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業務プロセス可視化 概要とメリット、行わないリスクを解説

業務プロセス可視化 概要とメリット、行わないリスクを解説

自分や組織の業務の効率が良くないと感じることはありませんか。それは業務プロセスの可視化によって改善できるかもしれません。近年、競合他社との差別化やコスト削減、DX推進などが強く求められるなかで、業務プロセス可視化はまず取り組むべき重要戦略となっています。今回はその意味やメリット、成功へのステップについて紹介します。

業務プロセス可視化とは?

業務プロセス可視化とは、ある業務の手順や流れを図や表、ツールなどを用いて視覚的に表現をすることです。業務の構造やフローを明確に把握できると、どこで課題や問題が発生しているかを洗い出せるため、適切な改善施策を導き出せます。また、業務の進め方を明確化し、誰もが理解して実行できるようにする効果もあります。業務プロセス可視化は、業務改善へ向けて必要不可欠なステップのひとつとなっています。

業務プロセス可視化を行うメリット

業務プロセス可視化を行うメリット

 

業務プロセスを可視化し、業務改善を行うことは、企業の経営にさまざまな良い効果をもたらします。ここでは実際にどのようなメリットがあるのかを紹介します。

全体像を把握し、進捗管理ができる

業務の全体像を把握し、誰がどの業務を担当しているかを明確にした上で進捗状況を管理できるため、問題点(ボトルネック)を早期に特定し、的確で具体的な改善策を講じることができます。

 

たとえば、ある部署で起こった業務遅滞の原因が、業務負荷の偏りや人員の不足だった場合、その調整により全体の進捗を改善することができます。また、同様の問題の予防、再発防止にも有効です。

コストを削減、生産性を向上できる

業務プロセス可視化により、不要な業務や非効率な業務を特定できるため、人的・物的・時間・経営コストの削減が可能です。タスクの効率化、正確な資源の見積もり、人員配置の最適化、ミスやエラーの予防などによって、人件費や設備費、材料費などのコストが下がり、生産性向上につながります。

 

たとえば製造業において、作業工程を見直したり、作業環境や機器を改善したりすることで、生産ラインの稼働率を向上させ、生産性を高めることができます。

効率化によりサービス・品質が向上

業務プロセスを統一してマニュアル化したり、担当領域や責任の所在を明確にしたりすることで、不要な作業や人的ミスが減少し、効率化につながります。これによりサービスや品質が向上し、お客様の満足度も高まります。

 

たとえば飲食店において、調理の手順や食材管理を可視化することで、より品質の良い商品をスピーディーに提供できるだけでなく、接客などのサービス面でも改善が期待できます。食材のロスや食中毒などによるトラブルを防ぐことができ、生産性の向上にもつながります。

DX推進の第一歩にも!

業務プロセス可視化は、DX(デジタルトランスフォーメーション)の重要な要素のひとつです。DXはデジタル技術を活用することによって、企業や組織のビジネス、顧客体験、従業員の働き方などを変革する取り組みです。業務プロセスを可視化することで自動化により効率化できる作業や、デジタル技術の導入により最適化できる業務を見つけ出すことができます。

業務プロセス可視化、しないとどうなる?

業務プロセスを可視化せず、全体像や各プロセスを把握できないまま経営を進めていった場合、どのようなリスクが存在するのでしょうか。

リスクマネジメントができない

業務の全体像を把握できていない状態では、適切なリスクマネジメントができません。たとえば、どの部署が担当している何の作業が滞っているか分からなければ、全体の進捗が遅れている原因を特定できず、的確な措置を取ることができないでしょう。顧客からのクレームやトラブルも、予防や早期の発見・評価が困難になるだけでなく、同様の問題が再発する危険も考えられます。さらに、業務プロセス可視化は、法的な観点でも意味があるといえます。問題発生時に責任の所在を明らかにするためにも、プロセスの正確な記録と把握が重要です。

業務が属人化してしまう

業務プロセスが明確になっていないと、統一されたマニュアルがないために担当者が自分なりの方法で業務に取り組み、他の人には再現できない独自のノウハウが生まれてしまいます。そういった場合、欠員や人事異動などにより担当者が変わると、新しい担当者が業務を引き継ぐ際に非効率になる上に、サービスや品質の低下につながる可能性もあります。また、業務が属人化すると進捗状況も不透明になるため、業務全体の進捗管理が困難になります。

残業が増えるなど労働環境の問題も

業務の進捗や問題点を把握できないままでは作業も遅れがちになります。プロセスが複雑であったり業務が誰かに偏っていたりする場合、作業が効率的に行われないばかりか、従業員のストレスや過労、残業の増加による人件費の増加、他の作業への支障が生じる危険もあります。業務プロセス可視化は、従業員の負担軽減や労働環境の改善、生産性向上にも役立つのです。

業務プロセス可視化、何から取りかかる?

業務プロセス可視化、何から取りかかる?

 

業務プロセスの可視化を円滑にスタートし成功させるには、以下のようなステップで進めることをおすすめします。

 

1. 可視化する業務プロセスの選定
2. 業務プロセスを分解し、段階ごとのタスクや責任者を洗い出す
3. 2.を整理し、フローチャートやマップなどの図や表に落とし込む
4. 3.をもとに、業務プロセスの改善点や問題点を抽出し、改善案を検討する
5. 改善案を実施し、効果を定量的に評価する

 

最初に取りかかるべき「可視化する業務プロセスの選定」には、現場のヒアリングが欠かせません。

ヒアリングから始めよう

業務プロセス可視化に取り組むためには、直接業務に関わる従業員や管理者などに対して、業務プロセスの詳細や問題点、改善案などをしっかりと聞き取ることが大切です。業務フローを正確に把握するとともに、実際に働く人々の意見や要望を取り入れることで、自社の状況に適した改善策を設計することができます。また、現場と経営層の意識の共有や意見の交換ができるため、新たな取り組みや不慣れなデジタル技術を導入する際にもスムーズに進められるようになるといった効果も期待できます。

業務可視化ツールの導入

業務プロセス可視化には、フローチャート、ワークフロー図、プロセスマップなどのツールが使われています。それにより、各業務の概要や手順、業務と業務のつながりや流れを視覚的に表現し、全体像を理解しやすくすることができます。業務可視化のための多くのITツールにはドラッグ・アンド・ドロップのインターフェースが採用されているので、操作に特別なIT知識は要りません。さらにクラウドで提供されているツールの場合、チームメンバーが同時にプロセスを編集できます。また、業務可視化ツールと他のツールとの連携により、さらなる効率化を目指すことも可能になります。

業務プロセス可視化を検討してみましょう!

業務プロセス可視化の方法は数多くありますが、ITツールを導入する企業が増えています。ITツールを活用すればデータ収集や分析、情報共有がしやすいほか、クラウド上で管理ができるなどの利点が数多くあります。また、業務プロセスを可視化し、問題点を洗い出した後には改善策を講じ、実施していくことになりますが、その際にもITツールを活用していれば円滑に次のステップに進めるでしょう。

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