2025.02.07

BCP対策とは?セキュリティの観点から考える重要性と具体的な6ステップについて解説

BCP対策とは?セキュリティの観点から考える重要性と具体的な6ステップについて解説
BCP対策とは、企業が自然災害やサイバー攻撃などの予期せぬ事態に直面した際でも、重要な事業活動を継続または早期に復旧するための計画を策定し実行することです。

本記事では、BCP対策の重要性、特に近年脅威を増すサイバー攻撃や内部不正による情報漏洩リスクに焦点を当て、セキュリティ対策を考慮したBCP対策の具体的な6ステップについて解説します。

お問い合わせ、または、
セキュリティ対策に関する
詳細情報を
無料でご覧いただける資料をダウンロードください。

BCP対策とは?

BCP(Business continuity planning:事業継続計画)対策は、企業が自然災害やシステム障害といった予期せぬ事態に直面した際でも、事業活動の継続および早期復旧するための計画を策定し、平時から備える取り組みのことです。この概念は、より広範なBCM(Business Continuity Management:事業継続マネジメント)の一部として位置づけられています。

具体的なリスクとして、自然災害(地震、台風、洪水など)、感染症の流行、サイバー攻撃、重要インフラの機能停止、サプライチェーンの寸断など、さまざまなリスクに対して適切な対策を講じる必要があります。

近年、特にサイバー攻撃の脅威増大や内部不正による情報漏洩リスクの高まりを受け、企業のセキュリティ対策強化は、BCP対策における重要な要素です。 

そのため、事前にさまざまな観点からリスクを分析し、具体的な対応手順や体制を定めておくことが重要です。平時からの備えが、迅速な復旧と事業継続の鍵となります。

BCP対策の重要性

BCP対策は、今や経営戦略の最重要課題の一つです。取引先要請への対応、企業価値向上、ステークホルダーからの信頼確保といった観点からも、その必要性は年々高まっています。

特に近年、巧妙化するサイバー攻撃や内部不正等による情報漏洩リスクの増大は、事業継続を脅かす深刻な問題です。そのため、セキュリティ対策強化はBCP対策の急務となっています。

BCP対策には、セキュリティインシデント発生時に取るべき対応手段の計画だけでなく、インシデントを想定した訓練と定期的な見直しが重要です。有事を想定した訓練を通じ、従業員が取るべき行動を明確化し、課題を洗い出すことで、BCPの実効性を高められます。

BCP対策で対策必須なセキュリティ脅威とは?

ここでは、BCP対策で重要なセキュリティ観点である「サイバー攻撃の巧妙化」「内部不正による情報漏洩」について、具体的な脅威を解説します。

セキュリティ脅威一覧

リスク脅威概要
サイバー攻撃の巧妙化標的型攻撃特定の企業や組織を狙い、巧妙なメールやWebサイトで従業員を騙し、マルウェア感染や情報窃取を行う攻撃。
ランサムウェアデータを暗号化し、復旧と引き換えに金銭を要求する攻撃。
サプライチェーン攻撃取引先企業や利用サービスなど、自社が直接管理していないサプライチェーンのセキュリティ上の弱点を悪用して攻撃を仕掛ける手法。
内部不正による情報漏洩データ持ち出し従業員が機密情報を不正に持ち出し、競合他社へ売却したり、私的に利用したりするケース。
誤操作・誤送信メールの宛先間違いや、公開すべきでない情報の誤った共有など、不注意による情報漏洩。
不正アクセス退職者がシステムに不正にアクセスし、情報を窃取するケース。

これらの脅威は、事業継続に深刻な影響を及ぼす可能性があるため、BCP対策においては、これらのセキュリティ脅威への対策も検討し、実施することが重要です。

セキュリティ対策を考慮したBCP対策の具体的な6ステップ

ここでは、内閣府の『事業継続ガイドライン -あらゆる危機的事象を乗り越えるための戦略と対応-(令和5年3月)』を参考に、セキュリティ対策に重点を置いたBCP策定の6ステップを解説します。

