用しましょう。定性的・定量的な指標で、自社の成熟度を判定できます。

データを分析してビジネスモデルに活用する

数値データで可視化できるのがデジタルの利点です。アナログデータでは把握しきれなかった部分も、数値として定量的に把握できます。

たとえばテレアポ業務をアナログで行っていると、誰がどのくらい稼働しているのか、アポイント獲得率はどのくらいか、といった数値が見えにくくなります。しかしデジタル技術を導入すると、オペレーター一人ひとりの稼働状況や成果などが数値として可視化されます。

 

こうしたデータを分析することで、多くのビジネスのヒントが得られるでしょう。今まで気づかなかった自社のボトルネックを見つけたり、反対に自社の強みを発見したりできます。そして分析結果を活かし、自社のビジネスモデル見直しましょう。

まとめ

DXは、日本企業の喫緊の課題といえます。ただし、闇雲にDXを進めようとすると、社内の理解を得られずにつまずいたり、デジタル技術を導入しただけで満足したりすることになりかねません。まずはDXの進め方を理解して、自社の戦略を策定することから始めましょう。

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