セキュリティ対策に重点を置いたBCP策定の6ステップ

  1. ステップ1:方針の策定
  • 経営層主導で、自社の経営方針や事業戦略に照らし合わせた事業継続方針を策定
  • セキュリティ専門家を含む部門横断的なBCP推進チームを編成

  1. ステップ2:リスク分析
  • 事業影響度分析(中核事業を特定し、事業停止時の影響を評価)
    • 情報システム停止による事業影響を評価
    • セキュリティインシデントを考慮した目標復旧時間を検討
  • セキュリティリスクアセスメント
    • 情報資産に対する脅威・脆弱性の特定とリスクの優先順位評価

  1. ステップ3:セキュリティ対策の検討・決定
  • 特定したセキュリティリスクへの対策を検討
  • 代替手段・バックアップ方法の検討

  1. ステップ4:計画の策定
  • セキュリティ対策を強固に組み込んだBCPを策定し、文書化
    • 緊急時の体制
    • 緊急時の対応手順
    • 事前対策の実施計画
    • 教育・訓練の実施計画
    • 見直し・改善の実施計画

  1. ステップ5:事前対策及び教育・訓練の実施
  • 事前対策の実施
  • 教育・訓練の実施

  1. ステップ6:見直し・改善
  • 点検・評価
  • 経営者による見直し
  • 是正・改善
  • 継続的改善

これら6ステップを通じて、セキュリティ対策を強固に組み込んだ、実効性の高いBCPを策定することが重要です。

まとめ

企業にとって、サイバー攻撃や内部不正等のセキュリティ脅威は、事業継続を揺るがす重大リスクです。効果的なBCP対策には、セキュリティ強化が不可欠であり、リスク分析に基づいた多層的な対策と、定期的な訓練・見直しが重要です。

しかし、自社対応には限界もあります。DTSは「DXセキュリティ導入・運用監視支援サービス」にて、業界ガイドライン診断やコンサルティング、内部情報漏洩・サイバー攻撃対策、迅速なインシデント対応まで、専門家がワンストップでサポートいたします。今こそ、セキュリティ対策を踏まえたBCP対策に取り組みましょう。

自社のシステム環境におけるセキュリティの現状調査やサイバー攻撃、内部不正等のセキュリティ脅威の対策に興味がある方は、「DXセキュリティ導入・運用監視支援サービス」をご覧ください。

お問い合わせ、または、
セキュリティ対策に関する
詳細情報を
無料でご覧いただける資料をダウンロードください。

おすすめの記事

多要素認証とは?二段階認証の違いとセキュリティ効果を高める運用ポイントについて解説

2025.02.07

多要素認証とは?二段階認証の違いとセキュリティ効果を高める運用ポイントについて解説

多要素認証とは、複数の認証要素を組み合わせて本人確認を行うセキュリティ技術です。 本記事では、多要素認証の3つの認証要素(知識情報、所持情報、生体情報)の特徴や二段階認証との違い、身近な利用例、導入のメリット・デメリット、そして効果的な運用のポイントについて解説します。

なぜ今SASE?必要性と主要機能、メリットについて解説

2025.01.31

なぜ今SASE?必要性と主要機能、メリットについて解説

SASEとは、「サシー」または「サッシー」と呼ばれ、ネットワーク機能とセキュリティ機能をクラウド上で統合し、あらゆる場所やデバイスからのアクセスに対して一貫した保護を提供する概念です。 本記事では、従来の境界型セキュリティの限界、ゼロトラストセキュリティとの関連性、SASEの主要機能、そして導入によるセキュリティ強化や運用効率化などのメリットについて解説します。

ゼロトラストとは?意味や実現するセキュリティ技術をわかりやすく解説

2025.01.31

ゼロトラストとは?意味や実現するセキュリティ技術をわかりやすく解説

デジタル化とリモートワークの普及に伴い、企業のセキュリティ対策は大きな転換点を迎えています。 従来の「社内は安全、社外は危険」という考え方から、「すべてを信頼しない」というゼロトラストセキュリティへの移行が加速しています。 本記事では、ゼロトラストセキュリティの重要性、導入における課題、導入を成功させるためのポイントについて解説します。

コラム一覧

まずはお気軽にご相談ください

お問い合わせ・資料ダウンロード